2006年1月2日月曜日

春の猟犬

 戌年なので、犬にまつわるものを紹介しています。

吹奏楽をやっていた人には懐かしく感じられるかも知れないタイトルに『春の猟犬』というのがあります。作った人はアルフレッド・リード。吹奏楽作品を多数書いている作曲家で、現在のレパートリーには欠くことのできない名前です。その彼の作品の中でも人気の高い『春の猟犬』。ええ、私も何度かやったことがあります。けど、一番しっかりとやったのは、大学に入ってからじゃないかな。そういや、中学高校ではやったことがなかったような気がします。

序曲『春の猟犬』は、聴いた感じにはトリッキーな変拍子の曲に感じられるのですが、実際にやってみると意外にちゃんとした小節線が引かれていて、はじめて楽譜を見たときに私はその整然とした様に驚いてしまいました。しかし、それ以上に驚いたのは演奏の難しさで、拍節感とかをちゃんと意識してやろうとすると、えらい難しいんです。でも、耳で覚えたのをなぞるだけというのはなんか許せないものがありますからね、必死で練習して、で、それでうまく演奏できたかどうかは、どうなんでしょう。あんまり自信はないのですが、なんとかなっていたとしたら嬉しいです。

聴くとやるでは大違いという曲はたくさんありますが、自分にとっては『春の猟犬』がその筆頭といった感じで、はっきりいって舐めていたものですから、すっかりしてやられた。どんな曲もいい加減にやっていいってもんじゃないのだなあと反省しました。

アルフレッド・リードは中高吹奏楽部とかでもよく取り上げられますが、アクセントや強拍の移動が多く、変拍子も頻繁に使われるものだから、ちゃんとやるのは実は難しくて、だから私は長いこと、それっぽくやってただけだったんですね。それを気付かせてくれたのは『春の猟犬』と、この曲をやることになった吹奏楽の時間。いろいろと学ぶところも多かった。今になってみると、あれらは確かに貴重な時間であった、そんな風に思います。

ところで、私ははじめてこの曲のタイトルを聞いたとき、意味がまったくわかりませんで、それで人に聞いたら、犬の猟犬っていわれて面食らいました。原タイトルはThe Hounds of Spring。そのままです。

英語では春の猟犬という言葉にそれなりの含みがあるようで、でも私にはちょっとその背景を見通すことはできないから、残念ですね。本当に残念だと思います。

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