もうずいぶん以前のことなのですが、このBlogを読んでくださっている方から推薦いただきまして、『かっちぇる♪』っていう漫画が面白いですよって。長崎を舞台に繰り広げられる、バレーボールの漫画なんだそうです。そうかあ、『かっちぇる♪』かあ、読んでみようと思いながら、その機会を持つこと今の今までかなわず、いえね、ずっと覚えてはいたんですよ。地上三十階書店にいったりした日には、ぶらりと店内一周しながら探したりしていたんですが、どうにも出会えずにいて、けどそりゃとんだ心得違いをしていたせいだわ。っていうんは、私、この漫画、ずっとB6判型だと思っていたんです。そうしたら、なんと新書サイズじゃなかかー。って、無理してろくに知らん長崎弁つかわんでええです。
けど、慌ててネット書店に発注出して、よかった。実際、探しても探しても見当たらんもんだから、一体どこで買えるんだろうと大きなインターネット本屋さんにて調べて見たら、なんともう買えんようになっとるみたいじゃないですか。極め付けは2巻でした。なんと、注文さえできなくなってる。あかん、これは急いで買わんと手に入らんと、とにかくボタン押しまくって、2巻は別のネット書店で買った。そうしたら、なんと3巻4巻が届かへんのよ。ああ、しくじったわあ。実は別のネット書店には3巻4巻の在庫があることわかってて、だったらこっちで決着すればよかった。とはいえ、一度注文出しておいて、やっぱりやめましたなんて情のないことはできん。けれど商品が確保できませんでしたといわれる未来を待つほど残酷なこともない。ええい、買ったる。えっと、ちょっとまってて、ジュンク堂の在庫、空にしてくるから。……。というわけで、ジュンク堂池袋本店の『かっちぇる♪』は私が買い占めました。まさに今。もしAmazonから3巻4巻が届いたとしても、それはもうそん時の話。別にかまわんし。探してるっていう人がいるなら譲る用意はあります、って、それはちゃんと手もとに届いてからの話ね。
こんだけ焦ったのは、もう先が読みたくて読みたくて仕方なかったからなんです。私が最初に手にしたのはジュンク堂から取り寄せた第2巻でした。これをさらっと読んでみて、あ、面白いな、なんて思ったんです。なんかね、登場人物みんな、どこか能天気な人たちばかりで、熱血というほど熱血ではなく、シリアスというほどシリアスじゃないんだけど、けれどそんな態度の向こうに、バレーボール楽しもうっていう気持ちが見えて、なんか楽しそうだなあっていう感じ。バレー漫画でスポーツものというほどバレーボールが出てくるわけでもないんですが、バレー部を取り巻く青春を、スナップ写真撮るみたいに切り取ってみました、そんな感じの漫画だと思います。
こんな感想を持ったのですが、けれど第1巻が届いて、最初から読んでみたら、あ、面白いなどころじゃないなと。この漫画に出てくる人たちって、どこかに自分を持て余したり持て余されたりしていたんだっていうことが一番最初に描かれていて、なんか青春って悲しかったりもしたよね、って思い出した。うまくできない自分に自信が持てなかったりしたじゃない。友人関係だったりさ、あるいは好きでやってることでもさ、なんでも、うまくできることなんてほとんどなかったような気がする。そんなとき、妙に空白で空虚な感じで、なにやってるんだろうって思ったり。ああ、彼女らもおんなじなんだろうなって思ったら泣けてきた。情けなさとかじゃなくて、そんな彼女らがバレーボールを通じて知りあい、バレー部という場において互いに支え合い繋ぎ止めあってるような、そんなところがいいなと思って、友情だなんてことさらにはいわないし、熱血だとかシリアスとかはやっぱり似合わなくって、でも彼女らは、いい加減にはしたくないよって、そんな風に思ってるんだって伝わってくるから — 。そうした前提で読んでみれば、無力感に打ちひしがれながらも前に出ようとする杉山の姿は重かったなと思って、バレー部を取り巻く青春漫画っていう印象よりも、青春の波立ちに一本打ち込まれた杭がバレーボールであるのだろうなって、そしてその杭をよりどころとして過ごされる彼女らの時間はどんな風であるのだろう……。
なんて思ったものだから、3巻4巻ががぜん読みたくなって、だって5巻6巻はもうあるんですよ。はやく、とにかくすぐに中巻がこないと、焦って先を読みそうだ、封印するにも限界があろうよって、そんな感じであったのでした。
先についてはまだわからないけど、きっと多分もっとなにか素晴らしくなりそうな予感がしています。だから、その時にはまた書くこともあるでしょう。というか、きっと書きそうに思います。
蛇足
羽柴ヨネがいいですね。クール、真面目、実力派、だけど不器用。そんな様が妙に可愛かったり。とにかく凛々しい女の子はいいものだと思います。
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