2011年2月28日月曜日

『まんがタイムきららキャラット』2011年4月号

『まんがタイムきららキャラット』2011年4月号、発売されました。表紙は『Aチャンネル』。ナギとるんちゃんふたりの表紙。風がすこし軽くなって、春。このフレーズを体現するかのような表紙。上着きてマフラーを着けたナギに、コートを脱いだるんちゃんが後ろから誘うように笑いかける。肘にかかった手、ナギのまだはっきりしない表情に、彼女の内面、なにを思っているか、想像する余地もあるように思われて、スタイリッシュな表紙ですよね。フォントなどもさりげなく凝っていて、ちょっとレトロな感じ。なにか懐かしさ覚えます。ところで、背景の杉、ありゃあ花粉がばんばんとんでそうであるなあ。

で、本編『Aチャンネル』。るんちゃんがなんでか普通になっちゃってる! ということは風邪か!? というほどにはベタではありませんでした。というか、ナギですよ、ナギさん。わぁあ〜 ちょうちょだ〜 あははは なんて可愛いの! ふう、充分に感想書けた、というのもあんまりなので、続き、あの涙目でバット持つトオル、可愛いなあ。で、現実を直視しない鬼頭先生。いろいろ問題だけど、面白いなあ。とりあえず、るんちゃんは戻さない方がきっとこの人のためだったろう、そんな気もしますけど、それでもやっぱり戻って欲しいというのが、友人の心情なのかも知れませんね。

GA — 芸術科アートデザインクラス』はノダちゃんメインの回でした。夏休みなのに学校にきてしまった。対比する人がいないからでしょうか、なんかいつもより大きく見えるぞ、ノダちゃん。しかし、ひとりでも元気というかにぎやかな娘です。自分でしかけた罠にかかり、先生に泣きつき、アンラッキーに見舞われ、けどそれでも元気、というか、なんかちょっとさびしんぼうっぽいぞ。ノダちゃんは、結構自立してるというか、個人を確立させてるというか、孤独をものともしない、そんなお嬢さんだと思っていたからちょっと意外でした。でも、やっぱり友達いないと寂しいですよね。そうした、友達と過ごす楽しさ、友達がいない状況を描いたことで、よくよく感じさせられたように思ったのでした。そして最後の因果の話。ああ、なんか面白い。知らず人助けもしてたんですね。

『ごきチャ』。驚きました。ひと月たったら、このヒロインに慣れてました。ゴキブリ擬人化漫画。美少女にしてみました、っていうんですが、人からも猫からもオウムからも攻撃される。よかれと思ってしたことも裏目に出る。とにかくひどい目にあっちゃってる、その畳み掛けるような見せ方に、不憫だなあと思うか、でもなあ、なんのかんのいってゴキブリだもんなあと思うか。うう、私は後者かなあ。といったわけで、慣れはしたけれど、愛着やなにかを持つというのではなく、少し距離を置いて見ている模様です。

『九十九神いりませんか?』。九十九神がだんだんに骨董屋になじんでいってますね。逃げよう逃げようとしてるのだけど、それは自由が欲しいのか、あるいはちゃんと役に立ちたいのか。この人に関しては後者っぽいなあ。和紗とは相変わらず。でもって姉、茜の様子。習字してると思ったら、九十九神の名前を決めてるっていう。それがお腹減ってきたためか、菓子の名前に寄っていってるとか、こういうのいいですね。このお姉ちゃん、九十九神のこと見えないわけですが、それでもなんとなくコミュニケーションできてるところがよくて、そして思いがけずとれた拓本。ああ、これは面白い。でもって、装束を洗濯。これ、ほんと、すっかり馴染むパターンですね。

うらバン!』は新入部員、ほたるの様子描かれるわけですが、夢見がちな娘さんだ。いったいどんなフィルタがついているものだか、ひとりがえらいことエレガントになってて、でもってちょっと百合的展開に。いや、面白いな。ことあるごとにスプリングラバーっていう萌葱もなんだけど、ほたるの歌詞に関するコメントでダウンする先生、いかします。しかし、いろいろ困ったといったものか、妄想系のお嬢さんが加わって、なかなか面白いことになりそうです。それとあさみん。ああ、影が薄かったとです。

『ぱわーおぶすまいる。』、ゲストです。そーちゃんの朝は、幼なじみの女の子が起こしにくるところからはじまる、と見せて実は逆でありますね。昔のラブコメには、幼なじみで優等生の女の子が世話を焼いてくれる、みたいなのが定番テンプレとして猛威をふるっていましたが、今は逆なんですね。可愛い幼なじみは、残念ながら優等生なんかじゃなくって、世話も焼いてくれなくて、いやむしろこっちが世話焼かないといけない、そんな関係にちょっとどきどきです。ヒロイン篠華まゆは男からも女からも人気みたいで、そんな様子を見てやきもきするのは、蒼葉宗馬、虎道環の両名。この環ってお嬢さん、強烈にまゆのこと好きみたいで、その思いあまって宗馬を罵倒するまでにいたる。ええ、なかなかに面白かったです。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第7巻第4号(2011年4月号)

引用

  • まんがタイムきららキャラット』第7巻第4号(2011年4月号),表紙
  • 黒田bb「Aチャンネル」,同前,10頁。

2011年2月27日日曜日

『まんがタイムオリジナル』2011年4月号

『まんがタイムオリジナル』2011年4月号、昨日の続きです。

『放課後KTK』、ゲストです。転入生の少年が、部活はどうすると聞かれて答えたのが帰宅部。それで帰宅部部室にいくことになって、ああー、帰宅部が存在するっていうネタか。これって、つい最近も見たよなあ、などなど思って読んでいたのですが、なんだろう、なんだかちょっと様子が違うよ? 帰宅部部室にて、寝ている人、漫画描いてる人、PC触っている人、そして植物の世話してる人。ちっとも帰るそぶりも見せない部員たちに、ん? もしかして、ここが自宅ってことかい? いや、それも違うよな。どういうことだろう、そう思っていたら、なんと、今日も楽しく悔いのない放課後を送るための部活動、その頭の文字をとって、キタク部であるというのですか。これはちょっとひねってきましたね。ええ、やられましたよ。と、こうして状況理解してみれば、なかなかに個性的ないしははみだしものの揃っているとみえる部活。そうした連中がどう動くか、どう関わってくるのか、それは楽しみであるなあ、などと思ったのでした。

『お茶の間クエスト』、面白かったです。遊が雛人形を用意してる、そんな導入。内容もちょっと雛祭り風味で、いぶきも参戦、っていうか、普通に遊びにきてますよね。差し入れ持ち込み、パーティーゲーム。いえね、遊のぽつりと漏らした…私このゲーム大人数で遊ぶの初めてって台詞ですよ。すごく気持ちよくわかる。格闘ゲーム持ってても対人戦することがないとかさ、ボードゲーム持っててもひとりでやってるとかさ、いやほんと遊の気持ち、よくわかります。でもって、いぶきもそうなんですが、この人も大勢で遊ぶのはじめてだそうで、あの楽しいっていうのね、ええ、こうしたちょっとした気持ちのあらわれ、そこに共感というか、ああ、そうだよねって思えるところがあって、それがいいのだと思うのですね。

