2011年7月31日日曜日

チェリーブロッサム!

 見よ、単行本表紙のこの威力! いえね、綱島先輩も大倉山先輩も、そりゃもう魅力的な女の子なんですけど、ここまでキャッチーな表紙になってくるとは思いもしてなくて、最初、単行本の広告ですね、見たときには、おおう、すごい、なんだこれは、強烈なインパクト、見事にやられてしまったのでした。はつらつとした綱島先輩、片や目元も涼しく艶やかな大倉山先輩。素晴しいな、その上カラーとなれば格別だな、そう思ってたら、表紙めくったところ、中表紙にてもう一度やられた。これまで見た、どの絵ともまた違う雰囲気、華やいで、素敵だな、そう思えるイラストだったのですね。

さて、『チェリーブロッサム!』。久しぶりにゲスト掲載の頃、冒頭ですね、読んでみて、そのあたりはやっぱり今と随分印象が違ったなということを再度確認しましたよ。絵柄がずいぶんとなまめかしい。なんというのだろう、身体の持つ生々しさというのを濃厚に押し出してくる、そんな感じがあって、当時はちょっと苦手に思ったものでしたが、読んでいるうちに慣れたのと、それから表現が大人しめに変わっていったのと、その両方でしょう、うまくマッチングした、そんな感覚があるのですね。

園芸部を舞台にした漫画です。先輩ふたりからセクハラをうける新入部員、大咲が主人公。健康そのもの、あるいは脳筋の綱島先輩は意図せずに、対し大倉山先輩は言葉も駆使して、あれこれ大咲を困らせるんですが、ふたりとも見事な脱ぎっぷり。大咲の前であっても、下着姿になることを躊躇しないところがありまして、こりゃ、いったいどういう人たちなんだ!? とにかくお色気で押してくる、そんな漫画なのかと思っていたら、いやいや、コメディとしてもよくできています。だんだんとキャラクターがこなれていくというか、会話やボケ、ツッコミなど、やりとりがどんどんうまくまわるようになっていきまして、時にはコミカルに、そして時にはちょっとシリアスに、キャラクターの魅力、コミュニケーションの面白さが描かれるのです。

しかし、ほんと、その魅力というの、すごいですよね。ヒロインにスポットライトが当てられる。えっと思わされるような意外な表情、思いもしなかった反応が描かれる、それがもう強烈に働きかけて、ああ、なんてこの人は可愛いんだろう。いや、その威力たるや半端なものではありません。脳筋、はつらつ、大雑把、そんな印象のあった綱島先輩なら、ちょっと気弱で怖がり、健気な様子。はすっぱな言動の目立つ大倉山先輩だったら純情など、本当に意外、なんと、実際はこういう人だったのか。これまでの印象との落差もあるのでしょうが、強烈な可愛さを生み出して、これはものすごいな、絵や設定じゃない、キャラクター間のコミュニケーションの上に成立する説得力ある可愛さ。見事であるのです。

登場人物は、大咲、綱島先輩、大倉山先輩だけでなく、園芸部顧問の新丸子先生に、幼なじみの菊名つばき、そして妹の咲野。皆それぞれに魅力的で、しかし大咲はもてますね。どちらかといえば朴訥な少年、けれど彼のそうした人柄があるから、ヒロインの魅力がよく引き出されるのかな。ええ、実際そうなのだと思います。

あ、そうそう。冒頭の描き下ろし漫画、あれは、なかなか、なるほどでした。見られることに頓着しない、けれど純情な先輩、あの人のそうした性格はこうした背景あってのものであったか、実に納得させられるものがあったのですね。しかも、サービスあり。ええ、絵の魅力、シチュエーションの魅力、それらをしっかり盛り込みながら、別の要素、メインの流れにうまく繋げていく。こうしたうまさが、この漫画の支え、土台となっていると感じさせられます。

  • 茶菓山しん太『チェリーブロッサム!』第1巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2011年。
  • 以下続刊

2011年7月30日土曜日

『まんがタイムきららキャラット』2011年9月号

『まんがタイムきららキャラット』2011年9月号、一昨日の続きです。

ねこのひたいであそぶ』は、目覚めたら雪ですよ。ものすごくハイになってる美紀は、実際、子供代表なのかも知れません。いや、雪の朝なんていったら、大人でもちょっとハイになってしまうものですけど、路面凍結を怖れたり、心配ごとがあるからなあ。ああいう風に、心底楽しみだけでいられる美紀、いいなあって思います。そして朝6時に苗の家に押し掛ける。えらい迷惑だな、というか、苗、いつもの格好じゃないと、ものすごく女の子っぽいな。登校、雪掻き、この流れはオーソドックス、そう思えるものだったのですが、その先に塩化カルシウムについての説明に自然にいきつくなど、いや、いいですよ。こういう、好き、面白い、興味が知的好奇心に隣接している、そうしたところ、この子らの、というか苗かな? の性質よく表していると感じられて、とてもいいんですね。

『セカイ魔王』は、前回出てきた魔物、先代魔王の頃の生き残りですね、そいつが接触してきた。マオはアルシャを先にいかせ、違和感をともに迫ってくる魔物を待ち受ける。なかなかに緊迫の展開? と思ったんですが、いやいや、普通にほのぼの、楽しい感じだなあ。いやね、この魔物、ニッカというんですが、彼女が別に人間に敵意を持ってるとかない、というか、魔物自体、もともとそういうものなのか、そうした性質によるものなんでしょうね。そしてニッカは、マオの力で、人と違っていた耳を人のものと同じにしてもらう。うん、普通に交流して、ちょっと仲良くなったりしてるよね。ええ、やっぱりちょっと一般にいう魔王と勇者、魔王と魔物の関係、それは望めない。そして、そうしたところが面白いです。

『エタ研』、ゲストです。永遠の命を求めていろいろ研究している麻菜と高校で再会した実柚は、その体格、低い背、小柄な体型から、アンチエイジングの秘訣があるとみなされ、エタ研 — エターナル研究会に引っ張りこまれる。 研究対象にされるわけですね。エタ研には他に、麻菜のことが好きな葉子や、不老不死にただならぬ興味を持っている顧問があって、こうした人たちに実柚は振り回されてしまう、そんな感じの話なのですね。けれど、不老不死の実験体、そうしたところよりも、勝手に葉子に嫉妬されて、尋常じゃない目で見つめられるといったところなど、気持ちの微妙に通じない、そんな不全な交流に面白さを感じました。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第7巻第9号(2011年9月号)

