2023年9月30日土曜日

『まんがタイムきららキャラット』2023年11月号

 『まんがタイムきららキャラット』2023年11月号、一昨日の続きです。

『のけもののまち』

お祭りでの出店をきっかけに、ネルとマキの仲を改善したい。そんな思惑がのっけから思いっきりすべろうとしている今回。完全無視 vs いつも以上に寡黙の戦いときたわけですが、いや、戦いどころじゃないな、まるっきり向きあっていない。それこそこのまま、顔つきあわせずやりすごして終了しかねない。ネルにいたっては徹底していて、目立ちたくないから完全裏方志望。注文の品の受け渡しはるい頼みときて、さすがにこれは人手の面からも困りもの。

ということでネルを引っ張り出すことには成功したのだけど、ああー、こういうことか。狼ヒトであるというだけで、泣き出してしまう小さなお客さんがいるわけだ。接客には不向きといっていいのか、ネルが引っ込み思案になったわけだよと納得すればいいのか、なかなかの逆境を実感させられた瞬間でした。

さて、お祭りにトラブルはつきもの? 突然の大雨で、皆でお店に避難です。からの、まさかのネルに転機ですよ。小さなお客さんに、アイスをアレンジしたマフィンを振る舞って、それがきっかけとなってお母様がたから大人気! 主婦キラーだなんていわれていますが、あまりの人気ぶりは人の海に溺れるがごとし。そのピンチを救ってくれたのがマキだったのですね。

此度のことで、マキもネルのことを少しは認めてくれた。ネルも頑張ろうという気持ちが報われてよかった。ええ、ちょっとした変化だけど、今後より一層に変わっていく、そんな予感をさせた展開。さらなる未来が楽しみになる、そんなエピソードでした。

『RPG不動産』

過去を変えた琴音たち。その因果か、過去の世界で琴音たちの姿がひとりまたひとりと消えていき、ああ、未来に彼女たちの居場所はないのだろうか……。彼女らの生まれ得ぬ未来が訪れることとなるのだろうか。

そんな心配もありましたが、次回最終回、エピローグを前にして、変わってしまった世界が描かれます。サトナの救われた世界。そこでは戦争は起こらず、誰もが平和に暮らしている。勇者として利用されたあの子も、田舎の農場で元気に働いていて、戦いにおもむくこともなくなった。そうして新しい世に生きる皆の、これまでの物語に描かれてきた皆の、これまでとはまた少し違った暮らしの情景の数々。眺めていて、ああ、この人はこうなったんだ。変わった世ではこんな風に出会うんだ、などなど、いろいろと思わせてくれたのでした。

そしてラストに描かれるのは我らが主人公、琴音です。都会に就職先を見つけ、田舎を出ることになった女の子。飛行船で向かう先で出会うのは!?

次回、まさしく最終回。琴音の出会うもの、人、世界に注目です。

『紡ぐ乙女と大正の月』

縁談が決まった唯月。しかし紡がこれからもついていてくれる、その約束が彼女を支えて、だからこそ家のための結婚に臨む決心もついたというもの。

だというのに、まさかその支えとなる紡がいなくなってしまうだなんて!? いや本当に、今まさにこのタイミングでこの展開がくるとは思っていなかったので、すっかり驚かされてしまいました。

ホテルでのクリスマスパーティーにおもむいた唯月。その帰りを、クリスマスの飾りつけをしながら待っていた紡なのだけれど、脚立から落下。そして目覚めたのは、病室!? ベッドの側には両親がいて、あの地震から長く意識を失っていた紡が、ようやく目を覚ました。

令和の世へと舞い戻ることとなったというのです。

紡が屋敷で待っていてくれている。それを疑いもせず帰宅した唯月。しかし屋敷には、クリスマスの飾りつけだけを残して、待っているはずだった紡は姿を消して、ああ、これはどうなるのでしょう。紡は令和の世から再び大正へと戻るのか、その夢は叶わず、ただ歴史の記録として唯月たちのその後を知ることとなるのか。

