2013年5月12日日曜日

『まんがタイムジャンボ』2013年6月号

『まんがタイムジャンボ』2013年6月号、昨日の続きです。

エッセイ企画は「あなたの最後の晩餐メニューは?」。もしこれが最後の食事となるなら、なにが食べたいか。定番といえば定番の問。けれど、食にはその人の大切にしてるもの、それが表れてくるようにも思うんですよね。参加者は瀬田ヒナコ、あろひろし、トイシキ、とく村長、春夏アキト、天然鰤。食べたいものは、おかん飯、嫁の手作り水餃子、天下一品の中華そば、とりあえずビール、カツ丼? そしてビーフウェリントンです。って、それ知らない! イギリス料理、けどそんなにおいしいんだ? ちょっと興味が出てきました。機会があったら食べてみたいです。さて、最後の食事となると、ただ好物、高級なものというのではなく、普通のものでもいい、自分にとって大切なもの、そういう答が出てくるのは、ああわかるよ、そういう気分になりまして、おかん飯とか手作り水餃子とかはその典型ですよね。ああ、自分もそういうのだったら、母の作ったうどんが食べたい。うどんは市販、だからつゆですね。しかし、最後のメニュー、それを考えるに際して、自分の死の直前と考えるか、あるいは世界が滅びる前と考えるか、そういうところにも人柄は出るんだな、そう思いました。私なら、自分の死を思ってしまいますね。さて、とく村長、最後の晩餐がそのどちらのケースであっても、とりあえずビール。この揺らがない決意、ナイスでした。

『テイクアウト!』、よいですね。今回は卵かけご飯。楓の前でこのみがやって見せたら、さすがお嬢様というべきか、見たこともなかったっていうんですね。そこへすかさず、卵かけご飯の奥深さを説明するこのみ。食べてみたくなったという楓なのだけれど、中々期待どおりにはいかない。使用人たちときたら、なぜお嬢様がそんなものをと不審がって、大々的な視察団を学校に送り込む。なかなか自由にあれない楓であるわけですが、そんな彼女に同情して手をとるこのみ。一緒に逃げよう、その誘いは魅力で、ほんと、このみは楓の王子様なのかも知れない、そう思わされたんですよ。けれど、お嬢様にも責任がある。お嬢様を見失って慌てる使用人の姿を見て、自ら戻るというんですね。楓はこのみに、知らない世界を見せてくれる人として魅力を感じ、対しこのみは、楓を自分の責任を知る大人としての魅力を思っている。この互いに憧れを持ったりするところ、また助けあったり思いやったりするところ、それがよく描かれてよかったです。

『炊飯器少女コメコ』、最終回でした。コメコをリセットするかどうかという問題に答が出たんですね。たけるの一番になりたい。その気持ちを捨て、炊飯器としての生をまっとうしたい、そういうんですね。しかし、怖れていた展開、実はたけるは、自分が名付けた炊飯器だったんだ。「炊ける」なんだ、とおじさんが告白したり、そういうことはありませんでした。よかった。コメコはたけるのもとに戻り、そしてアユはたけるの隣に。よねちゃんは相変らずアクティブですが、たけるとアユに関しては、穏やかながらもその関係を深めていって、そしてコメコはコメコとして、ずっと側にいるんですね。もうコメコは、おいしくご飯を炊けるのでしょうか。そうだったらいいなって思います。

『ひなこの恋の咲かせかた!』、終わってしまいましたよ。びっくり。最終回は荒川翔が見ている世界ですね。植物が好き、盆栽にはまっている、そんな彼は、人との付き合いをおろそかにしていたせいか、誰も彼もが土筆に見えるようになってしまった。って、つくしがやたらリアルで、なんか怖いよ! これ、いずれ少しずつ明らかにしていこうとしていたところを、最終回というので一気に出したのかなあ。なんだかシュールな風景、映画『マタンゴ』思い出したり、また手塚治虫の『火の鳥・復活編』みたいと思ったり、ええ、インパクトのある最終回でした。しかし面白いのは、ひなこのこと、つくしから人の姿に変わったのかな? そう思っていたら、違った。植物は植物、花のつぼみに見えるようになってきて、なるほど、恋の咲かせかたという所以でありますね。いずれ咲く日がくるのだろうか。そうした予感をさせるラストは、なかなかによかったなって思ったんですね。

  • 『まんがタイムジャンボ』第19巻第6号(2013年6月号)

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