2008年11月22日土曜日

秋冬

 例年なら、もう寒さが身にしみる、外で歌うだなんてあり得ない、そんな季節でありますが、今年は夏が長すぎました。いつまでたっても日中は暖かく、先週になってようやく寒さが厳しくなってきた、そんな少々おかしな天候は外で歌う私にはうってつけで、ええ私はまだ、昼の休みにギターを持って、駐車場脇で歌っています。そんなある日のことでした。中島みゆきの『わかれうた』を歌っていたら、足を止めて聴いてくれた女性がひとり。どうもその方はご近所の方みたいですね、私の歌っているのをよく知って下さっているみたいで、そして歌って欲しい歌があるんだっておっしゃる。それは『秋冬』。お兄さんの声で聴いてみたいわ、とおっしゃるその言葉が嬉しくて、『秋冬』について調べました。

そうしたら、知っている曲でした。といってもうろ覚え。なんとなく聞き覚えているといった程度なのですが、それでもこれは紅白歌合戦でも歌われたものらしく、時は1984年。まだ歌謡曲に力が、勢いがあった時代ですね。紅白で取り上げられる歌となれば、だいたい誰でも知っているくらいに浸透していた。そんな時代の歌謡曲です。

けれど、これを歌うとなったら楽譜が欲しいところ。けれど、いったいどんな曲集を買えばいいんだろう……。全音の『歌謡曲大全集』か。調べれば、その第6巻、昭和56年−昭和61年に入っていて、しかしこの曲集高いからなあ。四百曲くらい入ってるから、高くて当然、だってプロフェッショナル・ユースなんだもん、てなもんですが、自分が買うにはちょっと躊躇してしまいます。いや、だって、歌で収入があるわけではないですからね。だから別のものとなると、同じく全音の『歌謡曲のすべて』か。これ、上下巻に分かれているのですが、上巻には明治から昭和にかけての愛唱歌、ヒット曲が927曲収録されて、お値段4,200円(税込)。598ページあって、もちろん『秋冬』も入っています。こっち買っておこうかなあ。

『秋冬』のレコード(CD)を探すと、やっぱり高田みづえが出てきますね。紅白でこの曲を歌ったのはこの人で、だから当然といえば当然この人による歌唱が一番知られることになったわけですが、けれど音源として欲しいといっても、ベスト盤やシングルベストを買うのは厳しいです。私が高田みづえのファンならいいんでしょうが、別にそういうほどでもないわけだから、ということでさらに探してみたら、原大輔のマキシシングルが見つかって、カップリングは『恋おんな』、ただしラテンバージョン。これ、どんな歌なんだろう。どうにもこうにも手を出しにくいものがある、そんな風に思います。

聴いてみれば、どことなく懐かしさも感じさせる歌謡曲、この歌が好きだという人があるのもわかります。歌ってみれば、情感の盛り上げもしっかりあって、歌謡曲らしい、その曲調になんか安心します。けど、私の聴いたのは、テレビで歌う高田みづえの版です。その歌い方がですね、すごく引っ張って引っ張って、そうして盛り上げるというものですから、そのように私が歌うと正直気持ち悪い。これをコピーしたら、きっとひんしゅくものだろうな。やっぱり、高田みづえの歌い方は、高田みづえだからよいのです。

といったわけで、やっぱり楽譜を持ったものかな。そんなことを思いながら、テレビよりもあっさりと歌っている高田みづえの版も持っておきたいかななどと、少々思うのでありました。オムニバスに手を出すべきかなあ。これ、半分くらい持ってるんですよね。ああ、迷いますね。

高田みづえ

原大輔

オムニバス

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