いやもう、ここからの展開、まるで予想もつきません。本当、どうなるのでしょう。なんなら、こちらの時代で大正に役立つ情報仕入れて、それで一気に大正の問題を解決していただきたいところです。

2023年9月29日金曜日

『まんがタイムオリジナル』2023年11月号

 『まんがタイムオリジナル』2023年11月号、一昨日の続きです。

『カントリー少女は都会をめざす!?』

今回は文化祭の話題。文化祭ではなにをするのだろう。演劇? からの、八重アレンジに流れていく流れ。いつものとおりといえばいつものとおりなんですが、白雪姫と7人の都会人。なるほど、つまり白雪姫が八重なんだね!? と思ったらさにあらず、都会人のひとりを演じるっていうからやる気です。

でも7人といってるのに百人力とか、こうしたやりとりの紆余曲折がおかしくて、いつものこの子たちの面白みでありますね。で、パーティー会場は東京。遠くていけない、からの、亜紀登場。地方民の悲哀が語られるんですよ。

いや、でもほんとによくわかる。イベントとか、基本都会だもんなあ。とかいってたら八重たちから怒られそうなんですけど、だってイベントは関東偏重。東京とか、ちょっとはずれて横浜とか、そのあたりだもんなあ。地方民の悲しみは、ちょっととはいえわかりますよ。

そして今回、亜紀の見せてくれた応援。あれ、可愛かったなあ! なんかのマスコットキャラみたい。アクリルキーホルダーとかになったら嬉しい。そんなよさありました。

『敷金礼金ヤンキー付き』

たえちゃん、ヤンキーはもう普通に平気なのかと思ったら、サンライズ荘の馴染みのヤンキー限定なのか。そうでした、昔のたえはサンライズ荘のヤンキーにもビビッていました。そうかあ、基本のところは変わっていないんですね。

近所のコンビニでたむろしているヤンキーに目をつけられて、いや、絡まれるたってカツアゲとかそういうんじゃないよ? なんか親しげに話しかけられて、うざ絡みゆうていいのか、一気に距離詰めてくる、そのぐいぐい感がたえを困らせる。

たえの分析がよかったですよね。七恵も佳もぐいぐいくるけど、別に気にならない。なにが違うのか……。ここで、信用できる相手とわかってるからと結論出るのがよかったんですね。そううか、たえはこのふたりに気を許しているんだな。そうしたことが再確認されて、そして問題のヤンキーふたりとも、悶着はあったけど、和解にいたる。七恵も佳も含めた皆で仲良くなれるという、その顛末、なんか微笑ましさあるいい展開でありました。

そして大家の解説です。寂しいからってのが大きいんじゃないか。受け入れてくれそうな相手に飢えているという、その言葉の持つ意味。たえが皆から慕われる理由や、そして大家があえてヤンキー向けにアパートをやっている、そうした意図が感じられて、ぐっと引き締まる、そんなしめくくりになっていたと思いました。

『オネェの恋のはじめかた』

たいていなんでもできるけど、ゲームは苦手な時宗。というか、翔人がやたらうまいだけって気がする。やってるのは対戦格闘ゲーム。翔人の25連勝というのですが、ハンデをつけておあげなさい。というか、容赦のない攻めに一方的にボコられて、理解も学びもできないうちに敗退しちゃってるんじゃないのかい、時宗。ええ、いくらゲームがうまくなりたいといっても、相手をお選びなさい。翔人相手じゃなければ、なんとか手加減とかしてもらえるだろうからさあ。

時宗がゲームに興味持ってるの、ゲームがではなく、桜子が理由だったんですね。めっちゃわかりやすい。桜子が好きというゲームを一緒に遊びたい、その一心でゲームを知ろう、学ぼうとしているそうなんですが、そう……、育成ゲームでありましたか……。じゃあ、なんで格ゲーなんてやってるの! ジャンルを、ジャンルをお選びなさいな!