2011年7月29日金曜日

『まんがタイムオリジナル』2011年9月号

『まんがタイムオリジナル』2011年9月号、一昨日の続きです。

『いえめし』、ゲストです。カルビさんというわんこと一緒に暮らしているお嬢さん、ええと、名前がわからへん。関西弁のヒロインであります。ひとり暮らしのご飯事情。結構マメかと思いきや、意外とどんくさい。いろいろやってみよう、ちょっと調子にのっちゃう? そんなお嬢さんなんですが、失敗したらしょぼんとしぼむ。あのいいわけとかね、可愛いわあと思います。しかし、基本的にひとりごと。でも、カルビさんがいることで、別におかしくない。ひとりで充足している、そんな雰囲気もいいなって、なにか楽しそうって思えて、ほのぼのですね。

『恋は地獄車』の後藤さん、一向になびく気配がないのがすがすがしいな。なびかない女、はるなと滝くんとの関係ともまた全然違ってて、いや、なんていうか、はるなは当座便利で面白いから使ってやってる、けど全然興味なんてないから、って感じの冷たいあしらいなんですけど、後藤さんは完全に面倒ないし怖れてますよね。徹底的に面倒ごとに巻き込まれたくない。そのわりに万里子さんを無視できなかったり、この人自体が面倒なところある、そんな風に思われてなりません。ところで、お医者ですが、えらい気のきいたことやりますね。おもしろお茶目なおじさんだと思います。

『うわさのユーレイちゃん』、なんとユーレイも暑いのか。しかも、付属品(?)のヒトダマが暑い。これは暑さに弱いユーレイには致命的ともいえそうですね。いや、すでに致命の後なんですが。しかしこれで、ヒトダマが落ち込んだり、気を使って離れていったり、それでユーレイが落ち込んだり、まさかこういうところでこういうドラマをやってくれるとは思いもしませんでした。いいですね、ユーレイちゃん。ゆったり、長く読んでいきたい、そう思える漫画です。

『お茶の間クエスト』、おお、シモン・ベルモントっぽい。けど本編はいつもどおりというか、節電で暑い、その対策にホラーゲームで涼をとる。けど慣れたゲームは、なにがどこでどう出るか、完全に把握してるから怖くない。それで新作、百物語っぽくゲームする。ナンセンスなんですけどね、だって、そもそも涼しくなってないし、百本やるというのもなしになってるし、出てきたゾンビもどうでもよくなってるし、とにかくゲームが面白ければそれでいい。ゲームに熱中して、暑さもどうでもいい、みたいになってるぽいですね。けど、それでいいんだと思う。そのふたりで楽しんでる、それがすごく、勝手なんだけど、この人ららしいよねって思えるんですね。

  • 『まんがタイムオリジナル』第30巻第9号(2011年9月号)

2011年7月28日木曜日

『まんがタイムきららキャラット』2011年9月号

『まんがタイムきららキャラット』2011年9月号、発売されました。表紙は、おお、『キルミーベイベー』、アニメ化ですよ。やすなが中央に扇子を手にして立っている、その扇子には祝の文字が見えて、いや、なんといいましょう、快挙といいましょうか、喜ばしいことだと思います。さて表紙のデザインはアメコミ風、といいますか、リキテンシュタインぽい。いや、アメコミ風にドットを強調した絵を見たら、なんでもリキテンシュタインと思うのは、悪い癖だと思います。

Aチャンネル』、我が目を疑いました。おおおお、ユタカがなんだかいつもと雰囲気違うぞ。いやね、この子、コンタクト忘れちゃった云々いってたことあったでしょう。だから、自宅では眼鏡なんじゃないかって思って、けどその姿を見る日はこないのだろうなあ。なんて思ってたのに、なにこの、冒頭から、狙い撃つかのようなサービス展開。いや、ほんと、なんて可愛いの、この子。ミポリンのこと、どんだけ好きなのか。そして、ユタカ、やればできるんだ。ほんと、なんて素敵なの。そして彼女らは放課後、トオルの家にいくことになって、あの一連の流れも面白かったなあ。あのエントラスだよのところとか、で、ここで靴脱いじゃったから、トオルの家の中では裸足になってるの。いやいや、ユタカがいかに素敵な女の子か力説してる場合じゃなかった。いえね、今回のエピソード見てね、いずれくる上級生組の卒業。トオルが三年になった時のこと。なんだかすごく寂そうな光景思っちゃうわけですけど、その時、トオルのそばにちゃんと友達はいるよってことが改めて確認されたようで、ええ、なんだかいいなって、安心するようなね、そんな気持ちだったのですね。ほんと、素敵な話でした。終始静かなトオルだったけど、気持ちまで静かだったわけじゃない。そんな雰囲気感じさせるラストも素敵でした。

けいおん!』、まいったな、めちゃくちゃ面白いよ。部員、設備、いろいろ足りてなかった軽音部に、まずは部員が集まり、そしてドラムが入り、ええ、だんだんに部ができあがっていく様子、すごくいいと思うのですね。そしてフォーカスは謎の一年生、奥田さんに移って、あの子の名前、直っていうんですね。いや、あの名前の明らかになったコマの奥田さん、なんて可愛いの! っていうのはいいとして、不器用、ちょっと変わりものの彼女が、自分にできることってなんだろう、いろいろ模索しているというの、あれは面白かったです。努力家、地味な作業をコツコツできる人。だんだんにキャラクターも見えて、彼女らの場もできあがっていきますね。ほんと、すごくいい感じです。また直の直面した理論家の限界なんてのも、すごく面白かった。というか、これまで割と気軽に人に楽器触らせてた梓が怖れてるのね。あれもいいわあ。気持ちよくわかる。そして、憂はギター(ストラト!?)、菫はドラムとパートが決まっていって、しかし直はどうなる? 絶望とともに辞めていこうとする彼女に、さわ子先生の提示した解法、これが見事でした。あの、音が出た時の彼女の表情の変化、自分に与えられた可能性に高揚する、そんな気持ちが見えるようで、本当にいい表情だった。ぐっときて、そしてほろりとする、そんないいエピソードであったと思います。

