2007年7月28日土曜日

突撃!第二やまぶき寮

 私は岩崎つばさというと『サーティーガール』くらいしか知らなかったんですけれど、けれどその後四コマ誌にも進出されて、あ、岩崎つばさだと喜んだものでしたよ。可愛い絵柄、チャーミングなキャラクターたちが繰り広げる楽しい日常漫画。けれど最初はちょっと薄味かなあなんて思っていたんです。なんだかちょっと弱い、惜しいなあ。弱さがあるというのはどういうことかというと、アクの問題なんじゃないかと思うんです。最初はそれこそあんまりにシンプルすぎて、ストレートすぎて、ヒロインの青ちゃんはいい子だし、有能だし、可愛いし、いうことないんだけど、そうした設定が引っかかりなくすっと通り過ぎていくような感じがあって、だからちょっと食い足りないかななんて思ってたんです。

ところが、今となっては結構どころでない好きな漫画になっていて、いやはや私ってどうしてこうレイトスタートなんでしょう。最初は、やまぶき製菓の女子社員寮きっての暴れ者、自由人、青ちゃん大好きの紫子さんだったかな。癖のある寮生のなかでも特に癖のある女性で、とにかくドラマは彼女から始まる、というかトラブルメーカーといったほうがいいかも。けれど気っぷのいい姉御肌、まだ幼さの残る青ちゃんをよく支えて、また漫画もよく引っ張って、こんな具合にいい循環ができてきたと思います。だんだんとキャラクターの本性があらわれてくるに従い、漫画の楽しさもあらわになってきた。寮生みんなが楽しそう。それがなによりでした。青ちゃんと紫子さんを筆頭とする寮のみんながいる。日常をイベントに変える彼女らのエネルギーは見ていてすごく楽しかったしうらやましかった。ああ、いい漫画だねと思ったものでした。

だからですよ、社長の息子山吹統治があらわれたときには、この楽しい今を壊さないで! って本当に思った。憎かったですね。一体なんだこの男はと思って、早く去ってほしいと願ったら、なんと副管理人になっちゃった。うわー、最低だ!

けれど、この副管理人、だんだんとやまぶき寮の雰囲気に染まっていくかのように、角が取れ、よさが見えてきて、今となってはもう欠くことのできない重要なメンバーって感じになって、ええ、私副管理人ももういやじゃないです。好きですよ。最初の辛くあたられた時期、犬のこがねとともに庭住まいをしていた時期を抜け、副管理人として青ちゃんのサポートにつくようになって、最初彼を怖がっていた青ちゃんが打ち解けていったように、私も打ち解けたのだと思います。カバーを外したところ、表紙に描かれた漫画を見ても、もう副管理人のいないやまぶき寮は考えられないといった具合。なんだかこがねとも強い繋がりあるようで、いいキャラクターになったなあなんて思っています。

いいキャラクター、岩崎つばさの漫画はキャラクターがいいんだと思います。あんまりアクは強くないかも知れない。けれどみんなすごくいい人で、その人たちの作り出す場の空気が温かくてほっとするような穏やかさにあふれているものだから、読んでいてすごく嬉しくなるのだと思います。悪い人がいない。悪い人がいたとしても、きっとその人のいい部分が引き出される、そんな感じの漫画です。

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