長男・長女VS末っ子 — ソンなのはどっち!? エッセー4コマ企画であります。井上トモコ、辻灯子、唯洋一郎、吉田仲良、茶崎白湯、春風道人、むんこ、芳原のぞみの8名による四コマ、兄弟の上がいいか下がいいか、そうした内容、やっぱり上が損、みたいなところに落ち着くみたいですね。とはいえど、上には上の、下には下の思うところがあって、でも圧倒的に上の人が多いなあ。あまりわがままいえなかったり、どうしても面倒見てしまったり、そうした世話焼きに育つみたいといってもいいのでしょうか。しかしそれにしても、辻灯子の事例は衝撃、ええーっ、そんな姉がこの地上に存在するというのですか!? いや、ほんと。衝撃でした。下はね、上の庇護を得たり上より自由だったり、上の整えたリソースを利用できたりと、いろいろメリットあるといえばそうなんでしょうが、そのかわり偉そうに振る舞われるというデメリットもあるんですよね。ほんと、それぞれの立場にそれぞれの言い分があるのだと思います。

『極限ラボ』、最終回でした。ひょうひょうとしたナンセンスギャグ、結構気にいっていたものだから、ちょっと残念です。最終回にしても、あのロボ兄の扱われ方。もう侘しくなるくらいに残念で、妙にできのよい妹ロボとの対比もあるからでしょうね。ビームサーベルやらダンボール空気砲やら、そして最後のロケットパンチ。面白かったと思うのですよ。気にいってるのは、ハート型に爆発する、だったりするんですけどね。こういうシンプルなギャグ漫画は最近となっては貴重にも思うから、なんとかこういう枠を残しておいて欲しいなって思います。

  • 『まんがタイムオリジナル』第30巻第4号(2011年4月号)

引用

  • まがりひろあき「お茶の間クエスト」,『まんがタイムオリジナル』第30巻第4号(2011年4月号),121頁。

2011年2月26日土曜日

『まんがタイムオリジナル』2011年4月号

『まんがタイムオリジナル』2011年4月号、発売されました。表紙のテーマは雛祭りでありますね。『ラディカル・ホスピタル』、山下ナースが十二単でお姫様ですよ。お内裏様は当然榊先生、お酒が切れて、ちょっと残念そうでありますね。さて、お内裏様にお雛様、ときたら、あとは三人官女に五人囃子ですね。三人官女は東屋めめ『満開!Sister』と『すいーとるーむ?』から、五人囃子は『ハコぺけ』から。なかなか。これはいい感じ。で、雛祭りの主役は『らいか・デイズ』らいかであるようです。ところで、菱餅って食べたことないです。

『文豪ちゃん』、人気あるのかな。前の方に出てきてますね。文豪擬人化(?)もの。それとも男女逆転文豪? なかなかに面白くて好きなんですが、漱石がいい感じにキャラクター確立させていて、頭でっかち、人を誉めない、人付き合いは好きでないみたいだけれど人好きのする性格なのか、友達には不自由してないみたいですね。しかし、あの芥川とのからみとか実にいい感じ。いや、ほんと、漱石はかなり気にいってます。そして啄木。この子もすごくいい。あの手この手、手段を選ばない感じが最高です。

『ハコぺけ』、連載になったそうで、それは嬉しい。演劇もの。地域劇団っていってますね。やる気あるんだかないんだかわからない団員たち。あの上手下手の話とか、確かにあれごっちゃになってる人いますよね。私もそうでしたよ。こうした舞台の用語、慣れないうちは難しく、暗転はわかる、ころがしわからない、板付きわかる、ゲネプロわかる、わらうはわかるけど使ったことない、普通に撤収っていってましたね。ええ、こういうの出すと、劇団ものっぽさ強くなりますね。で、これ以降はあんまり劇団ものっぽくならなくて、それで困るのはまじめに稽古したいてんこさん。こういう雰囲気、いいですね。もうちょっと演劇寄りでもいいけれど、こういうのもまたいいなって思います。

『天使な小悪魔』。そね子は可愛くない、みたいなことになってますけど、冒頭1コマ目のそね子、可愛いですよね。かなりいい感じのお嬢さんですよね。っていうのはいいとして、今回、ぐっと話が動きましたね。そね子、ええと、マリリン、どちらでもいいのですが、まわりにいる人たちは夢も目標もあるのに、私はどうなんだろうと落ち込んでいた。そんな最近の流れが、ここで一番の底を作って、上昇に転換させられたのですが、その意識の転換するところ、よかったなって思ったんですね。転換のきっかけはまるの一喝だったわけですけれど、その後のそね子の内省、そこにはこれまでに描かれてきたいろいろがつまっていて、ああ、これまでの話、エピソードがここに集約されるというのかな。これはすごくいい流れであるなって思ったのですね。いや、ほんと、頑張る人の話はよいなって思わされる回でありました。

『オトメシュラン』、王嶋環の新連載ですね。フレンチレストランが舞台。オーナー美空瑤、この人、イケメンといって人気なんですが、実は女性っていう、そんな話であります。まだ冒頭、状況というか舞台、設定もろもろを説明している感じの強い、そんな段階であるのですが、でも面白かったです。特に、新アルバイト、江利あやかが出てからが面白かった。胸まで触ったのにオーナーを男と思ってしまう。あまりの失礼な言動に辞退しようと思ったけれど、目の前に並べられたご馳走に負けてしまう。ほんと、いいキャラクターだなって思います。いいキャラクターはルミ子さんもそうかも知れません。おばちゃん、というのはちょっと失礼だけど、あえてそういいたくなる、そんな造形。したたかというか、なかなかに手段を選ばないところあって、しびれます。そして、最後の2本。これは駄目押しでした。ベタといえばそうですよ。けど、真正面から直撃、そんな感じ。ええ、面白いです。

ところで、レストランの名前、ル・ボーシェル、まさに美空でありますね。

  • 『まんがタイムオリジナル』第30巻第4号(2011年4月号)

2011年2月25日金曜日

『まんがタイムスペシャル』2011年4月号

『まんがタイムスペシャル』2011年4月号、先日の続きです。

『少女カフェ』は、前回を引き継いで、あのパワフルな女子高生の話。というか、メインはお父さんですよね。いや、あの娘が大好きってお父さんはすごくいいんですが、娘たちがちょいと距離置いてたり、それから葉月さんに訴えるつくし、いい表情を見せてくれます。で、面白いの、みおとつくし、名前を覚えてもらえていて、好感度あがったり、でもそれが逆だったりして、やっぱり下がったのかな? ショックうけるみお、抗議するつくし、実にナイスですよ。そして、葉月さんに切り込む。うん、実は気になってました。きっとそうなるんじゃないか、なんて思ってたんですが、お父さんはそんな気がないにしても、葉月さんとしてはどうなのか。なにかいおうとしたところを軽く否定されて、うん、なおさらわからなくなりました。でも、葉月さんはそうだと思うんだけどなあ。どうなんでしょう。こうしたもろもろ、私の願望がいわせているのかも知れません。