ところで、菫さん、とてもいいですね。ええ、とてもいいですね。お嬢様で苦労なさってるんでしょうか。本当、最高だと思います。

うらバン!』は、千夏先輩の引退が見えてきて、ところどころ切なさつのります。さて、合宿ですよ。離島で一週間の合宿。今度は島なんですね。OGるりの実家、片付けすること込みで割安で利用できるようになった、というんですが、以前金賞をとった時の思い出の合宿所でもある。けど、正直、ここで練習したから再び金に手がとどくか? といわれたら、それはちょっととか思っちゃうのも本心で、でも彼女らがその頑張りや思いに見合うだけの結果、成果を手にして欲しいと思うのも人情で、ほんと、これからの展開には不安まじり、期待まじりでありますね。そして、あの夜の千夏と冬美の会話。ちょっと台無しにはなったけど、でもあれは愛嬌ですよね。ほんと、これまでに積み上げられてきたもの、それがしみじみと感じられて、いいシーンになっていました。

『ぱわーおぶすまいる』、新連載、っていうのはいいのですが、ちょっと時間を巻き戻したのですね? ちょっと混乱しました。幼なじみの宗馬とまゆ、ふたりの入学式の朝の光景、そこから話はスタートして、ほんと、仲がいいなあ。そして虎道環と出会って、なるほどこの出会いから環はまゆに固執することになったのか。入学式にまで戻った皆の関係、そこからゲスト時代の時点まで進んで合流するのかな? いや、まったく違う設定にはなるまい。そう思うのですが、実際どう展開していくかはこれからですね。ええ、楽しみにしています。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第7巻第9号(2011年9月号)

2011年7月27日水曜日

『まんがタイムオリジナル』2011年9月号

『まんがタイムオリジナル』2011年9月号、発売されました。表紙のテーマ、水着ですよね。水遊びかも知れないけど。赤いビキニの山下さんは、榊先生と撃ち合ってるんでしょうか。と思えば、師長が古典芸能的に水芸やってますね。他には、浮き輪にのったらいか、ビーチボールで遊ぶ『オトメシュラン』のふたり、って、ヨウさんは遊んでないか。そして『いえめし』のヒロインが水着で素麺食べてます。

今回、新作多めであります。伴い終了したものもそこそこあるのですが……。

『おかん』、小坂俊史の新作です。サツキのお母さんの話ですね。サツキ本人はしっかりした娘らしいけど、というか、このお母さんのもとで育ったから、しっかりせざるを得なかったのか? いや、お母さんだけじゃないな、両親というべきか。このおおらか、ダイナミックなおかんと、振り回される娘。面白いですよ。もしかしたら、誰もが思ったことのあるかも知れない、そんな大人の、おかんについてのもろもろが、これでもかって濃縮されている感じ。ちょっと迷惑? いや、けどこれ面白いですよ。

『あねぐるみ』、『ゲンセンカラン』の作者、森繁拓真の新作ですね。同じおもちゃメーカーに勤める姉弟の話。姉が上司、傍若無人、弟振り回される。そんな感じ。面白いです。姉さんがさっぱり、きっぱり、竹を割ったよう? 元気でね、存在感あってね、実力もあってね、振り回される弟からしたらたまったもんじゃないだろうけど、見ている分には、なんだかいい姉弟だなって思えて、いいんですね。弟、困ってはいるけど、抑圧されてるっぽさはない。それがいいなって思いましたね。

『ハコぺけ』、最終回! って、ええーっ、前回とかすごく面白かったのに。と、すごく残念に思っています。告げられる活動休止。ヘコむ面々、って、ヘコんでるのはてんこさんだけか。しかし、本当にてんこさん、ショックだったんだなあ。あの溜息とか、見てるだけで切ない。ああ、だからこそか、皆が心配しただけのことはある。そして、残党集まって、また場を準備してというの。うん、公民館なら、要件満たせば、そう苦労せずに場所借りられますものね。私は読者としてこの先を読むことはできないけれど、まだてんこさんたちの活動は続くんだと思うと、ちょっと嬉しくも思える。そんな最終回でした。

『深読みコミュ』、ゲストです。これ、面白いなあ。先月も載りましたけど、今月はそれ以上に面白い。考えすぎる人たちの物語。そして失敗してしまう人たち。いや、必ず失敗するわけでもないけど、でも悩んだ、考えたことがあさってに向かっちゃってるよね。その外した! って感じ、やっちゃったね! って感じ、面白くてたまりません。というか、ちょっと他人事じゃないなあ。そう思うのは、私も彼ら同様に考えすぎて外してしまうひとりであるからに他なりません。土下座の彼なんてね、非常に私っぽいと思う。あの、土下座までせねばならん状況にいながらも、自分の土下座にほれぼれとしている。本当に反省してるの? そんな感想さえもわくところあたり、実に共感します。いや、謝意がないわけじゃないんだけど、ちょっとずれてるのね。あの、自分を客観視してるというの、ああいう局面では、なぜかあんな風に冷静になっちゃうっていうのが、ああ、あるある! って感じでして。いや、この漫画が、いわゆるあるあるものなのかどうかは疑問であるのですけれどね。

  • 『まんがタイムオリジナル』第30巻第9号(2011年9月号)

2011年7月26日火曜日

『まんがタイムきららフォワード』2011年9月号

『まんがタイムきららフォワード』2011年9月号、先日の続きです。

『聖アベリア女学院』は、常夏が皆の家へ泊まりにいくというんですが、なるほど、桃子の家の事情。桃子の置かれている状況、その理由もなんだかわかった気がして、いや、だからってそれがいいとは思わないんですけど。しかし、お母さん、桃子にそっくり。まさか、お母さんがお父さんで、お父さんがお母さんとかないよね、など、いらぬこと思ったりしたのでした。しかし、家族仲がよくていいよね。そして常夏は椿の家、撫子の家へといって、なんだか撫子の家の状況が不穏で、いったいこれはなんだろう。お母さんがなにか抱えちゃってるっぽい。そして、明かされる撫子の秘密。というか、驚いた。それこそ、常夏の妄想で終わるのだと思ってた。しかしどういう方向に向かうのだろう。ちょっと目が離せないですよ。

少女素数』。有美ちゃんがですよ、普段自分の感情を抑えている、そんな感じのお嬢さんがですよ、感情を露にすると、ああなるんだ! 妹ですよ、奈美ですよ、お姉ちゃんってやっぱりああなのか! しかし、有美ちゃん、設定では普通なのかも知れないけど、この人も美少女の部類だと思うんだけど、それが、それが。ええ、もっと好きになりました。しかし、切ないですよね。アップダウンする気持ちの奥には、不安や怖れがあって、だからああした余裕を失う、そんなことになっちゃったのかなあ。そして、本編はまだまだ終わらない。ああ、けれどこの時点でコメントをしたくない。細切れに感想を持ちたくない、そんな思いがあって、だから気持ちを持続させたままに、次回に続く。いや、もう、有美ちゃん、ヒロインだなって思います。

