先日、『天使のお仕事』の2巻を買ったなんていってましたけど、実は今回はこの漫画で書くのはやめておこうかなと思ったのでした。ですが、なんだか私の姉話は評判がいいみたいじゃないですか。鬼気迫ってるからかな? とにかくうける。なんでかわからないけどうける。だからあちこちで姉が姉がといってまわって、いわゆるひとつの定番ネタとしてみたところ、姉スキーみたいに思われた。いや、そりゃ心外な! というか、姉のキャラクターが独り立ちしてるみたいなところがあって、噂のお姉さん、ああ例の! みたいな反応も得られて……、参りましたね。調子に乗っちゃうじゃないですか、私が。そんな具合に気分をよくして、今日は『天使のお仕事』、二回目です。
というわけで、姉トーク。この漫画見て思うんですけど、いくらなんでも和気日生、剣の姉弟、これは異常だと思うのです。いくら姉がアレな存在であるといっても、日生ほどのことはないだろうといいたいわけで、すなわちうちの姉はあんなにひどくないっていってます。そりゃもう確かに、友人が弟からお年玉、おおっとお福分けでしたかな、もらってるという話を聞きつけてきて、ああなんていい弟だろう、お前もお姉さまにお年玉を渡しなさいなんていわれたことはありますよ。けれどそれはあくまでも冗談ですから。普通は弟が貰うもんなんじゃないの? むしろお姉さんが弟にくださいといったら、笑ってそのまま流れました。って、お年玉くれないの!?
『天使のお仕事』というと、姉の苛烈さばかりがクローズアップされる嫌いがありますが(うちだけ?)、本来は産婦人科ナースものであります。可愛い絵で辛辣な内容を扱う、そうした表現上の質の高さがあって、そしてその向こうには本来のテーマがしっかりとして面白い。この本来のテーマが面白いというのが重要なことなんじゃないかと思うのです。
取材の成果であろうリアリティを武器に、けれど実話系のような生々しさは抑えられて、そこにふんだんに盛り込まれるネタの数々。これらが渾然一体となって、ひとつの世界を作り上げています。そりゃたまに、ちょっとこれはない、みたいなものもありますが、けれどそれは漫画だから。それに、こうしたなさそうなところ、おかしなところに突っ込みを入れつつ、少しずつキャラクターの成長を盛り込むことで、あり得なさ、違和感をなくしていくというやり方が実にうまいと思われて、ああこうしてみんな成長していくのねと、コメディとしての楽しみと、医療ものとしての面白さを両立させているといったらいいのかな。実にうまいと感じるのです。
けど、ヒロインのモモが成長する日はこないのかもなあ。くるとしたら最終回。それも数年経って、後から昔の自分の駄目さを振り返るみたいなかたちで果たされるんじゃないかなあ、なんて思って、だって、モモが成長してしまったら、この漫画のベースとなるところが変わっちゃう。だからやっぱりそれは終わるときだと思うのですがどうでしょう。ともあれいずれにしても、この漫画の面白さが持続するかぎり、モモさんには成長せずにいてほしいものだと、そんな風に思っています。
蛇足
『天使のお仕事』に新キャラクターが投入されて、それは武部桜。可愛くて、有能で、姉だけどやさしくて、我々人類に残された最後の希望のような娘です。だからきっと誰もがこの娘がお気に入りというだろうと予想がついて、そして私もその予測の範疇にいるようです。
まあ、他の娘が極端すぎるって気もしますけどね。でもその極端さがいいってこともある……? あるんじゃないかと思います!
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