2008年5月19日月曜日

トンボ鉛筆 エアプレス

 理想のボールペンを求めての旅路の途中、今現在におけるお気に入りは三菱鉛筆のパワータンクであるというのは先日いいましたとおりですが、もうひとつ気に入っているペンがあります。それは、トンボ鉛筆から出ているエアプレス。加圧式ボールペンのもうひとつのあり方、とでもいいましょうか、あらかじめリフィルにガスを封入したパワータンクとは異なり、ノック機構に加圧用ピストンを追加したという、まったく異なるアプローチが光る加圧ペンです。しかし、これのどこがそんなに気に入ったというのでしょう。全長122ミリという、すごく小ぶりのペンです。握った手の内にほぼ収まってしまうというようなサイズ。しかしこれが意外に持ちやすく、書きやすかったのです。持ち運びにおいて邪魔にならず、筆記時には充分な機能を発揮する。ああ、これは外で使うには理想的なペンかも知れないぞ。そんなところがよいと思ったんですね。

持ちやすさの理由は、軸の太さと素材にあるように思います。樹脂製のボディ素材は指になじんで滑らず、けれどべたつくようでもないという、程よい仕上がり。グリップ部分には指に引っ掛かりを持たせる工夫がされていて、安定感は抜群です。正直、こういう短いペンでこんなに持ちやすいというのははじめてのような気がします。確かにこれはボールペンで、万年筆とは違いボディ中ほどを持つようなことはないから、なおさら長さは必要ないのかも知れません。ペンを立てて持つのなら、拳ほどのペンで充分なんですね。

このペンも加圧ペンだということは、最初に書きましたとおりです。だから、上向き筆記は可能だし濡れた紙にも書けます。実際に試してみて、通常のボールペン以上の機能性を発揮していることは確認済み。さすがに氷点下での筆記実験はしていませんが、常識的な温度でなら問題なく筆記できるでしょう。そしてこうした機能性は、やはり屋外での使用向けで、実際トンボ鉛筆も各種現場で使われることを想定している模様です。室内環境とは異なり、イレギュラーの要素が増える屋外において、安定して使えるペンというのは、きっと力になってくれるのではないかと思います。

興味を持ちつつも、どこか色物っぽく感じていた加圧ボールペンですが、いやね、なんだかオーバースペックな感じがして、日常に使うには大げさなんじゃないかななんて思っていたんです。ところが使ってみて、その印象は劇的に変わって、オーバースペックなもんか、ましてやギミックの面白さだけのペンでもありません。実用において、これはかなりよいという印象。すっかり気に入ったのは、やはり書きやすさ、インクの出の感触です。

エアプレスとパワータンクは、その性質からライバル関係にあると考えてよいかと思いますが、持ち運んで使うなら、屋外での使用をより以上に意識しているエアプレスが便利そうです。なので私は、外での使用、手帳を使う時などですね、にはエアプレスを、対して屋内での使用、ペン習字の練習などにはパワータンクを、というように使い分けていくのではないかと思います。

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