『一年生になっちゃったら』、今回はちょっと私の好きな展開でありましたよ。秘密のヒーローの構図ですね。誰にも知られず戦わないといけない、そんなヒーローの正体がついに知られてしまうことに! というやつなんですが、ただばれるというだけでなく、ここで変身しないと、大切な誰かが傷ついてしまう。しかし当然正体がばれてしまう、という葛藤を乗り越えて変身するっていうんですね。ええ、こういうのが大好きなんですよ。といっても、この漫画は最近変身ヒーローものっぽくなっただけで、ずっとずっとこれをやってきた、積み上げてきたわけじゃないんですけど、でもそれでもよかったですよ。あのランドセルが飛ぶところ、そして変身しながら現れるところ。ええ、これこれ、これだよ。そう思うものがあったですよ。

2011年7月25日月曜日

Obi of yukata, taken with GR DIGITAL

Summer greeting cardああ、もう月末なのか。というわけで、GR BLOGのトラックバック企画であります。今月のテーマは「涼」。いや、けど、最近涼しいですよね。こないだの台風の影響だっていいますけど、朝夕などむしろ寒いくらいで、けど私が子供の頃は、夏といえどこんな具合だったように思うんですね。午前中など、結構涼しかった。ちょっと懐かしんでいるのですね。というのはいいとして、トラックバック企画「涼」に参加します。

2011年7月24日日曜日

『まんがタイムスペシャル』2011年9月号

『まんがタイムスペシャル』2011年9月号、一昨日の続きです。

『早乙女寮別館ものがたり』、面白いなあ。お父様の恋心をばっちり把握していた勝少年。しかも皆の前で曝露。あのばれてしまった理由、あれは面白かったなあ。いつも夢に見てるんだ。そして、このふたりはあきらさんの秘密を知らないんだ。ちょっと意外、というか、なんで松子はあきらさんの秘密を知ることになったんだっけ。あまりに普通に知ってたから、当然寮の皆は知ってるのだと思っちゃうんですね。さて、勝くんの作戦。なるほどこれはうまい。しかしあきらさんはそれ以上にうまいよね。相手を傷つけない断り方を熟知してる。こういう物腰もろもろ見ても、素敵な女性だなって思いますよ。そして、勝くんが恋に落ちる。ああ、ああ、あれは素晴しく魅力的。ほんと、素敵な女性だと思います。

『踊る!アントワネットさま』、ゲストです。タイトルにあるとおり、マリー・アントワネットがかかわってくるお話。ということは、ヒロインは実在の人物か? そう思って調べてみたんですが、確かに同名の画家はいた、けれど時代が違ってた。フィクションってことでいいのかな? というわけで、ヒロインは絵に夢中の女の子、マリー・ボヌール。ヴェルサイユの宮殿で絵を描いていたところ、宮殿を抜け出したマリー・アントワネットと出会うのですね。どちらも、ちょっとお転婆、自由を愛するお嬢様、って感じです。絵柄が貴族の娘のエレガントさを表現するのに向いていて、素敵。このふたりの友情ものになるのでしょうが、その行く末こそは悲劇かも知れないけど、多分そこまでは描かれまい。だとしたら、なかなかに楽しそうなものになりそうに思います。

放課後のピアニスト』はピアノコンクール。なるほど、確かにレミはコンクール荒らしとして怖れられてました。で、それはいいんですが、シド先輩がちょっと意外。初登場なのはいいとして、この人はそれこそ圧倒的な存在なんだって思ってたんですが、そういうわけでもないのか。なるほど、この子たちは、ある種現実的な存在なんだって感じですね。そして、コンクール本番。おお、ソラくんが凄い。コンクール慣れなのか、実力なのか、シド先輩を上回るんだ。そして、彼女らの熱闘熱演が芸術への支援者を力付けるとかね、なるほど、よりよい実演家とは、ただ支援を受けるだけでなく、支援する、そんな存在でもあるんだな、そう思わせられるいい話。みんな、自分の力で、自分の場を切り開いてるんだなあ。楽なことなんてないんだ。力付けられる、そんな話でした。

『強風記』、最終回でした。いや、驚きました。なるほど、この話はいわば白鳥が死んだその時に完結を内包していたのですね。白鳥のそばで、ずっと鬱屈していた烏山の存在、そのものがすなわち白鳥の才能を物語っていたというのですね。そして、烏山はあいかわらずとはいえ、白鳥について書いたこと、それで名をあげた。その内容は、これまでの漫画に描かれたこと、それなのかもなあ。うだつのあがらない作家志望の喘ぎがその骨子であったのでしょうね。そして琴江の消息も知れて、そうか、死んでしまったのか。白鳥、烏山の小説を読んでいた、その晩年を知らされて烏山はなにを思ったものか。それは直接には描かれなかったけれど、彼にはひとつの意味ある出来事として刻まれたのだろうなあ。なにか一種の感慨ある漫画でした。気になる、そんな類でもあって、これまでずっと楽しみに読んできた。面白かったなあ、しみじみと思うところある、そんな漫画でした。

  • 『まんがタイムスペシャル』第20巻第9号(2011年9月号)

2011年7月23日土曜日

『まんがタイムきららフォワード』2011年9月号

 『まんがタイムきららフォワード』2011年9月号、発売されました。表紙は、水着のお嬢さん、3人揃い踏みですね。エンギさん、えらいこと堂々としてらっしゃる。対してソナー・クリオネさんは妙におどおどしてて、いや、でも、普段の衣装の方がずっと露出してませんか? ほら、あの、胸元からお腹にかけてとかさ。そして最前面にメリーさん。ああ、この人はいつもどおりだ。屈託ない笑顔を見せてくれる、そういうところ、本当に魅力的なお嬢さんですよ。

夢喰いメリー』は、由衣とナオですよ。楽器店に寄って、そして少し話して、昔のことですね。吹奏楽部にはいった頃のこと。新歓での演奏を聴いて、ナオががーっとその気になってるの。そして、付き添いだったはずの由衣もその気になる。スイッチとか、面白いですよね。ほんと、お姉さんに任せなさい! とか、昔からいつでも、誰にでもいってるのか。ほんと、いい子だと思います。しかし、この回想は強く訴えました。部活をはじめよう、そして部をもりたてていこうという気持ち、それが描かれたから、それもあるけれど、それだけじゃないですよね。日野先輩との交流、彼女の人となりがわかった、それが大きかった。そうか、この先輩の夢、それが壊れちゃったんだ。これまではただの情報だったことが、実感を持ったものに変わったんですね。だからこそ、ナオの気持ちも一層に響いてきて、ああ、これまでナオどうなっちゃうんだろうかと危ぶんできた、その私の不安も乗せて、物語は疾走するのですね。この展開、素晴しかった。不安、日常の風景を重ねながら、ゆっくりと進んでいたこれまでの展開が、一気に動に転じた。これは見事。私の気持ちを掴んで、そのままに疾走していきます。