このあたり要領を得ないところなども、ゲーム慣れしてないという理解でいいんでしょうか。でもって、育成ゲームやらせてみたら、予想外の育ち方してしまう云々というのも、多分これ育てる方向性が間違ってるんだろうなあ! でもこれはわかる気がする。自分もゲームやると、恋愛方面のパラメータが育たず、何度やっても皆進学していくみたいな話があったりしたのですが、きっと時宗も似たようなパターンなのでしょう。うん、それは個性なのでお伸ばしなさいな。きっとそれが最良です。

この時宗の方向性。今回ラストの展開の、負けず嫌いというか、勝たないと気がすまないというか、そういうたちが絡んでいるように思われて、これという目標ないし美意識ないし、満足させないと気がすまない完璧主義が災いしているような気がしますよね。ええ、ゲームなんてしょせん遊びなんですから、気を抜いてそこそこにお楽しみなさい、といいたいけれど、そういう自分がちょっと気を抜けないたちなせいで、ええ、時宗さん、ちょっといろいろわかる気がしてしまいました。

2023年9月28日木曜日

『まんがタイムきららキャラット』2023年11月号

 『まんがタイムきららキャラット』2023年11月号、発売されました。表紙は『ひよ&びびっと!』。動画サイト風デザインの表紙ですよ。「【コミックス第1巻発売中!】初表紙&巻頭カラーに挑戦してみた。【ひよ&びびっと!】」とのタイトルで、あやもりんちゃんねるにて公開中! 右手でカメラを支えてるのかな? 残る左で♡を作る元気なあやもりんと、その後ろにちょこんと可愛く、やっぱり♡作ってるひよ。ふたりとも可愛いですよね。ひよの頭上で♡作ってるデビおも微妙なインパクト! キュートにキュートの乗算された、実にいい表紙であります。

今月は新規ゲストが1本です。

『鶴舞カンパニー』

声優塾の特待生選考に応募した乙雛亀花。声優に憧れる彼女は、授業料免除に後押しされるように、事務所付属の養成所の試験に応募。しかし周囲の受験者は、すでにどこかしらで指導受けていたり劇団に所属していたりと、場違い感半端ない。

そんな亀花のゆきつくところはいずこか。かつて、バレエや歌の経験はないが、華麗にトンボを切って合格したスターの逸話もありますよ。ということで、なにかしら見るところあって亀花も特待生に、いや特待生ならぬとも研究生なりなんなりとして合格したりするのだろうか。

なんてこと考えていたのですが、ああ、残念。亀花に合格の目はありませんでした。合格したのは亀花と一緒に受験した子。眼鏡とマスクで顔を隠していた百千月卯咲、その前歴はアイドルグループに所属し活動してきた、いわば経験者。その演技、実力は亀花にはっきり別物と感じさせるほどのもの。なにも前歴で勝ち得た合格なんかじゃないと、試験に立ちあった亀花にはわかっているんですね。

そんな亀花に開かれる可能性。これは予想外の展開で、演者としてではなく、マネジメントの方面で頑張ってみないかと誘われて、かくしてはじまる亀花と卯咲の二人三脚? ウサギとカメのモチーフがそれと察させるように、先に進んでいる卯咲にいつか亀花が追いついたりする日もきたりなんかするのでしょうか。

『ひよ&びびっと!』

あやもりんはそろそろ学ばないといけません。ことあやもりんのこととなると、ひよに冗談は通じないって。見境も加減もなくなってしまうって。

そんなひよの大暴走回。原因はあやもりん。試験の結果が奮わず、ウーチューブ活動を休止せざるを得ない。年単位で活動できなくなってしまった。

よりにもよってこんなことを、よりにもよってあやもりんファン過激派のひよにいっちゃったもんだからもう大変。頃合いを見てウソだよと、ドッキリだよと種明かしするつもりが、暴走迷走ひよに追いつくことすらかなわない! いやもう、陸上部なのか? 全員ぶっちぎってかっ飛ばしていくひよよ! さらには窓突き破って侵入からのあやもりん母に直談判!

