2005年6月17日金曜日

チーズ図鑑

 スイスに行ってた姉が帰ってきまして、お土産はなんだろうと期待していたら、ビクトリノックス小さなナイフでした。てっきりアルプホルンを買ってきてくれるものとばかり思っていたものだから、そのあまりのサイズの違いように拍子抜けしてしまいました。けど、ちゃんとZermattという地名と私の名前が入っていましてね、やっぱりこういうのは嬉しいものです。

さて、スイスの名産品といえばチーズです。というわけでお土産にはチーズもあって、いったいどんなのかと思って見れば、ブリーが二種類、そしてグリュイエール。うーん、ブリーはフランスのチーズだなあ。昔、もったいながってちびちびやっているうちに、半分傷めてしまったっけか。懐かしいことを思い出してしまいました。

ブリーはイル・ド・フランスのチーズでありまして、カマンベールを扁平のまま大きくしたような外観です。当然ながら白カビ系のチーズでありまして、よく熟成したブリーのおいしいことといったら。もともと白カビのチーズだから癖もそれほど強くなく、食べやすいのですが、その風味や濃厚な味の広がりは、一度口にしたらもう病みつきになりますな。

と、このようにブリーというのは、チーズそのものを食べるタイプのもので、あまり料理の材料にするみたいな話は聞きません。対してグリュイエールはあまりそのまま食べるチーズという印象はなく、というのもちょっと酸っぱかったりしますもんね。これは調理に使うことが多いです。加熱すると溶けるタイプで、そう、スイスといえばチーズフォンデュなんて料理が思い出されますが、まさにフォンデュをするには欠かせないチーズでしょう。

とかいってるけど、うちでフォンデュなんてしたことったら一回しかないよ。とまあ、そんなわけでこのグリュイエールはどうなるんだろう。意外とそのままかじったりしそうな気がしたりなんかします。悪い予感ですね。

私は学生の頃、ワインの立ち飲みでワインとチーズをいただいて、店の人にいろいろ教えていただいて、もうすっかりといっていいくらい忘れてしまったんですが、今いったことくらいはなんとか覚えていました。けれど、より詳細な情報やあるいはあまり身近でないチーズなんかについて知りたいときには、『チーズ図鑑』が便利です。

国別に、代表的なチーズが写真入りで紹介されているのはもちろんとして、原産地や原料をはじめとするデータが結構しっかりと載っているのがいいじゃないですか。そして一番ありがたいというのは、そのチーズにあった飲み物がちゃんと書かれているということ。例えば、先ほどのブリーなら赤ワイン — それもブルゴーニュだとかローヌだとかがあうんだそうで、グリュイエールなら白ワイン、それもFendantだそうです。Fendantというのはスイスワインですが、残念ながら飲むどころか見たこともないなあ。

という感じで、チーズだけでなくワインにも興味が広がったりする本であります。

この本にはおなじみのものから見たこともないようなものまで、本当にいろいろなチーズが載っていまして、けど写真を見て、説明を読むだけじゃ満足しないんですよね。つまり、どんなもんか味を見てみたいもんだと思うわけでして、ああでも、今の自分を振り返ったら夢のまた夢みたいに思います。

あの時あんだけ通ったワインカウンターも、知らない間に店じまいしていて、なおさら駄目っぽい。どこかに気の利いた店でも開拓したもんでしょうか。

  • 文芸春秋編『チーズ図鑑』丸山洋平写真 (文春新書) 東京:文芸春秋,2001年。
  • 文芸春秋編『チーズ図鑑』丸山洋平写真 東京:文芸春秋,1993年。

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