となりの柏木さん』。ムリって、どんなにさわやかなんだ、桜庭くん。けど、そんな君が好きよ。さて、この人の怖れているもろもろ。断わられるのがこわい。下心を見透されたくない、っていうのは、実際そのとおりだろうなあ。ある程度したら、下心もそれっぽくコントロールして、なんてことなく見せちゃったりできるわけだけど、彼にはきっと無理だろうなあ。なんて思った今回。うん、そんな君が好きよ。そして、自宅での柏木さん。あの色気のないトレーナー姿ね、あれ、可愛いよね。ポニーテールとかじゃなくて、そっけなくただ後ろにまとめてるだけの髪、あれも素敵よね。さて、そんな色気もそっけもないふたりのクリスマスですよ。お互い別々に過ごして、特に恋愛的盛り上がり、なんてのもなくて、けどさ、ふたりともにプレゼントを用意してた。大げさなものじゃない。ちょっとした心づくし。でも、互いに相手のことを思っていたっていう、それがいいイベントになって、ちょっと素敵なクリスマスですよ。ええ、いいじゃん。これきっと心に残るよね。ええ、とてもよかったです。

『恋愛専科』、杏打倒に手を組んだ京と茜。この展開、いいなあ。ものすごく面白い。共通の敵ができて結束が強まる、ではないですけど、一時的にまとまってるんじゃなくて、本当に仲良くなってるっぽいってところがですね、いいと思うんですね。しかし、この漫画は女の子たちにフォーカスがあたって、彼女らの人間関係、それが見えてくるほどに面白さも増した。今回のことも、そうだなあって思ったんですね。杏にしても、願掛け? なにか思うところがあるみたい。最後のこころの拾った財布。あれの意味するところとか、なんだろう。気になりますよね。ええ、どうしても次回読まねば、そう思わせる展開の連続です。

『かっぱ・イズ・デッド!』、ゲストです。不思議な漫画です。ヒロイン? シロミが朝起きると、頭にカッパが生えていた。むむむ。意味がわからないでござんすよ。でも、これ、意味がどうこういうもんじゃないな。だって、ページめくったら、いきなり松崎シゲルだものな。ノリで読んでいくのがよい。変わった女の子たち。モカ、いづる、しらび、シロミたちの、ちょっとぐだぐだっぽいやりとりを楽しむ、そんな感じの漫画です。しかし、モカが可愛いな。お嬢様っぽい見た目なのに、貧乏なのか。ちょこっと癖のあるキャラクターが、うまくはまったら、かなりいける、そんな漫画だと思います。

引用

2011年7月22日金曜日

『まんがタイムスペシャル』2011年9月号

『まんがタイムスペシャル』2011年9月号、発売されました。表紙は『恋愛ラボ』ですね。海の風景。青空の下、リコ、マキ、ふたりの水着姿がまぶしい。そんなイラストなのですね。本当に印象的な表紙。肩寄せあって、屈託なく笑うふたり。本当に魅力的。しかし、ちょっとスタイルよさめに描かれてる、そんな感じがします。そして表紙右下には『シュガービーチ』の4人のイラストあって、これ、単行本の表紙イラストから、みたいですね。へろへろで可愛いです。

『シュガービーチ』、面白いなあ。今回は、ビーチバレー部の顧問が登場して、なんか残念な人かと思ったら、なんだ、可愛い人じゃん。思えば、この漫画の登場人物は、部長を筆頭にそんな可愛い人ばかりでした。クールかと思ったら乙女っていうね、いや実際先生もそんな感じで、それまでがそれまでだっただけに、がつんとくるものがありました。まあ、めんどくさい人なんだそうですけど。さて、本編はほぼ海で遊びですね。夏の炎天下、もう駄目だ、海にでも飛び込まないではやってられない、という感じで海に入るのですが、同様に海に遊びにきてる一般生徒を見て、部員が増えた気になってたとか、謎の生徒会裁判とか、小ネタが実に利いていました。あの、奈子のSPふたりもね、あれ、海に入ろうと水着になってる、とはとってもらえなかったのか。で、これがちゃんと後の展開に関係してるというのですね。海の苦手なエミなど、めずらしいものも見られて、楽しい、面白い、いい回でした。

少女カフェ』も海のエピソード。というのですが、それより前に日傘の思い出が印象的。女子力高いアイテム、というのでお母さんのじゃないと断定されるのですが、つくしとお父さんのやり取り、面白かったなあ。そして昔の思い出ですよ。マチコさんは元気で、明るくて、ちょっと振り回され気味のお父さん、一郎さん、その関係がいいよね。そう思っていた、そこに、あの会話、ああ、切ないなあ。誰も、あんな未来が待ってるだなんて思いもしない。思い描いたものは、ただただ普通の、当たり前の願いだったのに — 。まさしく胸を締め付ける思いですよ。いや、ほんと、お父さん、お父さんは泣いていい。そして最後に葉月さん。ああ、葉月さんはきれいだなあ。類友かも知れないけど、そんな葉月さんが最高に魅力的です。

『丸の内!』。少女社長とか、今となってはありきたりにも思うのだけど、面白いなあ。前回のことで本郷のことを気にいった社長。それで会いにいくんだけど、まさかの座敷わらし認定。そして社長に対する辛辣トークの直撃をうけるのね。で、丸の内のいう社長のイスというの、すっかり忘れてました。そういえばそんな話ありましたよね。そして本郷がまさかのロリコン認定。けど、なおさら覚えめでたくなって、よかったじゃん。ええ、悪くない読後感です。

『カメラせんぱい』、ゲストです。記者見習いの女の子、なぎさがヒロイン。で、彼女のカメラがしゃべるというんですね。新聞記者の先輩、水原先輩が取り憑いている? いや、違うか。別に死んだわけじゃないんよね。カメラと一緒に海に落ちて、カメラと合体してしまったというんですね。それ以来、なぎさは先輩と同居。先輩はカメラになってもめげることなく、というか、結構のりのりで、いろんなもの撮ってみたりして楽しんでる。そして一緒に取材に出て……。絵柄は可愛く、けれど話はまだまだこれからですよね。実際に取材に出てみたらどうなるのか。それが楽しそうだなって思うんですね。