いやもう、ここで流れるようにあやもりんのよさをプレゼンできるひよの優秀さもなかなかのものなのですが、褒められまくって照れてるあやもりんもまた見物で最高のエピソードでした。

しかし、騙してごめんと、なにかおわびにと申し出たあやもりんに、窓つきやぶったこと謝るの、一緒についてきてほしいって、ほんと、ささやかな願いというか切実な気持ちっていうかが伝わって、おかしいといっていいのか、ちょっと気の毒と思っていいのか、複雑な思いに苦笑の流れでした。って、これよく見たら、窓破られてるのあやもりん家のだけだな!

『恋する小惑星』

JAXAの近く、先生の祖父母のお家にうかがって、バーベキューパーティです。

参加者は卒業生も加わった地学部面々。人数もたくさんでにぎやか! おじいちゃんも元気で、天文好きが高じた? いや、天文トークのできる若い子との交流にタガが外れた? 新アイテムを投入しまくってるその様子に、笑顔のまま不穏なオーラを発するおばあちゃん。いやもう、楽しそうな雰囲気、すごくよかったです。

地味に好きなのは、メロン食べ放題状態に感動しちゃってるチカでしょう。そうか、チカさん、メロンお好きでしたの。ほんと、なかなか見せない表情、見せてくれていましたよ。

さて、きら星チャレンジの話題です。今年も応募しようと準備中。ただ狭き門、浮かるかどうかはわかりません。ということで、先輩たちが耳寄りな情報を見つけてきてくれましたよ。

星空サマーキャンプ(仮)。高校生を対象にした天文台イベント。泊まり込みで観測するという素敵体験が待っているというのですが、はたして今年もきら星チャレンジにいくのか、あるいはサマーキャンプと相成るのか。

サマーキャンプだと、みらとあお以外の地学部メンバーも参加、とかなったりしそうですよね。

2023年9月27日水曜日

『まんがタイムオリジナル』2023年11月号

 『まんがタイムオリジナル』2023年11月号、発売されました。表紙は『ラディカル・ホスピタル』。なんと眼鏡に三つ編み、ちょっと昔風の文学少女に扮した山下さんがメインであります。周囲には文豪、文筆家に扮した人たちが。『らいか・デイズ』らいかは明治あたり近代の、『小森さんは断れない!』しゅりは平安時代あたり、そして『となりのフィギュア原型師』代表は江戸時代、近世の俳人の姿で。いずれ文学少女山下の手元に届く作品を作っているのかも知れません。

『おだまき君の道草ごはん』

夏休み、勉強に打ち込む小麦のもとにやってきた苧環。お祭りに誘ってくれているというのですが、友達もいない、ふたりきりの縁日。これじゃデートだとドキドキしている小麦だけれど、苧環のことだから自治会の手伝いかなんかだろう。

ええ、まさしくそのとおりだったんですね。

でも、自治会では苧環の恋人と勘違いされた小麦。しかも迷子の案内に大活躍。いいじゃありませんか。で、仕事が明けて一緒にお祭りでも楽しんでいらっしゃいと送り出してくれたお姉様がた。小麦の浴衣の着崩れをばっちりきれいに直してくれて、ああ、よかったねえ小麦。すっかり可愛い小麦に戻りました。

そんなふたりの一緒に歩く夜の境内。苧環が小麦に見せたかったもの。蛍にホタルブクロ。野草を見るとすっかり食に意識が向いてしまうようになった小麦の赤面。でも、続く赤面は恥ずかしさとはちょっと違うみたい。ええ、ふたりの関係性の動く様、すごくよいと感じたんですね。

『となりのフィギュア原型師』

わー、水着回だ! って、なんで!? こんな唐突に、無理矢理に。というか、おこめ代表、スライダーの数値、ちょと上げちゃってない!?