『たまのこしかけ』、係長が素敵。いや、ほんと、この人は美しい。職場の後輩の結婚式に参加したたまこさんと係長。たまこさんは結婚とか意識してるのかしてないのか、十条さんについてもどう思ってるのか、あまり恋愛めいた話にはならないっていうの、それは実にらしいのだけど、かといって男性を意識しないかといったらそういうわけでもない。なかなかに微妙なポジションにある人であります。しかし、今回は係長がすごかった。冒頭から美しく、途中、かっこよく、ほんと、すごくいい。これは、たまこさん、十条さんと係長の間で揺れるとかそんななのか? いや、あんまりそんな感じはないような気もする。ええ、たまこさん、スローですからね。

『早乙女寮別館ものがたり』、面白いです。あのお姉さまで、かつ母ですといった彼女。いったいあれはなんだったのか? 嘘だったのか、かついだのか? そんなこと思っていたわけですけれど、なんと、お姉さまでかつ母であるというのですか。この展開のとんでもなさ。まずは七恵さんの妄想として提示して、けれどそれがただ妄想だったってわけじゃない。そのまま事実だったっていうのがいいですね。そして、感情を爆発させる松子、これが一番によかったと思います。割り切れなかった感情を、けれどだんだんに飲み込んでいって、受け入れていって、そんな様子、ああ松子にとってこの場所はすごくよい場所なんだな、そんなこと思ったのですね。しかし、ほんとに面白かったです。

『ポンチョ。』、今回はカレシメインですね。卒業旅行、いってないって気付いて、でもそんな焦ることじゃないっすよ。で、卒業旅行。そのからみで誤解が広がったり、そういうの実に面白い。で、あの先輩と彼女のたまみさん。ああ、たまみさんはいいよ。なんというか、元気はつらつですよね。ハロー! 登山をおすすめする時のポーズもすごくキュート。で、ななみさん、出てこない。それ知ってショック受けるのはいいけど、そこまでなのか? このカレシ、今回は傷心ではじまり傷心で終わる、そんな感じで、いや、ほんと、いつも以上にどたばた。すごく面白かったですよ。

  • 『まんがタイムスペシャル』第20巻第4号(2011年4月号)

2011年2月24日木曜日

『まんがタイムきららフォワード』2011年4月号

 『まんがタイムきららフォワード』2011年4月号、発売されました。表紙は『となりの柏木さん』であります。冬の装い、マフラーの柏木さんにコートの福田さん。柏木さんに身を寄せてる福田さん、その表情の明るくほがらかな様、素晴しいです。よっぽど柏木さんのこと好きなんだな、って、その柏木さんはというとちょっと驚いたようで、このちょっと違った表情、ああ福田さんが後ろから突然いったのかと思わせる、そういう前後の動きを感じさせるのがよいですね。

『恋愛専科』、このところ、なかなかに面白くて、いい感じです。今回はこころ病欠、京が見舞いにいくという話。誉められると張り切る、そんな京の様子はいいなあ。お見舞いがはじめてとか、いろいろと世間に慣れていない様子もある娘ですけど、なかなかに正義に溢るるお嬢さんですよ。こころの置かれた状況を見て、怒りに震えるところなど、なかなか。それからの活躍も、いいお嬢さんだなあって。それに、誤解とわかると、ちゃんと反省する。いいお嬢さんです。ここのところの、先生と生徒たちではなく、生徒と生徒、その繋がりができていくところなど、これが面白いのだろうなって思っています。それに、なんだだらしない! と思われた先生が、ちゃんと活躍してるところ、それもよかったなって思ったのでした。

『放課後の夕方色』、ゲストです。しかも四コマ。ちょっと驚きました。娘三人が放課後、図書館で本を読んでいるという、その状況なのですが、しっかりものひとりに、のんびりがふたり? 独特の癖があるけれど、読みにくかったりはしない。基本会話メインといったところでしょうか。背景に絵が一枚あって、その前に登場人物が横ならび。なんだか演劇っぽい印象は、こうした絵から受けるところもあるのだろうと思います。

『麻宮さんの妹』、どうも麻宮さん、ただものではないと思ってたけれど、普通の人ではない風な描写が出てきましたね。旅を続ける、その途中で海流がおかしくなっていることに気付く。海峡を堰き止めている巨大ロボット。父の残したスケッチブックどころではない、なにか世界を旅するちょっとした冒険ものというよりも、世界の謎に触れる、麻宮さんが直接関わっている、そんな雰囲気です。

少女素数』、これまたなんといいますか、うまいですね。読者モデルを続けてるあんずとすみれ。その撮影現場で、あんずが付録のトートバッグが献本についてなかったといって、交渉してるんですね。あんずさん、ちゃっかりしてんなあ、と思ったら、これが結構重要なアイテムでありまして、敷島そしてパッ君のお母さん、このバッグを持っているということは、つまり……。最小限の情報で彼らの行動がわかる、気付くきっかけになっている。ああ、これはうまいなと思いました。で、そのことを知った、気付いたすみれさんの表情、笑顔、そしてびっくりした表情も、ちょっとこれまでなかったと思えるもので、すごく印象に残りました。それはそうと、学校はクラスでの様子、すみれに対する関心と、あんずに対する関心。びっくりするほど違って、これはそれぞれの個性の違いなのかなあ。あんずのポジションがなんだかおかしくて好きだったりします。

2011年2月23日水曜日

A snowy day, taken with GR DIGITAL

TV trouble月末、ということで、GR Blogのトラックバック企画であります。今月のテーマは「凍」。冬らしいテーマ、でありますが、今年はあまり雪が降らなかった。いや、降ったか。降った日はおもてに出てないから写真がない? いや、けれど、ものすごく降る、かなり積もる、そんな印象のある日はなかったのですね。というわけで、凍る、雪や氷に限らず、そうしたイメージをもとに写真を選ぼうか? と思ったのだけど、やっぱり雪や氷になるのが私です。トラックバック企画「凍」に参加します。

今年のものではないのですが、雪が降った時の写真です。田んぼに積もる雪。まだまだ降ってくる雪がいかにも寒いです。

歩道には足跡が点々と続いて、竹林はというと、誰も足を踏み入れた形跡のない、まっさらな雪です。これを少し町の方にいけばここまで雪は残っておらず、ちょっとのことだけれど、それだけ温度が違うのでしょうね。