  • 『まんがタイムスペシャル』第20巻第9号(2011年9月号)

2011年7月21日木曜日

『まんがタイムきららMAX』2011年9月号

『まんがタイムきららMAX』2011年9月号、一昨日の続きです。

ラッキーストライク!』、前回の続きですよ。あの、レンとつきあうとかいってた女の子、のっけから登場してきて、扉ですよ、扉。小柄、若干の上目使い、可愛いなあ、と思ったら、後ろ手に持ってるのはボールか。見事、ボウリング表紙でありますね。そして本編、リンが王子なんだ。部長がよく知っているみたい。レイもリンも面白がってる。リリス。前回のボウリング場の娘。そして実力者。約束のスコア100を軽く超えちゃってるんですね。しかし、面白かったです。有名人、リンはサインもらってるし、レイは写真撮りまくってるし、けどそれ以上にあの両手投げでしょう。へー、ああいう投法、オッケーなんだ。驚いたりもしたのですけど、その投げようとする時の表現の、コマも狭しと前に出てくる、そんな勢いには私も思わず魅せられてしまったのでした。そして、リリスの語る部長のこと。ふたりの間になにかあったのだろうか。なにか深刻なことがあるんじゃないか、それは以前から思ってきたことでありましたが、少しずつ、あきらかになっていく。もしそれが、馬鹿馬鹿しい話であってもいい。きっとがっかりはしない、そんなことを考えてるのは、つらい話でなければいいな、そう思う気持ちがあるからなのではないかと思います。

『ふわふわ科学』、今回は浮力ですね。というか、プールが、水着がメインなのかも知れませんけど、いや、そういえば今回は科学トピックが少なめだったようにも思います。浮力とはモノの密度によって違ってくる。そうした基本を説明して、濃い塩水では金槌カホだって浮く。水銀なら、本物の金槌も浮く。そうしたトピックを、泳げない、またスイカの塩などで繋いでいくのは、うまかったと思うのですね。あ、そうそう、ホースの話。あれ、実際そうなんですってね。陸側から圧力かけて、空気を送ってやらないといけないっていうんだそうですね。こういう、語りきらないけど、その向こうにはまだ語れそうなものを残してる、そんな感じも気に入っています。

『LSD — ろんぐすろーでぃすんたんす』、部活以外のスポーツ、授業でフットサルなんてするんですね。と、ここで私はフットサルとセパタクローを混同していたことを理解しました。準備運動中のおしゃべりに垣間見られる家族関係がいいですね。ゲーム中の、柘植さんのパスを、見事にナイスアシストにした浅見さん、すごくいいですね。レクリエーションとしてのスポーツの面白さ、必死になるような本気さはなく、けれどいい加減でもないっていう、そのバランスがいいと思ったのですね。そして、やっぱり最後の椿と、高山、浅見ふたりとの差。なるほど、こんなに違うのか。ずいぶん体力ついたように思ってたけど、それでもまだまだ違うっていうの、そうか長い道のり。こういうのに、なにか面白さ思っちゃうんですね。

『あわーちゅーぶ』はスキューバダイビング。それで、海中の生物と交流するっていうんですが、これ面白かったですよ。あの欄外の註がですよ、ただの解説に留まっていない。一歩踏み込んだ詳細知識。あるいはつっこみ。ラブカに対する愛情とか、スベスベマンジュウガニの名前についてとか、本当に面白かった。本編は、ウニを衝撃波で吹き飛ばすなど、いつものごとくケレン味たっぷりなんだけれど、註に起因する面白さあり、キャクターの面白さあり、派手な見せ場あり、多様多面、豪華な漫画でありますよ。

  • 『まんがタイムきららMAX』第8巻第9号(2011年9月号)

2011年7月20日水曜日

『まんがタイムファミリー』2011年9月号

『まんがタイムファミリー』2011年9月号、一昨日の続きです。

『ひめごとノート』は少しずつ登場人物を増やしてますね。文芸部の幽霊部員。夏目豊なる男が姫の昔の知り合い。ゆーくん。なんと、姫という名前にコンプレックス感じるきっかけを作った張本人。けど、これが好きだからいじめちゃいましたという類で、しかも今なお好きな気持ちはなくなっていない。それで、いい加減、そうした気持ちを素直に伝えられるようになればいいのに、どうにもツンデレをこじらせたような性格に育ってしまっていて。この恋は実るのかなあ。多分、実らないような気がするなあ。この気持ちの空回り、裏目に出るというのも基本の展開に入ってきそうですね。

『はなとふたば』、ユキが相変らず魅力的だ。あの弟の鬱陶しさは、読んでいるこちらにも充分以上に伝わってきて、いやほんと、ユキひいては女子は、暑くともあんな格好でぶうぶう文句いうとか無理なわけで、きっちり服着てるユキに対しあの言動とか、この弟は鍛錬が足りませんな。で、そのだらしない格好をユキの友達葉子に見られるとかさ、のどかの前でも奇行を見せるとかさ、ほんといいところがない。けど、そんな情けない弟のこと、ユキは放っとけないのか。この人は屈折している。個人的には、姉の弟に対するそういう感情とか理解しないけど、もしユキが私の姉であったらと思うと、なにか夢のようだなあ。そんなこと思います。まあ、私には実姉がおりますが、そのへん具体的に考えるのは、ちょっとノーサンキューな感じであるのですけどね。

『よめヨメかなたさん』はお弁当の話。もちろん平成のかなたさんが作ります。乙人の分、秀人の分、そして昭和のかなたさんの分も作って、それで昭和かなたさんが窮地に陥るという。基本形といえば、そんな気もしますけど、めちゃくちゃ面白かったです。というか、頑張らないとと発奮したり、焦ったり、見栄はったり、その都度見せる表情、それが実にキュートなんですね。プライドがある、それで素直になれない。けど、一番の解決はその素直になること、正直になることだっていう乙人のアドバイス、いやほんとにその通りだと思います。今回はそうした昭和かなたさんの右往左往も面白かった、加えて平成かなたさんのブログとか活躍も面白かった。あの、作家はサボる口実をみつけるというのもね。細かなところまで意識のいきとどいた、見事な回だったと思います。