こんな導入だったのに、まさか本編は斉藤と代表の出会いのエピソードであろうだなんて、まったく予想もしない展開に。というか、斉藤、やせたね!? イラストレーターmozuにすっかり改造されてしまったか。というか、もず姐、斉藤のこと好きすぎるよね? ここからの連続動揺コンボ。それを煽るはぐちゃん。かなりの緊迫度でありましたよ。

大学時代のふたりが描かれるんですが、ぱっと見違いがわからない斉藤と比べ、すっかり男の子な感じの代表がなんか新鮮です。中学生とかに見える。そんな代表が展示するフィギュアに引かれ訪れた彫刻科棟。出来はいいが、いかんせん刺さってこないその惜しさに、ものすごい熱量で感想あるいはアドバイスを書き記す斉藤の勇姿が最高でありました。

しかしこの工房。恋愛関係とかあんまり進展しなさそうに見せて、それなりにいろいろ動いちゃってますよね。代表半藤間の押し引きあれば、斉藤mozu間の、いやこれはmozuからの一方的なベクトルか? いずれどこかになにかしらのいい話が出てきそう。なんて思ったところで、肝心のお隣さんのポジションが謎になってくるな……。

ねえ、せっちゃんはメインヒロインじゃなかったんですか?

『アイドルはお忍びchu♡』

夏の暑さにへばる芙蓉です。江戸時代とか、冷害飢饉に疫病のはやる寒冷の時代だったろうから、現代のこの暑さは相当堪えることでしょう。風の通る座敷で寝転がっていたところ、一花から文明の利器、エアコンの威力を知らされる。

エアコンの原理もなにもわからない芙蓉ですが、自動で動いて冷風を送ってくれる機械の存在を知って、この暑さもなにかしらの仕業であるまいか、疑い出すんですが、まあ術やなにかじゃないのは間違いないけど、人の仕業が関わっとるのは残念ながら間違いなさそうですよ。

エアコンを知り、昔の夏の甘味を味わい、そしてビニールプールを楽しむ。ふたり一緒に庭のプールで楽しんでる様、これは実に楽しそうでよかった。そして芙蓉の水さばきの鮮やかさ! これ、アイドル活動には活かしにくいかも知れないけど、なにか別のとこで役立てられない!? それぐらいの威力を見せて、そして水蜘蛛の真実!

今回はアイドル活動ではなく、オフの日の楽しいひととき。こうしたゆっくりとした時間も悪くないですね。

『我、持てざるを得ず』

伊吹、いろいろ危うい男だなあ! 女子に意識せず自然体で話せるようになれば、彼の問題はあらかた解決しそう。柔道での実績もあるし、見場もそう悪くないし、なのに女子との縁のなさが彼をこうまでこじらせて、悪い方、悪い方へと追いやってしまっている。

そんな伊吹に女を紹介してくれるという、見た目はイケメン、中身はオタクの青井。伊吹が、二次元の住人であるお前に紹介できる女なんかいるのかっていってますけど、これほんと正解だったんじゃん!

いわゆるギャルゲーをやらされるのかな? そう思ったら、まさかのVR! そうか、今どきはこういうゲームがあるんだな! からの、不審そのものの伊吹の応答。もうめっちゃくちゃ面白いな。伊吹の練習の成果こそはよくわからないけれど、伊吹が楽しめたのならまあよしかな。

からの、青井の母ちゃんとの遭遇! そうか、母ちゃん、好みか。なぜ紹介しなかったかと問う伊吹に正論で答える青井がもうめちゃくちゃに面白かったです。

そしてラスト。やっぱり駄目だった伊吹。なんでも許してくれるVR女子じゃあ駄目だったんだ。駄目なことは駄目と学ぶ機会が得られなかったせいで、結局駄目で終わってしまいましたね。

2023年9月26日火曜日

『まんがタイムきららフォワード』2023年11月号

 『まんがタイムきららフォワード』2023年11月号、一昨日の続きです。

『異世界サウナへようこそ!~ルナちゃんはととのいたい~』

異世界温泉でも人気のお風呂。スライム湯に異変が。スライム族からの人気がために、スライムのお客が増え、スライム成分が増えてしまったんですね。とろりからどろりに変わってしまったお風呂。べたべたする感触のため、他の種族には向かなくなってしまった。加水するだけでは解決しない。だからといって、スライム湯を撤去するのも望ましいとはいえない。