A snowy day

A snowy day

A snowy day

2011年2月22日火曜日

『まんがタイムスペシャル』2011年4月号

『まんがタイムスペシャル』2011年4月号。発売されました。表紙はお茶、というかドーナツを食べているリコが印象的。右に左にドーナツを持って、まさにかじりついているところ。どんだけやんちゃなんだろう、このお嬢さんは。対してマキは両手でカップを持って、お茶だかコーヒーだかを飲んでいる。ああ、この対比。リコは天真爛漫なところが魅力、マキはその本性さえばれなければ、まさに深窓の令嬢といった雰囲気。ええ、見事な好対照を描いたイラストです。

笑って!外村さん』、ネタがつきないというか、なおいっそう面白さを増しているというか、ええ回を追うごとに、すごくよくなっていきますね。基本形である、外村さんの誤解ネタをしっかりと展開させながら、そこにライバル三人組やら外村さん弟やらの関係持ち込んで、いや、もう面白いんですよ。基本の線、そちらの工夫もすごくいい。妥当外村の展開もすごくいい。外村さんに勝つためなら手段は選ばない! って、あたし10位だ、じゃないよ。なんか、めちゃくちゃ可愛いし。外村弟のこと大好きっていうところなんかも、たまらんものがありますし。なんのかんのいっても、悪ぶってるだけじゃないのか? みんな、根はいい子たちだなあ、って。ほんと、はやいとこ仲良くなっちまえばいいのに、と思うけど、そうなると漫画が終わりそうだから、この調子でこれからもお願いします。

『でり研』、単行本が出るということでゲスト掲載ですね。初見の読者のために、基本的な人間関係の整理、紹介からといった風、なかなかにいいですね。大仏くんの本名も出てて、ええ、忘れてましたよ。そして、南部長。酒飲んでいいかげんなことばかりいうっていう、そんなキャラクターをうまいこと出して、雛祭り、雛人形をからめながらの展開、面白かったです。今回、部長のあかんたれなところをどんどん押し出したのは、やっぱりわかりやすいからなんだろうなって思うんですが、しかし、あのちょすな! てしょずらしぃ! とかしびれますね。海原のいかにもお嬢様風なにこやか、華やかな風に対しすごく対照的な部長。どんどんしおれていくの、めっちゃくちゃ可愛いです。しかし、素直、ストレートに見せる今回、面白いですね。大仏くんの影が薄い気もするけど、まあ許容範囲内ですね!

『トンネルの華子さん』、なかなかに驚きの展開。いえね、悩みを持った子が華子さんに出会って、悩みの解消するとともに別れていく、そういったパターンだから、どうしてもキャラクターに馴染んだころにお別れ、なんだか寂しいというか、持続、継続、積み上がっていく感じが薄いな、なんて思ってたんです。ですが、おお、なんと懐かしい人が登場、って、えらい変わったな。いや、変わってないのか。でも、見た目にすごくお姉さんになってて、ええイワナのあの人ですよ。こうした感じで、人や世の中、時代は移り変わりゆきつつも、華子さんは変わらずそこにいてくれる、そんな雰囲気がより強くなった、そう感じます。そう思えば、広海の時もお姉さんやおじさんが華子さんのことを話していた。ああ、今再びあの頃のエピソードを読めば、きっとまた違った感想が得られそうに思います。

ああ、『ミニパトっ!』が終わっちゃった。結構好きだったんですよ。水原さんのあっけらかんといいましょうか、明るくてさっぱりしてるところ。元気、快活、そうしたところ、好きだったんですね。だから、この最終回、酒屋の若旦那に迫る、その展開。気持ちが決まって、進むとなったらもう本当に真っ直ぐですね。ええ、このさっぱり感。気持ちがいいですね。ええ、好きな漫画でした。単行本出るっていうのは嬉しいです。

『シュガービーチ』は節分の話ですよ。いやあ、虎縞の水着とかいってますけど、2月に水着で練習か。寒いな。で、この格好、水着だけでなくツノもついてくる。ああ、どこかで見たことあるな、そう思ってたら、奈子についてるSPふたり、ここでそのネタなのか。もしやの黙殺かと思ったんですが、やっぱりそうはならない。どれだけ彼女は偉大であったのか、わかろうというものです。そして、不動堂先輩の追っかけ、これも面白い。こういう展開も、定番になっていくのかな。最後のページの恵方巻きも実に意味不明で、おかしかったし、その後のみなととエミのエピソード、これも面白かったです。

  • 『まんがタイムスペシャル』第20巻第4号(2011年4月号)

引用

  • ひらふみ「でり研」,『まんがタイムスペシャル』第20巻第4号(2011年4月号),59頁。

2011年2月21日月曜日

『まんがタイムきららMAX』2011年4月号

『まんがタイムきららMAX』2011年4月号、昨日の続きです。

『ご注文はうさぎですか?』。優等生っぽく、が素晴しいですね。で、この人はなにやってるんだろう。三人娘の制服それぞれ。帽子のある制服って確かに可愛いですね。で、裏切られるココアの期待、これは面白い。頭のうさぎの位置調整が癖になってるチノっていうのも面白いのだけど、その後のココアと何度でも会ってしまうリゼ、その展開はベタなのに何度も出会う、その畳み掛けがうまくはまって、すごく面白かったです。そして、新しい登場人物。宇治松千夜さん。着物のお嬢さん。うさぎに栗羊羹をあげてるんだけど、そりゃやっぱり無理でしょう。ちょっと体が弱かったりする? 羊羹を自作したりできる、なかなかに魅力的なキャラクターです。しかし、みんな可愛いなあ。

『やっくるーむ!』、ゲストです。やっくってのは、だらだらとおしゃべりする、というような意味なんですね。というわけで、みんなでだらだらおしゃべり。部活ものかと思えばそうじゃない。生徒会? と思ったらそうでもない。とにかく、ただただみんなで集まっておしゃべり。トールちゃんいわく、放課後遊ぶためにガッコに来てるみたいなもんだし。登場人物は、りおにクロキ、湊にトール。そしてりおとトールの部活の後輩、相良、緑川。こうしてみんなで集まってるのが楽しいから、ついつい部活はさぼっちゃう。授業よりもなによりも、こうして友達と集まっているのが楽しいというのですね。

ラッキーストライク!』。扉絵のボウリングバッグが持ち上がらないレイレイ先輩が可愛すぎる! ああ、もう、ほんとに素晴しい。というわけで、ついにレンがマイボールを入手ですよ。ボールひとつ2万5千円というのを知っておののくレン。ああ、やっぱりなんでもちゃんとしたものは高いですよね。でも、レンのもらえるプラスチックボール、これはいったいいくらなんだろう。軽く調べると、プラスチックボールって1万円くらいだそうですが、あるいはもっと安いのか? 誤魔化して怒るタキ先輩がいかします。

