一年くらい前の記事です。実はこっそり『ヒントでみんと!』にまつわる文章を公開していましてね、それはいったいなにかといいますと、『ときめきメモリアルONLINE』について書いたもの。ふたつ目の段落にあるのですよ、ピコポン!
って! 『ヒントでみんと!』がはじまったのは、2006年9月のことなんですね。それから半年あまりがたって、私はもうこの漫画がすっかりお気に入りになっていました。なにがいいといってもピコポン!ですよ。ヒロインみんとがヒントをひらめく時の描写、効果音がこれなんですが、いかにもいいアイデア、ヒントを思いつきました! っていう感じがしましてね、毎回このヒントを楽しみに読んでしまうんですね。で、楽しみが高じて、口癖になってしまった。あ、そういえば、といった具合に思いついたり思い出したりした時に、頭の中でピコポン!って音がするんですね。なに、私にはよくあることです。こうしたことは、実に頻繁に起こることであります。
『ヒントでみんと!』、なんだか象印賞とか思い出しそうなタイトルですが、それはさておき、四コマ漫画には珍しい謎解きものであります。ミステリーとでもいったらいいのですかな? 毎回、ちょっとした事件が起こって、ミステリ作家志望のいっちゃんと小学二年生のみんとが謎に挑む、そうした趣向が楽しくて、けれどただただ解くだけではないのです。
事件が提示され、あらましが語られる、ここまではよくあるケース。けれど『ヒントでみんと!』に特徴的なのは、謎解きの前にヒントがひとつ入るのです。それがみんとのヒント能力。最初にいっていたピコポン!です。ピコポン!という効果音とともに、みんとにヒントが授けられるのですね。かくして、そのヒントを受けたいっちゃんが推理、無事事件を解決に導くのでありました、めでたしめでたし。これが基本のパターンです。
事件やトリックといっても、さほどのものではないのです。だって、四コマで本格ミステリされても困るしさ、それに小学二年生ヒロインの漫画で人死に出たりしても困るしさ。もう、本当に簡単な事件。謎というのもさほどのものでもなく、けどこの軽い謎解きっていうのが楽しいってことはあると思います。先ほどいっていた基本のパターン、あらましの部分で必要なヒントがちゃんと用意されているというのがミソです。そう、みんとのヒントが出る前に謎を解くことも可能なのですよ。真相見っけ! それからヒント、いっちゃんの謎解きを楽しむという、いわばみんと、いっちゃんとの勝負が可能なのですよ。
こういうの、ほら昔、学習雑誌とかに載っていたりして、楽しかったりしたでしょう。そう、『名探偵荒馬宗介』ですよ。え? 知らない? じゃあ『アリス探偵局』とか、アニメだけど。知らない? うー、じゃあまあいいや。他愛もないといえば他愛もない、それこそ有名ミステリからの借用や基本形の応用あるいはそのものといったトリックで、読者諸君諸嬢、この謎を解けるかな、ガハハハハハッ、って感じで楽しませてくれる漫画、小説、アニメはそれこそたくさんあって、それこそ本格なんてのりじゃなく、すべての謎はドラマ中の探偵役にではなく、読者に解かれるために用意されている、そういった類いのもの、私は好きなんですよ。だから、『ヒントでみんと!』がはじまった時には、これだ! と思ったものでした。それからというもの、毎号を楽しみにして、その緩いミステリテイストを面白く読んできました。自分で解くにせよみんと、いっちゃんにおまかせするにせよ、事件とその解決の過程や、きっと起こるどたばたとして楽しい騒ぎ、それが本当に面白く、ほほ笑ましく、なんかよいなあと思ってきたのですね。
この漫画がはじまった当初、謎解きは面白いけれど、毎号トリックを用意するのは大変じゃないかなあと思っていたのですが、そうしたら実際そうであったのか、今では怪盗も現れたりして、ちょっとずつ面白さの方向性を変えていっています。最初のころほどの、子供ミステリ劇場感はなくなって、寂しくないっていったら嘘になりますけど、けれどまた違った楽しさ、キャラクターのクローズアップといったらいいでしょうか、そういう見せ場がありますから、楽しみにしていることは変わっていません。むしろ、今ののりでどういう膨らませ方をするのかなあ、そっちに興味津々で、だって私は秘密のヒーローもの(怪盗だけどさ)が好きで、かつご町内どたばたものも大好物であるのですから、いけるいける、『ヒントでみんと!』まだまだいけるよ、実際そんな感じであるのですね。
ところで、この漫画、NHKとかで子供向けのドラマになったりしたら面白そうだなあと思ったりしまして、あのピコポン!のシーンとか、微妙に無理矢理感漂ったりするんだろうなあとか思うんですが、でもそういうしょぼさ含めて面白いかなって思ったりして、全六回くらいでさあ、十二回でもいいけど、無理だとは思うんだけど、なったらいいなあ。まあ、希望するだけなら自由ですから。
それはそうと、ボマーン氏、後書きでこんなことおっしゃってます。
「ヒントでみんと!」は探偵モノのようなマンガではありますが、とても都合のよい力で都合よく解決しちゃってる気もします。
でも世の中には、胸がキュンとなって事件を解決しちゃう刑事もいますから、それはそれでいいんじゃないでしょうか。そういえば、これ、ドラマにもなってましたっけ。ほら、潜在的需要はあるんですよ。というわけで、重ねて『ヒントでみんと!』ドラマ化、希望だけしときます。
- ボマーン『ヒントでみんと!』第1巻 (まんがタイムコミックス) 東京:芳文社,2008年。
- 以下続刊
引用
- こととねお試しBlog: ときめきメモリアルONLINE
- ボマーン『ヒントでみんと!』第1巻 (東京:芳文社,2008年),112頁。
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