ちょっとした選択が迫られる事態になっているんですね。

今回はその顛末、解決にいたるまでが描かれました。スライム湯の異変は、多種のスライムの成分バランスの問題だった。それがうまくケアされて一件落着なのだけど、その解決の道筋が、スライム湯をどうしようかというところからではなく、お客様がなくしてしまった大切な指輪、それを探そうと奮闘した結果というのが面白かった。

ひとつことに注目するのではなく、別の方面から協力を取り付け、それが結果的によい方向に向かわせる。この協調にいたる流れもまた、皆の人のよさが見えて大変よかったと思ったのでした。

今回は、この協調や協力、異種族間の相互理解もまたテーマだったのでしょう。素敵なエピソードでありました。

『高瀬さんはドル活に夢中です』

高瀬とみく、ふたりのそれぞれに抱えていた問題、解決に向かう流れができてきましたね。今回はまずみくから。高瀬と話すことで、彼女の中のわだかまりや鬱屈、そうした感情が整理され、なくなっていくところ、大変によかった。POPいやさ江田の争奪が目的ではないというのもわかって安心。むしろあまりにPOPに入れ込んで、踏み越えてはならないラインを越えようとしていた自分に気づけたんですね。

そして今度は高瀬のターン。江田がPOPと思ったから高瀬は固執していたわけではない。むしろPOPとは無関係に、江田という人が気になっていることを、みくが確信にいたった今回。その意識の延長線上に、今まさに高瀬は立っていて、ドール趣味も大切、POPのことも重大、けれどそればかりではなく、江田という人について考えてばかりいる。

ついにそうした感情に気づいたか、高瀬さん。だとしたらその次の動きはどうなる。今、ぎくしゃくしてしまっているふたりの関係は、どのように落着するのだろう。願わくば、双方しあわせになれる、そんな展開があればと思うばかりです。

『しゅがー・みーつ・がーる!』

カンナと美都、ふたり、約束のホテルビュッフェへと趣きます。はじめての休日デート。カンナもしっかりめかしこんで、そして現れた美都の私服のきらびやかさといったら。でもカンナも負けてませんよね。マニッシュなカンナ、フェミニンな美都。すばらしくバランスのいいカップル。素敵なふたりでありますよ。

ホテルビュッフェでは、いつものごとく、カンナが美都の分のミーツを、美都はカンナのためのスイーツをとってくることになるのですが、なにを取ってきてほしいと詳細に打ちあわせたわけでもないのに、相手の好みを考え、ぴったり望みのものを揃えてくれるというのが素晴しかったんですね。カンナも美都も、これまで一緒の時間を過ごしてきた中で、相手の好み、嗜好、いろいろがわかるようになってきている。この互いにわかりあってきているというのが、とてもよいステップになっていました。

そして終盤のこと。わかったつもりになっていた美都のことだけど、全然わかっていなかった。これまでをかけて積み上げてきた前提がくつがえされて、それがカンナにまた一歩先に進ませるための原動力になる。ふたりの関係が、これまでどおりのものではなく、さらに深化することになる、そのターニングポイントとなった今回でした。また美都の側では、若干トラブルを予感させる着信があって、ああ、この休日の内緒のお出かけは、ふたりにとって大きなイベントとして振り返られるものになりそうな予感がしています。

2023年9月25日月曜日

『まんがタイムきららMAX』2023年11月号

 『まんがタイムきららMAX』2023年11月号、一昨日の続きです。

『SAN値直葬!闇バイト』

おお、新規登場人物が。あかりやこよのひとつ下。虫を呼び寄せる才能のあるお嬢さんなんですが、見た目はエレガント、しかし性格はこれでもかと卑屈だな……。蟲野なごみさん。虫が酔ってくる体質というんですが、どうも甘い香りがするらしい。これまでこの体質でずいぶん苦労してきたようで、ネガティブが極まっているんですが、そんななごみを暖かく受け入れようとするあかりが頼もしい。