穴だらけのボール、メジャーボールっていうんですね。親指を合わせていくレンですけれど、これ、ほんとわからんよね。ある程度経験して、これがいい、こういうのはよくなかったと、経験を積み上げていかないと、自分にとってのベストってのはわからんですよね。だから、こういうマイボール作るとか、難しいですよね。自分もはじめてギターをオーダーした時は、なにをどう頼んだものか正直わからず、店の人にいろいろ教えてもらった。こういう時に信頼できる人と話ができるかどうか、それはかなり大きくて、その点タキ先輩は信頼おけそうでいいですね。

しかし、今回面白かったのは、ボール沼。ギターをやればギター沼が、カメラをやればレンズ沼があるように、ボウリングだとボール沼があるのか……。でもってボウリングバッグ、増えていくのか……。そういや、使ってないソフトケースとかいくつもあるな……。ギターでもボウリングでも、これという道具を見れば使ってみたくなる。そうした気持ちは共通なんだと思わされました。プロボウラーともなれば、ひとつの試合にボールを6個とか持ち込むらしいですが、ほんと、簡単に見えて奥の深いものなんだと思わされます。

ワンダフルデイズ』は、零と碧子の関係の、だんだんに近くなっているところとか、それからうみさんにお弁当作ってもらって嬉しくてたまらない零とかね、こういう気持ちの表されるところ、ほのぼのとしている、あるいはちょっとしたことにも嬉しさ感じてしまう感受性、そしてもしかしたら寂しかったりするんじゃないか、ええ、いろいろと思わされるところあって、微笑ましかったり、いじらしかったり、素晴しいですね。今描かれてること、これはなんでもない日常なのかな。あるいは、ここに今後を占うようななにかがあったりするのかな。わからない、わからないのだけど、そうしたこと関係なしに、いい描写だな、いい漫画だなって思うのです。

  • 『まんがタイムきららMAX』第8巻第4号(2011年4月号)

引用

  • みず「やっくるーむ!」,『まんがタイムきららMAX』第8巻第4号(2011年4月号),142頁。

2011年2月20日日曜日

『まんがタイムきららMAX』2011年4月号

『まんがタイムきららMAX』2011年4月号、昨日の続きです。

『こずみっしょん!』、榛名まおの新連載です。友達のいない真木鈴子。高校に入学したのはいいけれど、きっかけを掴めなくて誰とも話ができてないっていうの、よくよく見てみたら、きっかけ云々関係なく、コミュニケーションが苦手なんじゃないですか。隣の席の女の子、星垣臣美に話しかけたはいいけれど、話題が本当に意味不明。宇宙人、アブダクション、インプラントときて、ああ、もう、なるほど、コミュニケーションが苦手というわけだ。けれど、これで星垣さんと近付きになれて、ええとこの人、地球外から派遣された監察員なのだそうです。あまり有能とは感じないそんな臣美と、鈴子の、でこぼこな友達ものになりそうです。しかし、ふわふわな鈴子、ちょっとボーイッシュで猫耳っぽいリボン? カチューシャ? なんだありゃ、臣美。ふたりともに可愛いです。

『ゆる漫。』ゲストです。すんません、最初、こんだてがタイトルかと思いました。というか、このタイトル、どうなんだ。ええと、漫研ものです。ヒロイン明くんは、夏の会誌のために漫画を描いている。桐生部長はコスプレイヤー。自宅で漫画を読めないからと、大量に漫画買ってきて部室に置いていくカナちゃん。このあたりがメインの登場人物みたいですね。他にも部員はいるけれど、その人たちはモブというか、名前の与えられない扱き使われる男子、そんな雰囲気です。ちょっとおとなしめの漫画ですが、大学もの、サークルメインで講義もちゃんと存在している、そんな空間。そうした大学生活、サークル以外も多少描かれるの、彼女らの学生としての存在感があってよかったです。

『LSD — ろんぐすろーでぃすんたんす』は、もうじき中間テスト、というわけで部活を離れて試験勉強話です。一応、補習を回避したいとか、試験の後に適正距離を調べますとか、部活に関係する話題も出ていて、けれどやっぱり圧倒的に勉強回です。いや、高山ゆっこちゃんは遊ぶ気満々でありますが。で、そのゆっこちゃんですよ。できると思っていた英語なのに、椿との差、圧倒的だったりする、その焦ったり弱ったりする表情、なかなかによい感じ。というか、椿も舞も英語のレベル高いなあ。つうか、高校生だとこれくらいはできるものなの? 私、圧倒的に負けてるんですけど。勉強会の雰囲気で、舞の椿に対する気持ちに気付く優子。おう、気付いてなかったのか。そして、舞が学年3位、安食先輩に至っては学年首位。すごいな文武両道だ。いや、今回、地味でわりと普通の話であったんですけど、それでもテンポがよいのか見せ方がよいのか、面白く楽しく読めました。

『コスプレの神!』、ゲストです。タイトルにもあるように、コスプレ扱った漫画です。とりあえず扉絵が可愛くて、今や可愛いというのは当然あるべき前提となってるな、そんなこと感じさせます。メインのキャラクターは、コスプレする姉妹があって、その妹、学校ではコスプレイヤーであること隠してるのに、そのおっぱい感から友人のしずにばれてしまった。妹、とうか、コスプレをしてること知られるのは恥ずかしいけれど、いったんコスプレすればぱっと明るく積極的になるっていうんですね。そのとうかが、しずと一緒にコスプレをして、仲良くなっていく? そんな話である感じです。で、お姉さん、生徒会長なんですが、この人はいろいろと変態的なお嬢さんみたいです。妹をどういう方向に向かわせたいというのか!? また、しずさんもお姉さんに振り回されそうな感じ。その展開、楽しみに見ていきたいです。

  • 『まんがタイムきららMAX』第8巻第4号(2011年4月号)

2011年2月19日土曜日

『まんがタイムきららMAX』2011年4月号

『まんがタイムきららMAX』2011年4月号、発売されました。表紙は『かなめも』。手にはチューリップ、髪には桜を飾って、華やかな娘たち。すこし淡い色調で、けれどこの雰囲気、すごくいいですね。にこにこと笑うかな、楽しそうな美華。そこにちょっと困った? 風な文、そしてさっぱりとした表情浮べてる直がいることで、娘たちの気持ちの沸き立つような、うきうきとして、ちょっと移り気、そして多彩、そんな雰囲気が感じられるように思うのですね。掲載作の紹介も吹き出しになっていて、楽しくおしゃべりしている、そんな感じがまたいいのですね。

そんなわけで『かなめも』。ちょっと大人ぶってる代理がいいですね。なんでもない日常、いつもの朝食、そう見せて、けど代理には違ったのかも。ひとりでいる時くらい、しっかりした顔を見せるのやめて、ゆっくりしてみればいいというひなたのアドバイス、素直に受け入れるっていうんですね。甘いミルク、かなの作ってくれたグラタン? そしてこたつでごろごろ。ひとりじゃ楽しくない。それでなんか、ごっこやってるんだけど、代理、というか咲妃、やっぱり寂しいのかなあ。そんな様子が見えて、けどそうした顔、普段誰にも見せてないよね。そんななのに、ちゃんとわかってくれてる人がいるっていうの、ああ、いいな、すごくいいな。ええ、ひなたの気持ち、それが伝わってきて、それもいいなって思ったのですね。

