2005年3月20日日曜日

動物のお医者さん

   今日、ギターの練習をしていたら突然弦が切れました。あの、弦が切れた瞬間というのは、本当にびっくりするものなんですよ。あまりに突然だから、なにが起こったかわからない。で、弦が切れたということを理解して、ひえええええ、弦が切れたあああ、と叫ぶ。いや、叫びはしませんけど、そんな気持ちになるんです。特に今日みたいに、弦を替えてまだ数日なんて日には、本当に叫びたい気持ちになるものなんですよ。

この ひえええええ、弦が切れたあああというのには元ネタがありまして、なにかといいますと『動物のお医者さん』なんですね。雪に埋まった菱沼さんが引き抜かれるときにあげる叫び声でして、ひえええええ、くつがぬげたあああ、この恐ろしい叫びを聞いた犬は死ぬといわれています。

まあ冗談はさておきましても、故事や伝説、物語から独立して使われるようになった慣用句というものは実にたくさんあるわけですが、『動物のお医者さん』くらいになると、まさにそういう慣用句レベルで日常に使える表現が盛りだくさんです。例えば先ほどのひえええええ、くつがぬげたあああなんてのは、その筆頭格であるといえるでしょう。

その他にも、あげればきりがないのですが、私はリス、しっぽをそられたのなんてのもそうですし、戸棚のウラはネズミの卵でいっぱいだー!!もそうでしょう。それに、コンタミダチュウといった、一般に馴染みのなかった言葉が全国区の一般用語に格上げされたのも、『動物のお医者さん』の功績であるといって言い過ぎではないと思います。

『動物のお医者さん』は世代や性差を超えて愛される漫画であるために、上にあげたような言葉を知っている人というのは実にたくさんいて、顔見知りから知り合いまでの距離を詰めようというときに、実に役立ってくれるのですよ。話し下手、口下手の私には実にありがたいかぎりで、その威力たるや、坊やだからさ二度もぶった、親父にもぶたれたことないのにあんなの飾りです。偉い人にはそれがわからんのですよヘルメットがなければ即死だったの比ではありません。

いや、もちろんガンダムからの慣用表現も強力ではあるのですが、これは世代と性差を考慮する必要があるので、効き目がピンポイントすぎなのです。対して『動物のお医者さん』のフィールドは、主に女性向けでしたから、私みたいに女性の多い場所を点々としてきた人間にとっては、非常に力強い助けであったのです。

私が生涯で最もうけた『動物のお医者さん』ギャグは、私はリス、しっぽをそられたのだったのですが、この表現がすでに第一巻に出現していることに、私は改めて驚きます。超音波の焼きいも屋菱沼聖子かね!?も一巻ですからね。

第一巻にしてすでに完成されていた『動物のお医者さん』。本当に偉大であると思いますよ。ええ、我が生涯のマスターピースであるといって恥じない偉大な漫画であると思います。

参考

引用

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