『くらドル』、結構気にいっています。朔也君の元気がない。それで男らしい振舞いにポイントを与えることにした、つまり特訓ですね。けど、なんでそうなるのかという展開が、どうも独り善がりで不明なあたり、この女の子たちも残念なんだよな。けど朔也は朔也でがんばってると思うのね。女の子に対する苦手意識を克服するとかじゃなくて、また男らしくあろうというのでもなくて、よい人であろうとすることについて前向き。そんな彼の頑張りは嫌いじゃない。多少空回りでもね、この人が評価されるようになっていくと嬉しいな、そう思いながら読んでいます。それで今回のラストですが、朔也にとっても残念な結果に終わって、ああ、朔也も駄目なのか、と思ったら、ああそうだ、これって成績別クラスでしたよね。なるほど、納得のラストでありました。

  • 『まんがタイムファミリー』第29巻第9号(2011年9月号)

2011年7月19日火曜日

『まんがタイムきららMAX』2011年9月号

『まんがタイムきららMAX』2011年9月号、発売されました。表紙は『きんいろモザイク』。夏らしいイラストですね。画面中央に忍とアリス。輪になるように座っている彼女ら、それぞれが思い思いのくつろぎかたしていて、風に吹かれているカレン、本を読んでいる綾、寝ている陽子。けれど、綾の目は陽子に注がれているなど、趣きのあるいい表紙だと思います。そして忍、この子が不思議と大人びていて、いいお嬢さんだなって、そんなことを思って、そしてアリス。カーディガンを脱いだからでしょう、その小柄さ、華奢さがこれまで以上に際立つ、そんな魅力にまいっています。

ひろなex.』。濡れてしまっためぐみ、なんだけれど、この上さらに酷い目にあうっていうのね。田んぼに落下、良心回路。これ、実際にこんなにきれいにわかれるってことはないだろうけど、左右の落差が見事で、見るほどに面白かったです。気持ちに余裕がないからか、ひとにらみでひろなを威圧するとかね、ほんと、今回のMVP。いい働きしています。そして、マンションのオートロック。雷の網膜の、そういう風に見るっていう想像力、それが面白く、まためぐみのつっこみ、それもいいアクセントになっていました。しかし、今回はめぐみ踏んだり蹴ったりの回。秘密がばれたのがみおだったのは不幸中の幸いっぽいけど、結局探検の意味がなかったというの見ても、落ちた甲斐、なかったなあ。ええ、やっぱり踏んだり蹴ったりです。

『おにさん、こちら』はプール回。プールは知らないのに、イスタンブールは知っているもみじ。なんという偏った知識だろうか。さて、プールで際立つ変わりものたちの行動。この漫画の登場人物、それこそ変わりものオンパレードであるなあ。そしてその変わりものたちの中、気付けば普通にまじって遊んで楽しんでいるもみじの姿。隠さなければならないはずの、けれど楽しいあいだは気にならない。そんな雰囲気、よほど楽しかったのだろうと思わせてくれるものがあって、面白かった。後に怪談になる。その真相を知ってる人間がいるというのも面白いと思うのですね。

『こずみっしょん!』は、自称宇宙人の臣美。この人が一番おかしなこといってるはずで、それこそトラブルメーカーでもよさそうなところが、実際はいつも被害をこうむる、そんな立ち位置というのが面白い。そしてトラブルメーカー、鈴子。これは便所飯ってやつなのか。侘しいというか、衛生面とかまずいだろう。しかし、いろいろ駄目な子、地味に臣美の社会生活にダメージ与えていて、極めつけは先輩だったのだけど、ほんと臣美は不憫。けどこの不憫さが面白いです。

『三種のジンギ!』。新宮いろはって、五六八でいろはと読ませるのか。さて、前回登場の三人に加え、吉野蓉子が登場。眼鏡のお嬢さん。地味な見た目をなんとかしたいと思っているのだけど、なかなかうまくいかない。そんな彼女を三人よってたかって改造しようという、そんな回。面白かったです。最初は、小さく、少しの変化で雰囲気を変えていく、そんな感じだったのに、だんだんと変更点、増やしていって、それこそ盛り過ぎ、そんな結果になったというのね。けど、これ、漫画だったら普通というか、これでも地味めよね。えらい可愛いじゃん、そう思うんだけど、現実だったらやりすぎなんだろうかなあ。この、可と不可の線引き、常識を失ったものにはなかなかに難しい問題です。

お願い神サマ!』、面白い。聞かれるつもりじゃなかった、聞くつもりもなかった、そんな言葉にお互いにドキドキして、そのあまり口もきけなくなってというふたり。こうした危機的状況に現れる良心の天使と悪魔ですが、これ、天使も悪魔もどっちも変わらないなー。悪魔実優、めちゃくちゃ可愛いな。で、良ズリキョ、悪ズリキョ、ほんとにどっちも違わない。それだけお嬢様、純粋ってことなのかも知れませんね。そして雪崩れこむ、柚梨子TMクルーズ。どうでもいいけど、あれ、あんな組体操みたいのだったっけ? もう本当に、とにかく、面白かった。ふたりの問題も解決して、想像妄想、ステルスクール水着。ふたりの、旅行の楽しみに思っている様子、あの高揚した感じも見事でした。

  • 『まんがタイムきららMAX』第8巻第9号(2011年9月号)

2011年7月18日月曜日

『まんがタイムファミリー』2011年9月号

『まんがタイムファミリー』2011年9月号、発売されています。表紙、メインは『ぽちゃぽちゃ水泳部』ですね。しかし、なぜサンバ衣装なのか? Dancingとかアミーゴとか書かれているから、おそらくはお祭りや踊りがテーマになってるのでしょうね。というわけで『教師諸君!!』西名先生も踊っていて、ええと、これは佐渡おけさ? と思ったけど阿波踊りでしょうね、きっと。そして『うのはな3姉妹』は、浴衣の3姉妹。金魚すくいの戦果、手にする桜と、姉ふたりであります。

『博士の白衣女子攻略論』、これやっぱり面白いです。博士が、須藤さんのこと太ったと指摘するときの様子ですよ。この人は、ただ単純に自分の観測した事実を話しているだけなんだろうな、それこそ僕の観察力すごいだろうといいたいだけなんでしょうけど、うやむやにしようと思ってるに違いない須藤さんの気持ちとか、そのあたりはまったく斟酌することないってのがね、ちょっと困った人ながら、面白いなって思うんです。まずいこといってしまった、それで女子連中に不評を買って無視されてもめげない、というか、気付いていない。神経質は無神経に勝つことは決してできない、みたいなこと思いましたよ。そしてキュウリの話。これ、らしいですね。以前、これを知らされた時には私もびっくりして、で、こういうことに嬉々としてしまうおっさん。ああ、いい味だしてますよ。基本というか、子供の部分を大きく残してるんだろうなあ。ちょっと羨ましくも思ったりするんですね。