『きんいろモザイク』、ものすごく面白い。綾のいう、親が旅行で今夜はひとりという、その情報をただ聞いて、へーそうなんだとそのままにするしのぶと陽子。いや、もう、面白い。こういう気持ちをちょいっとくすぐるみたいなね、ちょっとした描写に面白さを乗せてきますよね。アリスの国語辞典もそう、手を握られてずっと外にいたことばらされる綾もそう。晩ご飯作ってる綾と陽子のやりとりもそう。極めつけは、しのぶの嫌われてる疑惑かなあ。ぱっと見には可愛い女の子が目立つ漫画なんだけれど、そこに小気味いい面白みおかしみのちりばめられてるところなど、読んでいるとじわじわと効いてきて、可愛いは面白いは、ほんとすごくいいです。もう、大好き。あの、最後の陽子と綾のやりとり、これなんかは可愛い押しなんだけど、こういうのもすごくいいと思います。

『おにさん、こちら』、すっかりやられましたよ。今日は墓参りか。でもって、猫やら家族やらの台詞聞いてれば、ああ、お母さんいないんだ、亡くなっちゃってるのか……、と思っちゃうでしょう! あの、お母さんとふたりきりといってる一本、回想なのか幽霊なのか、ええ? どういうこと? 混乱して、もう、いやほんと、やられました。でも、このお母さん、ちょこんやらいつでも戻るわよやら、ほんと可愛いお母さんだな。で、やっぱり今回面白かったのは、猫の会話ですよ。ほんと、お母さん、猫に好かれてるんだな、っていうか、どんだけ猫好きなんだ、この家族。こういう描写も面白かったです。

『アキタランドゴシック』、これ、面白い。ちょこっと異世界もの? とか思ってたら、今回はショッピングセンターから始まるのか。もう、思いっきり普通じゃんか。で、アキタちゃん、何買うのかと思ったら、ゲームなのか。コンシューマーだと残虐表現が修正されているからPC版を買いにきた。すごいな、でも、それって普通にショッピングセンターで売ってるのか? 子供でも買えるのか。まあ、年齢制限がなかったら買えるか。ともあれ、こういったところ、普通にこちらの世界に同じなのか。すごく意外に思って面白かったです。しかし面白かったのは、導入の描写とか、あれ凝っててすごくよかった。それからバスに乗れないアキタちゃん。これもいい。20ケタのはずが19ケタしかなかったCDキーからの展開も、ものすごく面白かったです。

  • 『まんがタイムきららMAX』第8巻第4号(2011年4月号)

引用

  • 昼間行燈「おにさん、こちら」,『まんがタイムきららMAX』第8巻第3号(2011年3月号),47頁。
  • 同前,53頁。

2011年2月18日金曜日

『まんがタイムファミリー』2011年4月号

『まんがタイムファミリー』2011年4月号、昨日の続きです。

『ひよっこシスターの安息』。今回は電話でありますね。糸電話を耳にあてて、なにを聞いてるのだろう。シスター雛形が可愛いです。でもって糸電話、黒電話、携帯電話、いろいろな電話の話が出てきて、へー、黒電話でもキャッチホンいけたんだ。などなどちょっと驚きながら、ほら、あのラーメン屋で出会った彼女ですよ、ぼんやりシスターとちょこっと仲良くなるっていうのがよかったです。花言葉は友情ですよ。ええ、なかなかによい話。シスターをはじめ、皆の個性もよくでていて、読んでいてすごく楽しいのですね。

で、シスター栗栖の二槽式発言が伏線だったと、誰がこの時点で予見できたでありましょうか!

『働け!おねえさん』。花粉症から雛人形の話題にうつって、そして姉妹というものの気持ちのすれ違い。いつも新しいものを買ってもらえる姉が羨ましい妹、反対に自由にさせてもらっている妹が憎らしい姉。来島さんの、姉には姉の言い分があるというフォローから、姉のいっていたことを思い出す馬渡、そうした展開には少し切なくなるものありました。だから、それだけに、その後の馬渡のがっかり、共感をともに読めるってなわけなのですけれどもね。ほかにも、兄弟たくさんと一人っ子の違い、それから祖父母との同居など、自分の経験していないことを羨ましいと思う気持ち、なんだかいいですね。今自分の置かれている状況、そして経験してきたこと、そこにもきっといいなと思えるものはあるんだ、そんな気持ちになれる話でした。

エッセー企画「これを卒業します!」、面白かったです。木村和昭、小林マコ、山田古都子、井ノ上フキの卒業にまつわるエピソードなのですが、木村和昭の漫画の出来上がりかたが見事というのは、もういつものとおりですよ。落ちまでしっかり。すごく面白い。そして小林マコさん、寝る前に光るもの、バックライト付の液晶画面とかですね、見てると、入眠しにくくなるんだそうですよ。だから、ふとんに入ったらおとなしく横になってるのがいいらしいです。私もやっぱり寝付きが悪くて、一時期本当に困っていました。

で、山田古都子さん。二槽式ですよ。おお、二槽式とは珍しい。というか、私は二槽式の洗濯機が動いているところ、見たことないのですよ。全自動でいいのかなあ、ひとつの洗濯漕で洗いから濯ぎ、脱水までしてしまうっていうの、それしか知らないんですね。そんな私には、今も二槽式を使われているという、その状況の描かれかた、大変だったり面倒だったりするんだろうと思いますけれど、なんだかちょっとしたノスタルジー感じるところがあって、この方の漫画の絵柄、それもあるのかなあ。なんだかよかったです。お母さんと娘の距離感みたいなのもよかった、そんな風に思うのですね。

井ノ上フキさん、この靴を履き続けたという話。補修し補修し履く、というの。ああ、この気持ちはわかります。私も、靴でも服でもなんでも、気に入ればそればっかりで、傷んだら補修、だましだましでずっと使い続けるんですよね。なんというか、それがいいっていう気持ちがあるといいましょうか、なかなかに替えがたいものがあって、ええ、そうなんですね。私は今は靴の履きまわししたりしてますが、昔は同じの履き続けてたなあ。ええ、同じような性分みたいです。