と思ったら、びっくり人間ショーか! 見世物にして一稼ぎしようとか考えてるのか! さすがあかり、金のためならなんでもします。

さて今回はそんななごみが大活躍ですよ。というか、活躍なの? 血抜きの途中、逃げ出した暗黒ぬいに襲われそうになったなごみを助けた謎の影! って、その直後に名前が出とるやん! まさかまさかのベルゼブブ来店に店長大喜びですが、そうか、ここの顧客ってこういうのなんだ。というか、宇宙的恐怖に土着の悪魔が出張ってくるとか、こういう対立関係もあるんですね。

しかしこうしてベルゼブブの比護を受けるなごみ。このヤバい店でも大丈夫そうですね。なんとか生き抜いていけそうで安心しました。

『瑠東さんには敵いません!』

まさか終わりに近づいていたとは! 周囲の皆に素の自分を見せていこうと思った矢先に、和村と間違えて失敗してしまった瑠東。さあどうする、どうなる!?

一瞬緊迫したものの、特に問題とはなりませんでした。むしろ、かわいいと大好評。皆がむらがり、ちやほやされる瑠東を見て、ああ、これで自分はお役御免とひっそり消えていく和村。和村は、自分がなぜ瑠東から選ばれたのか、その理由がわからなくて、自信を持てずにいる。瑠東を前にして、なぜ自分なのか、その理由を聞き出したいのに、素直に聞き出せない。

自分自身の思いを明らかにできないからこそ、強く聞けない。瑠東もまた同じ状況に陥って、双方がともに踏み込めずにいるというのですね。

次号最終回です。ついに明かされる瑠東の過去。今では人気ものの瑠東だけど、昔は、小学生時分は嫌われていた!? 瑠東にとって和村が大切なのは、その時の経緯にあるのだろう。その事実がついに明らかになる、和村が知ることとなる。

最終話、心して待ちたく思います。

『リリカお嬢様に振り回される!』

お、終わってしまう……。

リリカの父から永野に話があるというのです。いわく、家政婦をやめてもらいたい。その理由は、ずっと家を空けていたことを反省し、娘リリカのそばに実父である自分が寄り添いたいから。自身のこれまでを反省し、そのような判断にいたったというのですね。

その話にショックを受けるリリカ。いや、まあそうだよね。永野のこと、なんだかんだゆって好きだったもんな、リリカ。

ショックから自室に引き込んでしまったリリカに、そっと話しかける永野。リリカとの暮らしが終わることを寂しく思っている。感情を爆発させるリリカの思いを受け止めて、静かにさとし、そしてもう友達だからいつでも会えますよと。だからまずはお父様の話を聞いてあげてほしいと。

父の決断は、リリカと永野の関係を見てのものだったんですね。そして最後に父が見せた計画案。リリカと永野が驚いたその書面にはなにが書かれていたのか!?

次号最終回。その父の申し出に、リリカのしあわせに繋がるなにかがあればいいなと思います。

2023年9月24日日曜日

『まんがタイムきららフォワード』2023年11月号

 『まんがタイムきららフォワード』2023年11月号、一昨日の続きです。

『球詠』

ヨミの球を受けているキャッチャー詩織。組んでみてどんな感触かと珠姫から聞かれてヨミが答えるには、なんか引っかかる感じがする。配球はほぼ珠姫と同じ。なのに違うと感じる。その違和感の正体はなんなのか。

詩織、状況をよく見て、珠姫ならどうするか、ヨミにどの球を投げさせるか。いろいろ考えて、わりと当たってはいるんですけど、ヨミの強烈に曲がる変化球を受けきれず体で止めるなど、かなり無理しているように見える。なのに、それでももの足りなく感じている詩織。やはりヨミの真価は球姫じゃないと引き出せないってことなんかな? ともかく、詩織、もやもやとした気持ちを抱えているのは確かで、それはヨミの球にもの足りなさ感じているから? そして、くそやろーを意識しすぎているがため!?

