2006年4月10日月曜日

Spiritual Unity

  私だって少しくらいジャズも聴きます。けれど詳しいかといわれたら、すこぶる疑問なのですよね。残念ながら、ほとんど知らないといわざるを得ません。定番中の定番といわれるようなプレイヤーの、さらに定番といわれるようなアルバム、演奏を知っているくらいのものでありまして、ちょっと突っ込んだところに話が向かうと、途端になにも話せなくなる。それくらいに私はものを知りません。

そんなわけで、私はアルバート・アイラーを知りませんでした。この人はジャズサクソフォン奏者でありまして、ジャンルとしてはフリージャズであります。フリージャズってご存知ですか? ジャズにもいろいろあって、綿密な打ち合わせをするようなジャズもあれば、即興を重んずるようなのもあって、フリージャズというのはなかでも即興を指向するようなジャズなのです。一般的にジャズの即興すなわちアドリブというものは、テーマとなるメロディの変奏であったり、あるいはテーマとなった曲のコードに基づくインプロヴィゼイションであったりするのですが、フリージャズにおいてはいったいどうなのでしょう。なんというのか、な、なにやってんの!? ってのけ反らせるような、まさにエネルギーに充ち満ちたアドリブの吹き荒れるジャズ。それがフリージャズであると私は思っています。

でも、私は若いころは、フリージャズは好きじゃありませんでした。いったいなにをやりたいのか、まったくもって理解できず、理屈もなにもなしに適当に吹いてるんじゃないのみたいに思っていたのですが、そうした無理解もいつの間にか改善されていたようで、人に勧められて聴いたアルバート・アイラーに関しては、なかなか楽しんで聴くことができます。なにより、この人の演奏はフリージャズのなかでもおとなしいほうなんじゃないでしょうか。時折にメロディラインが聴こえてくることもあって、そのメロディがすごく印象に残るのは、やっぱりプレイヤーの術中に私がすっかりはまってしまっているからなのだと思うのです。

はじめて聞いたときにもなかなかに釣り込まれるような演奏でありましたが、繰り返し聴けば、それだけ深く引き込まれて、なんだか癖になるような魅力があります。多分、むかし私が理解しなかったのは、この魔力じみた魅力なのではないかと思います。

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