『ともえ一本勝負!!』、ゲストです。ああ、この漫画は好きですよ。以前は2010年11月号に掲載でしたね。ええと、タイトル変わったみたいですね。

この漫画のヒロインの友恵、この人の恋する女子でありながら、高校時分につちかった柔道部員のスタイルが今も身からはなれないっていうのがすごくいいんですよね。でも、瑤子、千尋も似たようなもんだ。特に瑤子、ラーメンにカツカレーを食べる友恵に対し、女子の食い方かぁ!! って、どんなに熱血なのか。もう、大好きです。しかし、この友恵さん。ちょっと常識が違ってたりするけど、好きな人にとお弁当作ってるところ見られて照れてみたり、それでもって男らしいといわれて母のせいにしてみたりと、ほんと、いろいろ可愛い人だと思います。あのね、元気なところ、表情豊かなところ、それがすごくよくって、見ていてとても気持ちいいんです。すかっとした、さわやかなお嬢さん。ジャージがまた素敵なんだ。いやほんと、面白い、楽しい漫画です。

  • 『まんがタイムファミリー』第29巻第4号(2011年4月号)

引用

  • 芦浦だんこ「ともえ一本勝負!!」,『まんがタイムファミリー』第29巻第4号(2011年4月号),181頁。

2011年2月17日木曜日

『まんがタイムファミリー』2011年4月号

『まんがタイムファミリー』2011年4月号、発売されました。表紙のテーマは、音楽なのかしら。メインは『ぽちゃぽちゃ水泳部』カツ代がタンバリンを叩いてて、そのかたわらにはハンディカラオケ手にして踊ってる『ギュっとして!よねちゃん!』のよねちゃん、トライアングル持ってる『ひめごとノート』のヒロイン、姫。そして小鼓を持っている『椿さん』。これはただ音楽というだけでなく、桃の節句も意識してるのかな? いや、あるいはお花見、なのかも知れませんね。

教師諸君!!』は、さよなら岩瀬先生でありました。眼鏡の先生、できる先生。ということで、扉ではみんな眼鏡を装着してまして、おお、西名先生がこの装束で眼鏡というの、めずらしい。いや、ほんと素敵。で、教頭先生なんですが、なんだろう、すっごく見覚えあるんだ。ええと、デ・ニーロ? ううむ、ちょっとわかんない。自信がありません。でもって、城先生素敵! といいたかったけど、意外と深沢先生がかっこよくって、わお、まいったな。いや、ほんと、まいったな。

岩瀬先生が転任する、というので、西名先生と出会った頃かな? この学校にやってきた頃のことから描かれていて、このころから西名先生にそれは上下左右じゃないよっていい続けてたんだ。そして若き西名先生の岩瀬先生へのアドバイス。このアドバイス受け入れたんだなっていうのは、今の岩瀬先生の眼鏡を見るとわかるんですが、そのことに感謝してらっしゃるんだな。そのエピソードの流れ方、見せ方、よかったなって思うのですね。今回の最後の舞台、飲み会、居酒屋。私は歓送会にも出ない、忘年会新年会にも出ないという人間ですが、こうした人の関係の成り立ち見れば、職場の皆と飲むというのも悪くなさそうだな、そんなこと思うんですね。それはもしかしたら、この学校の先生方を見て気負うことなどないんだとすごくリラックスできました。そうした気持ちのありようあってのことかも知れません。そして最後の西名先生の今生の別れじゃないんです。こうしたことをいえる、思えるっていうのは素敵であるな、そう思ったんです。

『ひめごとノート』、ゲストです。おとなしい絵柄だな、って思ったら、『美大道!』のさとさんの新作か。なんでゲストなんだ。で、この漫画、普通っぽい出だしだったのに、いきなり末代まで…呪います…!! 名前にコンプレックスを持ったヒロイン、その名は小早川姫。姫! ああ、いいますね、聞きますよ。麗とか姫とか、そういう字が使われた名前はつらいって。お父さん、お母さん、あなたたちの娘なんですから、鏡見たら、そういう字は無茶だっておわかりでしょう? みたいな話。いやあ、いかします。で、この姫ちゃん、おとなしそうな娘なのに、追い詰められると言動が不審になるのね。いいですよ。これは、さとという人の持ち味でしょう。ええ、『美大道!』もそうでした。で今回もそうで、やっぱり面白いわ。今回の軸は、作家である父との確執や、その事実をクラスメイトに隠す、そういったところにありそうで、また小説を書いている姫、彼女自身のこともなかなかに重要そう、などと思いました。

『チーフはかなめ!』、よいですよ。美容師チーフのかなめ、彼女がすごいことはわかった。では、主人公河本はどうなのか。彼のデビュー戦について描いた今回、気合いは充分、練習も万全、けれどそうそううまくはいかないっていう厳しさと、思ったようにできなかったことに落ち込む河本、その自分を否定しないではおられない彼の気持ちとか、これはすごく頑張ってる、ええ、力の入った漫画だと思います。チーフかなめとオーナー、それぞれのスタイルが描かれた今回。つまり、河本、彼はこれから自分のスタイルを見付けていくことになるのだな。そんなことも思わされて、そしてチーフの激励。おかしなやりかたなんだけれど、でもこうやって励ましてくれるっていいなあ、素直に感動したのでした。

『小悪魔さん』、なんか兄貴が妹に対し優勢だぞ。可愛いじゃんからもっと可愛くなったなのコンボ、素晴しいな、見事であります。で、扉絵のちょいと髪を持ち上げた小悪魔さ、ええと、妹さん、ものすごく可愛いですね。すごくエレガント、魅力的です。この妹、ええと、理々さん、最初のころは兄貴を振り回す魔性の妹だったけれど、今は随分おだやかというか、大人しい娘さんになった、そんな風に思います。普通に仲良く、ちょっとおちょくったり甘えたりする程度。あの、少女漫画に入れ込んでる兄に現在を見せるところなんてのは以前風ではあるけれど、いや、仲のいい兄妹ですよ。そして、他の兄妹。あの、鈴木の兄貴の誤解されっぷり、これは素晴しい。妹のコメントもまた素晴しい。で、あの哀れむような目、素敵、最高であります。

  • 『まんがタイムファミリー』第29巻第4号(2011年4月号)

引用

  • 駒倉葛尾「教師諸君!!」,『まんがタイムファミリー』第29巻第4号(2011年4月号),28頁。
  • 同前,29頁。
  • さと「ひめごとノート」,同前,59頁。
  • 佐野妙「小悪魔さん」,同前,101頁。

2011年2月16日水曜日

For You

 志村貴子の漫画『放浪息子』がアニメ化されるというので、楽しみにしていたのですが、見てみたらこれが素晴しい。淡い色調、丁寧な描写、静かに淡々として、けれど感情はとうとうと溢れるようで、素晴しかった。実は漫画は、存在だけは知っていたのですがこれまで読んだことがなくて、けどアニメ見て、すっかりやられて、とりあえず単行本揃えてしまいました。いえね、アニメが終わるまで読まないんですけどね。なんかアニメは原作とはちょっと違えてあるっていうでしょう? そうした部分、あとで一気に読んで、なるほどねーと納得したいなって思ったんです。さて、アニメ『放浪息子』のエンディングテーマ曲、Rie fuの『For You』、CDがリリースされたので買ってきました。

