こんなかわいいおぜうさんが妻ならどんなにか毎日楽しいことだらう。いや、駄目かな? 私は背丈はあるけど(180cm)心が狭いからな、もしかしたら自由奔放なまきちゃんにはたえられないかも知れない……。なんてこと真面目ぶってしゃべるのも馬鹿馬鹿しい限りですが、けれど『だてまき。』に出てくるまきちゃんが可愛いのはもうどうしようもないことで、伊達まき、身長145cm。この人がヒロイン(ってのもなんかしっくりしない感じだけど)。そして登場人物はもう一人いて、まきちゃんの夫の伊達マサムネさん。この人身長185cm。そう、『だてまき。』は四コマにおいて一種ジャンルといってもよい身長差カップルものであります。それも男が長身という素直なタイプ。しかし、特筆すべきは登場人物であろうかと思われます。このふたりしか出てこないのですよ。本当に、このふたりで漫画が展開されていくのです。
こんなに極端ともいえるくらいに登場人物が少なくて、けれど私今までこの少なさを意識したことがありませんでした。それは、『だてまき。』という漫画の世界が、このふたりだけで充分に満足させられているからかな、なんて思うのですが、そうなんですよね、読んでいる私にしても、このふたりだけで充分すぎるくらいに満足しています。やさしく、むしろ甘い夫と、グータラで、どうしようもなくキュートなまきちゃんが、ふたりなんてこともないこといいあって、マーくんが一方的に食べ物とられたり、まきちゃんにふりまわされたりするという、それがなんでこんなに面白いと思うんだろう。ドラマチックな展開なんてもとよりないし、凝った設定もないし、萌えもおたく好みのネタも希薄だというのに、読んでいてゆったりと楽しみを感じられる。なんでだろう、よくわからない、けど私はこの漫画が好きで気に入っているってことだけでは、はっきりといいきれます。
このまきちゃんって人は、基本的に行動やら思いつきが可愛い人だと思うのですが、たまーに妙にしっかり書き込まれたりするところがありまして、それ見てるとああこの人は美少女美人なんだなって思わされて、けれどそうした要素はまずもって話には関わりなく、だって他にはマーくんしかいないから。マーくんはまきちゃんのことを可愛いって思ってるんですが、はじめて会ったときからそう思ってるんですが、けどそうしたことをあんまり口にはしないんですよね。愛を語らない。愛が盛り上がらない。けどその盛り上がらない中に、ふたりの繋がる心があるのかね? いいじゃないですか。こういう関係っていいと思います。愛や恋に揺れる心が翻弄されるまま駆け出すような漫画も、そりゃ読んでてテンションあがって面白いけれど、まったくといっていいほどテンションを上げようとしない、穏やかのんびり一辺倒の漫画もいい。読んでいてすごくいい、そう思います。
余談
私がこの漫画を気に入ってるのは、マーくんが決してまきちゃんの旦那じゃないってとこもあるんじゃないかなって思ってます。偉ぶらない、すごく対等な感じ。まきちゃんは嫁でなく、妻なんでしょうがそういう風でもなく、けどふたりはいいパートナーなんだって感じられる。この感じが好きなんだといっていいと思います。
あ、それから、私、お菓子食べるときはゴミ箱かかえてます。誰にゆわれたわけでもないけど、ゴミ箱なしでは食べられません。
- オザキミカ『だてまき。』第1巻 まんがタイムコミックス) 東京:芳文社,2007年。
- 以下続刊
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