2007年8月12日日曜日

姫ちゃんのリボン

    友人が日記で『姫ちゃんのリボン』にふれていて、あー、今『姫ちゃんのリボン』読んでんだ、なんて思ってちょっと懐かしくなってしまったのでした。『姫ちゃんのリボン』は集英社の少女向け月刊誌『りぼん』にて連載されていた漫画で、けどその知名度を一気に押し広げたのは、テレビにて展開されたアニメでしょう。ええ、見てましたよ。関西ではテレビ大阪とKBS京都の二局で放送されていて、私のうちでは両方入るから、時間差おきながら両方見ていました。そして、画質がちょっとでもいいほうをと思ってKBSを録画してたのですが……、一度オープニングが二度放送されるという放送事故がありましてね、内容はもうめちゃくちゃ! その後テレビ大阪が朝に前後編にわけて帯放送をしてくれたのでそれで補完したりしましたっけ。そんなわけで、私のうちには『姫ちゃんのリボン』の録画は二系統残っています。

けど、今や当時の録画したアニメを見ることもちょっとないなあ。時間もないし、なによりビデオデッキがちょっと怪しい。だからあれらの膨大なビデオテープはただ保管されるために保管されているという状態で、ちょっと切なくなりますね。きっと劣化もしてるでしょうし、今見るならDVD-BOXを買うのが一番いいんでしょうが、けど当時の放送にはコマーシャルがついてますからね。テレビCMってすごいですよ。如実に時代を語ります。おもちゃのCMはすごいリアリティをもって、当時のアニメを取り巻いた空気を明らかにして、ああ懐かしいなあっていう気にしてくれます。そしてその時間はもう取り戻せないと思い知らせてくれて、その切なさゆえに私はその遺物としかいいようのないビデオテープを保管し続けるのだと思います。無意味だと知りながら、記念物として残したいのだと思います。

アニメにはまった私は、その後原作の漫画にも手を出して、面白かったですね。確かにターゲットは若年層で、しかもかなり幼い感じ。かつて『りぼん』といえば、内面を深く掘り下げるような、むしろ問題作といってもいい? そういうものを連載していたりもしたのに、平成の頃にはずいぶん甘くなっていました。だってね、変身の呪文がパラレル・パラレル、元に戻るときには逆に唱えてねっていわれて、レルラパ・レルラパ、えーん、戻れないよー。ってそれはない。けど、そうした甘っちょろさも含めて愛していました。あのリボンがやぶけちゃった! って時も、ええーっ、なんて不注意な! などと思いながら、けれど木から飛び降りる途中の止め絵、私の好きなシーンであったりもします。ど、どうなるんだろう、っていうところ、好きだったのでした。

『姫ちゃんのリボン』のアニメを見たのは、前番組の『ゲンジ通信あげだま』の延長でですね。で、見事にはまって、原作読んで、先を楽しみにしてたらなんとこの水沢めぐみという人は単行本での描き直しが異常に激しい人でして、どれくらい激しいかというと、連載時には出てたけど単行本ではいなくなっちゃった人がいるくらい。五利先生のうちが燃えてしまうとこだったと思うんですが、えっとRMCでいうと7巻ですね、リボンの秘密を探る男の子がいたはずで、けど単行本収録時には影もかたちもなくなっていて、一体なんじゃそりゃー! と思ったから『りぼん』本誌の講読を開始した。深みにはまっていくって、こういうことをいうんですね。

けど、私が『りぼん』を買ったのは『姫ちゃんのリボン』の最終話数回前くらいからで、だから描き直しを怖れて買ったというその目的はほぼ果たされることなかったのですが、けどあの頃の『りぼん』は楽しかったねえ。あんまりに部屋が手狭になったので、心鬼にして売っちゃったんですが、空間の余裕さえあれば今も手もとに残してたでしょうね。惜しいなあ。甲斐性ないというのは辛いなあ、本当にそう思います。

『姫ちゃんのリボン』、内容についてはまるでふれてないですが、まあこのへんはいつか語ることもあるかも知れません。CD『マジカル・リボン・ツアー』の主題歌『君の瞳の物語』がスーパーでスペシャルに素敵だとか、本編にしても当時はまっていた発達心理学、そのパターンにばっちりはまっていてどうこうだとか、当時の友人といろいろ話したこと思い出しますな。けど、それはまあ、またの話。今日はこのへんにしときたいと思います。

  • 水沢めぐみ『姫ちゃんのリボン』第1巻 (りぼんマスコットコミックス) 東京:集英社,1991年。
  • 水沢めぐみ『姫ちゃんのリボン』第2巻 (りぼんマスコットコミックス) 東京:集英社,1991年。
  • 水沢めぐみ『姫ちゃんのリボン』第3巻 (りぼんマスコットコミックス) 東京:集英社,1991年。
  • 水沢めぐみ『姫ちゃんのリボン』第4巻 (りぼんマスコットコミックス) 東京:集英社,1992年。
  • 水沢めぐみ『姫ちゃんのリボン』第5巻 (りぼんマスコットコミックス) 東京:集英社,1992年。
  • 水沢めぐみ『姫ちゃんのリボン』第6巻 (りぼんマスコットコミックス) 東京:集英社,1993年。
  • 水沢めぐみ『姫ちゃんのリボン』第7巻 (りぼんマスコットコミックス) 東京:集英社,1993年。
  • 水沢めぐみ『姫ちゃんのリボン』第8巻 (りぼんマスコットコミックス) 東京:集英社,1994年。
  • 水沢めぐみ『姫ちゃんのリボン』第9巻 (りぼんマスコットコミックス) 東京:集英社,1994年。
  • 水沢めぐみ『姫ちゃんのリボン』第10巻 (りぼんマスコットコミックス) 東京:集英社,1994年。
  • 山田隆司『姫ちゃんのリボン』第1巻 水沢めぐみ原著 (コバルト文庫) 東京:集英社,1993年。
  • 山田隆司『姫ちゃんのリボン』第2巻 水沢めぐみ原著 (コバルト文庫) 東京:集英社,1993年。
  • 山田隆司『姫ちゃんのリボン』第3巻 水沢めぐみ原著 (コバルト文庫) 東京:集英社,1993年。
  • 山田隆司『姫ちゃんのリボン』第4巻 水沢めぐみ原著 (コバルト文庫) 東京:集英社,1993年。
  • 山田隆司『姫ちゃんのリボン』第5巻 水沢めぐみ原著 (コバルト文庫) 東京:集英社,1994年。
  • 山田隆司『姫ちゃんのリボン』第6巻 水沢めぐみ原著 (コバルト文庫) 東京:集英社,1994年。
  • 山田隆司『姫ちゃんのリボン』第7巻 水沢めぐみ原著 (コバルト文庫) 東京:集英社,1994年。

CD

DVD

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