Rie fuという人についてはまったく知らず、だからこれがはじめて聴いた歌ですね。『For You』、透明感のある歌。歌声の印象もあるのかも知れません。CD、収録曲は『For You』、『Come on Come on — りえふーの英会話講座』、『One-Bite』。『Come on Come on』は英会話学校のCMで使われてるみたいですね。私の買ったのは初回限定版だったのでDVDもついていまして、『For You』のミュージックビデオと名古屋ブルーノートでのライブ映像が収録されてます。ライブの曲は『romantic』でいいのかな? 『For You』ミュージックビデオはCMで使われてる、バスの中でセッションしているの、あれですね。冒頭はスクールバスの車内、ひとりクロッキー帳に歌詞なのかな? いろいろを書いているところからはじまって、バス内セッションを経て目的地、なのかな? 楽しい映像だと思います。

さて、『For You』。歌詞が結構内省的で、君のためというそのことが自分のためだっていう冒頭なんて、ああ甘くないねって思って、けどその踏み込んでくるようなところはちょっといいなと思ったのでした。人のために、誰かのために、あなたのためになにかをするということはどういうことなんだろう、そうした問い掛けがあって、そしてそのゆきついた先、前向きあるいはのびやかな気持ちのある、そんな感覚がすごくよいなと思ったのでした。

この、のびやかな気持ち。それは歌声、メロディにも感じられて、美しくよく伸びる声。少し憂いも含んで、けれどしめっぽくなりすぎはしないという、このバランス感がとてもよいなと思います。そしてそれは『Come on Come on』、『One-Bite』においても同様。ただ一色ではなく、多面的に感情の表される。楽しい歌でも切ない歌でも、ただ楽しい、ただただ切ない、ではない、そうしたところがあるのですね。

2011年2月15日火曜日

『まんがタイムLovely』2011年3月号

『まんがタイムLovely』2011年3月号、昨日の続きです。

『帰宅部活動中!』。中学生の時分、陸上に青春を捧げていたというのに、足を傷めてしまったのかな。そんなヒロイン、渡辺は高校では帰宅部に入った。って、そういう部がちゃんとあって、ミーティングがあり、どうも割と熱心に活動しているみたいです。このおかしな部活、買い食いとかしながら、一緒に家に帰るって感じですか? そうした活動に付き合いながら、陸上部に未練があるような様子を見せるヒロイン。ただただコメディタッチではない、そんな漫画であります。

『おばけの学校』、灯幻郷という名前なのか、村に住むことになった風太郎。そこで出会った変わった女の子。そして物の怪。命狙われてみたり、そうかと思ったらさっきの女の子、アヤと呼ばれてる、その子に助けられたりして、なかなかにハードそうな幻想的四コマです。しかし、女の子、暑いのに半纏着てマフラー巻いて、カラス、ええと烏天狗ですな、連れてる、そんな子なんですが、見ればランドセル背負ってるから、学校で再会したりするのかな? 日常に寄り添う怪異の世界、そんな雰囲気。あおりにはファンタジーとあったけれど、ファンタジーというよりか最近のはやりというの? 伝奇もの? そんな感じがしています。

『あまえび書店のクララさん』。これ、コマ割り漫画ですね。姉たちから、お前は器量がよくないといわれて育った桃沢くん。慣れない都会で頑張ってバイトしながら学生生活送っているのですけど、そのバイトが続かない。その度に求人誌買うものだから、書店のお姉さんに覚えられて、そして判明するバイト先でいびられた理由。もう、ベタなんですけどね。眼鏡はずしたら美形。その事実のため? お姉さんにバイトしないかと誘われて、しかしこのお姉さんもクールというか一癖ある感じ。ちょっと気になる雰囲気、悪くないって思いました。

といったわけで、ざっと新生『Lovely』読んでみて、これ、ただの日常もの、みたいなのはほとんどない、どこかしらに一味加えてあるといった感じでして、それは怪異や幻想、あるいはBLっぽいの、そういったのですね。BL傾向持つものはわりと明るくあっけらかんとしていて、怪異幻想傾向は少々陰鬱な雰囲気を持っている。ええ、陰りといったらよいでしょうか、そういうニュアンスはそこかしこに感じられました。だから、明るい、楽しい、そういうのを押し出してくる漫画はぱっと目立って、そのコントラストでよりいっそう印象が強くなっていたように感じました。

  • 『まんがタイムLovely』第18巻第2号(2011年3月号)

2011年2月14日月曜日

『まんがタイムLovely』2011年3月号

『まんがタイムLovely』2011年3月号、昨日の続きです。

『ココロナヤミに小鶴堂』。漢方薬店小鶴堂の求人に応募し採用されたヒロイン柿岡もろこ。採用されたという理由が、毒に耐性があるからというもので、なんて酷い理由。というか、酷い選考方法。だって、毒盛るんだもの。で、ひとり平気な面してた。それがヒロイン。夜の小鶴堂、昼は漢方薬を扱うけれど、夜は毒を扱ってる? その店番? なんともいえず剣呑な雰囲気でありますが、実際どうなのでしょう。多分、そういう裏稼業的なものになるんでしょうけれど、ヒロインのキャラクターからするに、なんだかわいわいとにぎやかなコメディになりそうに思います。

『カフェは今日もにくきゅう日和』。ネコが売りの喫茶店? いや、そうではなく、肉球メインである模様。調度食器料理にいたるまで肉球モチーフ。でもって、兄弟経営であります。兄は動物を管理しグッズ他を作る、弟は調理をする。そのための教育を受けてきて、で、その教育をさずけたのは姉。この店のオーナーですが、幽霊? しかも猫? どういうこったろうと思ったら、なにか具合を悪くして入院している模様。やっぱり一味加えるのが基本みたいですね。

『とりにてぃ』。突然押し掛けてきた女の子、娘だっていうんですが、覚えがない。そう思っていたら、次々と娘を名乗る女の子がやってきて、そしてその父がみな違う。三人で同居している男性たち、そのひとりひとりに突然娘ができた、というか、やってきたというんですね。作曲家、画家、作家の父、そして娘たち。きっとにぎやかになりそうな漫画です。で、これ、ぱっと見たときに、『ぱれっと』っぽい? とか思ったんですね。なぜかはわかりませんけれど。

『くるくるまきまき』、これもちょっと『ぱれっと』ぽく感じた漫画です。街で出会った不思議な女の子。トラックにはねられて動かなくなった女の子、メイドさん。けど、動かなくなったのはどうもトラックにはねられたからではないみたい。注意書きにあった、背中のゼンマイをまいて下さいというお願いにしたがってみれば見事に復活して、ゼンマイ仕掛けのロボットなんですね。そのロボット、クルクルと同居することになったヒロインまき。このクルクルの、たびたびゼンマイがきれて巻かないといけなくなるっていう、そのストップするタイミングがよくて、なかなかに面白かったです。

  • 『まんがタイムLovely』第18巻第2号(2011年3月号)