2006年1月18日水曜日

小松未歩 2nd 〜 未来 〜

 私は女声ボーカルの曲が好きで、けど進んで誰かのアルバムを買いそろえようとか、そういう風なのはあんまりないんです。小松未歩においても同様で、もし『Lの季節』というゲームに手を出していなかったら、私は小松未歩をほとんど聴くことなく終わったのではないかと思います。

『Lの季節』の主題歌は小松未歩の『2nd 〜 未来 〜』に収録されている『手ごたえのない愛』で、私は当初この曲を目当てとしてこのアルバムを買ったのでした。ですが、聴いているうちにだんだんと小松未歩の歌自体にひかれるようになって、ええ、確かに私は小松未歩の歌が好きでした。

小松未歩の歌が好きというと、私の歌に対する嗜好が少しずつはっきりしていくように思えます。女声ボーカルが好きといったのは確かにその通り。それに加えて、独特の歌い癖があることがポイントなんだと思います。小松未歩の歌は、女声ボーカルであるものの、非常に中性的な表現で、少年っぽさが感じられたり、幼さと若さの両方に触れつつも交わることのない固さもあったりして、こういうところが私の嗜好に非常によくあったのだと思っています。

固さというのはなんでしょうね。アルバムの収録曲を見て、例えばそれは『チャンス』や『氷の上に立つように』、『願い事ひとつだけ』なんかから感じられるように思えて、いや無論その三曲だけに限ったことではないのですが、歌詞などを読めば一種大げさな表現があるようにも思えるのに、実際に聴いてみると、小松未歩の突き放したような歌い方のためだと思うのですが、それを大げさであるとは感じないのです。エモーションの大きさがあるかと思えば、情緒に振れないクールさもあって、そういうとらえどころのないような曖昧な位置に固さがある。思い詰めたような、それでいて凛々しくあろうとするかのような、そういう少年の姿を向こうにみるのですね。

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