SHINOすけさんがオススメの少女漫画家なんてのを書いてらっしゃったので、ほいじゃ私もと、早速占ってみました。
私は田渕由美子、市川ジュン、川原泉をピックアップしてみて、投げる瞬間に谷川史子はどうしようと思ったのは秘密です。結果は、次のとおり:萩尾望都がお勧め度29で群を抜いて一位! ううむ、当たってるなあ。私は遅れてきた萩尾望都の読者ですが、確かにこの人の漫画は好きです。何度もうなりました。だから、非常に満足行く結果でありましたね。
そんなわけで気を良くして、『ポーの一族』なんぞを思い出してみました。いや、『ポーの一族』が一番といいたいわけではないのです。私のはじめての萩尾体験である『トーマの心臓』もとても素晴らしいですし、『11人いる!』もそうです。他にも、小品、長編問わず萩尾作品は深くて、甘くて、苦くて、美しくて美しくて、どれかひとつ選べといわれても選べないよ、とそんな名作の森であります。
で、なんで『ポーの一族』をピックアップしたのかというと、決め手はわかりやすさとそのロマン性であろうと思うのですね。不死のバンパネラがその心の奥に秘めた悲しみは細やかで獰猛で、しづくがしたたるように妖艶で美しい。この漫画は私の生まれる前にスタートしているのですが、その時点で日本の漫画表現は極まっていたのだと実感できる手応えです。
その後の三十年で、いったいどれだけの作品が『ポーの一族』に比肩したか考えると、途方もない思いがします。手塚治虫の仕事が漫画に映画に負けじと張り合えるまでの力を注いだというなら、萩尾望都で漫画は文学に肩を並べるほどの洗練を見た。異論はあろうかと思いますが、それでも萩尾望都が漫画に新たな力を注いだことは間違いないといいきることに、私はわずかの躊躇もありません。
蛇足:
実は私が萩尾望都的なものに触れたのは、川原泉の『笑う大天使』に出てきた、パロディが最初なんですよね。あの和音さんと沈丁花のくだりですよ。
あのシーンが『ポーの一族』のものだということは、なにしろちゃんと解説付きだもんだからさすがにわかったのですが、けど『ポーの一族』については知らなかったんですね。なんか触れちゃならない伝説みたいなものだと思っていたんですね。
けど、結局本を手にして読んでみて、ああもっと早く読んどけばよかったと思いましたよ。そういう本はたくさんありますが、萩尾望都については本当にそう思いました。
- 萩尾望都『ポーの一族』第1巻 (小学館文庫) 東京:小学館,1998年。
- 萩尾望都『ポーの一族』第2巻 (小学館文庫) 東京:小学館,1998年。
- 萩尾望都『ポーの一族』第3巻 (小学館文庫) 東京:小学館,1998年。
- 萩尾望都『ポーの一族』第1巻 (小学館叢書) 東京:小学館,1988年。
- 萩尾望都『ポーの一族』第2巻 (小学館叢書) 東京:小学館,1988年。
- 萩尾望都『ポーの一族』第3巻 (小学館叢書) 東京:小学館,1988年。
- 萩尾望都『萩尾望都作品集』第6巻 (プチコミックス) 東京:小学館,1977年。
- 萩尾望都『萩尾望都作品集』第7巻 (プチコミックス) 東京:小学館,1977年。
- 萩尾望都『萩尾望都作品集』第8巻 (プチコミックス) 東京:小学館,1978年。
- 萩尾望都『萩尾望都作品集』第9巻 (プチコミックス) 東京:小学館,1978年。
- 萩尾望都『ポーの一族』第1巻 (フラワーコミックス) 東京:小学館,1974年。
- 萩尾望都『ポーの一族』第2巻 (フラワーコミックス) 東京:小学館,1974年。
- 萩尾望都『ポーの一族』第3巻 (フラワーコミックス) 東京:小学館,1974年。
- 萩尾望都『ポーの一族』第4巻 (フラワーコミックス) 東京:小学館,1976年。
- 萩尾望都『ポーの一族』第5巻 (フラワーコミックス) 東京:小学館,1976年。
おまけ:
占いの結果も載せときましょう:
この3人の漫画家が好きなあなたには、次の漫画家がおすすめです。 漫画家 おすすめ度 萩尾望都 29 大島弓子 23 太刀掛秀子 22 清原なつの 22 川原由美子 21 佐々木倫子 21 三原順 21 吉田秋生 21 陸奥A子 20 坂田靖子 17 大和和紀 15 和田慎二 15 槇村さとる 14 ひかわきょうこ 14 深見じゅん 14 清水玲子 13 わかつきめぐみ 13 岩館真理子 13 一条ゆかり 13 西村しのぶ 13 遠藤淑子 12 くらもちふさこ 11 吉野朔実 11
なんか、説得力のあるリストができましたよ。
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