『ひなたフェードイン!』が終わっちゃいました。この漫画、独特のゆったりさがあって、ひなたの個性なのかなあ、好きだったから、これで終わりというのはちょっと残念です。さて、本編。みのりがひなたの家に泊まった話からなんですが、びっくりのおもてなしじゃないですか。なかなかここまではできない。この相手をおもんぱかる気持ちが、無理してるとかじゃないのがひなたらしさで、いいと思うんですね。そして、この最後の最後に、ひなたの思い人、相葉さんの秘密が真木さんからもたらされて、なんと、そうしたことであったかと、こうした決着が見られたの、とてもよかったと思います。

教師諸君!!』。扉の絵はメソポタミア文明かな。本編でもシュメールの衣装とか出てくるから、そのあたりだと思うんですけど、ちょっと自信がありません。さて、今回も今泉先生、そして岩瀬先生ですよ。西名先生がプライベートで岩瀬先生と会っている? そんな疑惑に右往左往する深沢先生、城先生。このふたりは西名先生をどう見てるのか。そして、なぜそんなに焦ってるのか。まだ若くてギラギラしてるというのかなあ。このふたりのそうした気持ちが描かれたから、なおさら西名先生の枯れた様子、いや、社会性に問題があるといっていいくらいか? その落差が見えて面白いんだろうなあ。落差といえば、今泉先生の社会性に優れているところ、それもうまく対照されていたと感じます。コミュニケーション力がすごいというこの人が、授業が下手というのは不思議な気もするけど、こうしたわかりやすい欠点のあるところが、強みになってたりもしそうな気がするんですね。しかし、人の世なんてものは、結局人付き合いであるのだから、社会性に優れた人は大きなアドバンテージを得られそうだなあ。そんな思いを強くしました。

『マリアに礼っ!』、これ不思議な感じです。ずぼらお嬢様マリアが柔道部のマネージャーをやっている。今回は合宿ですね。早起きしてご飯つくって、けど部員がなんだかやる気がない。ってのはいいとして、「本気」ですよ、「本気」。サッカー部員の男ふたりが、自分たちはキツイ練習してるのにマネージャーは飯や掃除だけでいいよなとかいってやがんの。なんじゃそりゃ、そんなふざけた言説、許されんぞ。そんなにマネージャーがいいなら、お前がマネージャーやれよ。なんて思っちゃって、申し訳ない、気持ちが穏かでありません。で、マリアなんですが、この柔道部の様子みてると、そうした嫌な感じはなくてですね、仲がよいからかな。選手と実質下働きであるマネージャーとの間に、階層的なものがないように見えるからかな。その和気あいあいとした感じなのか、一緒に取り組んでいるといえ感じなのか、よかったなって思えたのですね。

そしてエッセー企画。『夏休み宿題対策っ!』。描いた人は井ノ上ふき、駒倉葛尾、春日ゆら、さと、そしてあろひろしです。自由研究あり、読書感想文あり、そうかと思えば大学の夏休み。夏だろうと実質休みなんてない、研究に打ち込んだ(打ち込まざるを得なかった?)っていうのが描かれてて面白い。理系なのかな。理系は、本当に実験ばかりだっていいますね。美術の大学のこともありますが、そうか美大は宿題なんてあるんだ。そして、最後にあろひろしが光っていました。これまでは出た宿題の話だったけど、出した宿題についてですよ。この、他のエッセーの内容を予測し、違う視点からのを用意しましたよっていうの、これはうまいなと思って、しかも出す方も大変なんだっていうんですね。ああ、こういうの知ると、期日を遅れて出したとか、申し訳ないことしたんだなって気持ちになりますね。この最後にしっかりとしめられた、その感覚が見事でありました。

  • 『まんがタイムファミリー』第29巻第9号(2011年9月号)

2011年7月17日日曜日

『まんがタイムきららミラク』Vol. 3

『まんがタイムきららミラク』Vol. 3、昨日の続きです。

『メラン・コリー』、面白いなあ。西瓜さん、殉職! と思ったら、まあ無事だったんですが、あの割れた破片を拾ってるシーンね、以前読んだ中島らもの本に出てきた、夜中の病室で自分の脳みそがばらばらに飛び散った妄想にとりつかれて、泣きながら拾ってた人のエピソード、それを思わせるものがありまして、そして次のメラン・コリー、新しいスイカよ! っていうの。これ、改めてそのコンセプトのシュールさを実感させられました。まあ、これは夢なんですけど、その夢が実現するところとか、なんともいえぬ味。これ次回にはなにもなかったように回復してるのか、それとも持ち越されるのか、それが微妙に楽しみです。ところで、メラン・コリーの制服姿、驚きの可愛さでした。しかし、背負ってる花がスイカ。さすがです。

『福33三色パンチ』、本格的に授業ですね。しかし、大学の授業は遅れていってなんぼだと思うのですが、最近は違うのでしょうか。いや、もちろん間にあうにこしたことはないんですけど。美大における授業の数々。やっぱり専門にかかわらない授業に関してはやる気微妙なのか、みたいのが感じとれて、どこもかしこもこの手の大学は同じなのだろうか、そんなこと思った回でした。学科にやる気を出さない学生のいるというのも経験的によくわかる。だから、これら描写は結構なリアルさを持ってるんじゃないのかな、なんて思うのですね。けど、ただリアルな大学風景描いてるだけではないというのはポイントで、ヒロイン三人の個性の出し方、それが大きいなあ。そう思います。ところで、うちの大学の語学の教師は、こんなやる気のないのじゃなくて、特にドイツ語なんてやたら厳しかったから、落とす学生多かったなあ。ええ、いろいろ思い出したりもして、懐かしい。また学生やりたいなあって思いますよ。

『びぎなーず9』、部員募集が続いています。他の部からぶんどってくるとか、まあこういうのもありだろうなって思うんですが、思い切れないたまちゃんは心やさしい、というか、真面目というか、このメンタリティでこの先やっていけるのか、ちょっと心配です。そして陸上部からの移籍。あの展開は面白かった。それが続かないというのもまたよかったですよ。陸上部からきた川瀬マキ。意気揚々と投げたのに全然とか、これはよかった。で、ここからはじまる投げ方講習。なるほど、ああいうふうにするとよいのか。こういうことは、今ではなく、子供の頃に知りたかったなあって、遠くまで投げられなかった私なんかは思うんですね。

  • 『まんがタイムきららミラク』Vol. 3 (『まんがタイムきらら』2011年9月号増刊)