2007年8月20日月曜日

STEP

 今になって聴きたいアニメソングってあると思うんです。ふとなにかのおりに思い出したりして、ああ懐かしいなあ、好きだったなあって、アニメが好きだったこともあれば、歌そのものが好きということもあって、けれど歌の好きなものは総じてアニメも好きだし、逆もまた然り。そう、iTunes Storeのせいで懐かしアニソン聴いちゃってるよ、第三弾です。

ええと、最初『魔動王グランゾート』がないかなって思って探したんです。グランゾートっていうのは、月の古代文明が残したロボット(魔動王)を駆り敵と戦う三人の少年たちの物語であったのですが、好きだったんですよ。ホロレチュチュパレロって聞いて思い出すところあるという人は友達になりましょう。月夜の晩の丑三つ時にヤモリと薔薇と蝋燭を、です。

けど、iTunes Storeにグランゾート パックがなかったんです。ええーっ、ないんだー。と残念がるのはいいとして、『グランゾート』がないというなら『ワタル』どうだろう。そう、『魔神英雄伝ワタル』ですよ。七階層ある創界山を、虹の橋を渡しながら最上層に向かうというストーリー。主人公は剣部ワタル(あれ、戦部だっけ? あ、戦部が正解。剣部はシバラク先生か)。意志を持つロボット魔神を操り、敵を撃破しつつ進んでいく。基本的にギャグの色の強いアニメで、シバラク先生なんて自分の魔神戦神丸を電話で呼び出す始末で、明るくて楽しくて、けどときにシリアス、魅せたよねー。面白かったわ。ほんと、私は第一話は偶然テレビつけっぱなしにしてたら見ちゃったって具合で、ええと福島から借りたドラクエIIIのサントラLPをテープに録音してるときに裏で流しっぱなしにしてたんですが、そうしたらそのテープに『ワタル』の台詞が録音されちゃってですね、レコードプレーヤーって外部の音拾っちゃうんだって、はじめてその時意識したことを覚えています。

ええと、余談でした。

『ワタル パック』には二曲収録されています。『STEP』と『a・chi-a・chi アドベンチャー』。私、『a・chi-a・chi アドベンチャー』についてはすっかり忘れれて、ほんと、『STEP』聴きたさにダウンロードしたようなものですよ。そしたら、『a・chi-a・chi アドベンチャー』、すごいね。聴いて一発で思い出しました。ああ、この歌バックにしてヒミコが踊ってたよなあ。しかし、中学生だった頃の私には感じられなかったけれど、今になって聴くとなんだかすごく挑発的ですごいね。ちょっと艶めかしい。おっちゃん、ちょっとドキドキする。全体に音源はLow-Fiで、全体にもこもことして抜けも悪いというのに、このずがーんっと突き刺さってくる感じはなんだ。ちょっと穏やかでいられない。歌っているのはa・chi-a・chi、ちょっと舌足らずの発音がなおさら蠱惑的でこれはちょっとあれだわ。『シングル・コレクション』買ってもいい。つうか、まだ買えるんだ。すごいな『ワタル』、というかビクター、素敵すぎですよ。それこそ超の方も併せて買っちゃおうかなって気分ですってば。少なくともこの二曲に関しては、『ワタル』という文脈を離れてもなお魅力を失いません。

『STEP』が掛け値なしに名曲なんですよ。アップテンポなナンバー、すごく前向きで、けどちょっとセンチメンタルな歌詞。少年の、まっすぐに伸びようとする思いの鮮やかさがある。君を守ろうという思いが、約束が、僕を先へ先へと進ませる力になるんだ! そんな感じがひしひしと感じられて、けど一番いいと思うのは、あの、夢を求めてくじけたときは新しいSTEPで素直になればいいというフレーズ。くじけても、あきらめない。くじけることがあっても、そのつど思い新たにして歩き出せばいい。傷つくことだってあるし、くじけることだってあるけれど、それが終わりじゃない。まだ先に進めるんだよといいたげな前向きさは、少年期の私にとってちょっとしたはげましだったって思ってる。ほんと、決して忘れることのできない、大切な歌のひとつです。

DVD

VHS

引用

  • 立花瞳『STEP

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