今回はこれとなにか判明するまでには至らなかったのですが、エピソード終盤に連続して打たてれしまい、ヨミの球を初見で!? 動揺が走る。この状況、いったいどういう局面に踏み入れようとしているのか。ここに、詩織の抱えているもの、見えてきそうでありますね。

『スローループ』

まっさか、こんな落ちになろうとは思わなかった!

ついにマグロを釣り上げた小春! 釣果はなかなか! 今夜の食事は、小春たちの釣り上げたマグロづくしとあいなって、この誇らしさ! 寿司だ! 刺身だ! カルパッチョだ! 小春たちのテーブルには、トビウオの刺身の追加もあって、おお、大将! この小春との心の交流よ!

いやあ、まさに充実の修学旅行。ずっとギクシャクしていたひよりとの関係も、釣果がためか、旅先の魔法か、ふたり落ち着いて話しあって、小春からの謝罪、言葉にはしないもののひよりからの感謝、そうした気持ちのゆきかい、もとどおり、いや最初以上にその仲は深まって……。

と思うに決まってるじゃないですか! なのに、まさかここで小春さん、恋先生、いやさ恋お姉ちゃんに嫉妬! かくして姉離れしてもらう宣言飛び出して、いやああ、まあったくこんな展開予想しなかったよ!

ほんと、最後の最後にがーんとやられて、最高でした。

『ネコかぶりアンコール!』

牧奈に弱みを見抜かれた音子。その秘密を守るためには、演劇部に入らなければならない。なんて話に持っていかれた音子だけど、考えてみればどうも釈然としない。もうちょっと考えさせてもらおうと思いきや、もはや状況がそれを許さなかった!?

学校に着いて即問われるは昨日の惨状。先輩相手に怒鳴り散らしていたのはなぜかと問われて、しまった、まずいぞ、見られてた!? 牧奈参上、演劇の稽古だったとごまかしてくれたはいいけれど、どんどん既成事実を積み上げられてしまう音子。まずい、まずいぞ、演劇部に入っていることが前提となってしまった。

さらに牧奈にいわれるままについていけば、そこでも再び目撃者情報。ごまかしはしたものの、目撃者がどれだけいたかは判然とせず、いちいち否定してまわるなんて不可能。

しかしそれを可能にする策がある! と、もう完全に牧奈のペースに引き込まれてしまっていて、これはもう音子、観念するしかないのか……。

いやもう、完全に牧奈が上手でした。でもこれで一度舞台に乗ってしまえば、もう後には退けない一本道だよ!? って、いやそういうことはないか。でもたとえそうでも、牧奈の策にがんじがらめにされてしまって、音子に逃げ場はもうないのではと思わずにはおられない事態です。もうしばらくは音子のじたばたが見られるかも知れないけれど、いずれはおとなしく状況を受け入れざるを得なくなりそうですね。

『魔法使いロゼの佐渡ライフ』

故郷の植物、ヨーラメの花が佐渡に由来するものだったと知ったロゼ。すっかり気落ちしてしまって、もう二度と戻ることはないと思っていた故郷との繋がり。それを示唆する情報を得るごとに曇る気持ち。けれどそれを紗菜には秘密にしていて……、でもちゃんと紗菜はわかってくれていたんですね。

なにか無理してるんじゃないか。そう思って問い掛けてくれた紗菜。その親身になって心配してくれている様子に、かつて交わした約束を思い出してトビシマカンゾウがロゼの世界にもあったと話してくれたんですね。ヨーラメの花と呼ばれていた。そのヨーラメという響きに聞き覚えがあるという紗菜。そして以前からロゼの箸づかいや正座について不思議だったと続けて、そこからロゼと自分たちとの世界にかつて交流があったと推察し、それを素敵なことといってくれたんですね。

佐渡とエトワールの繋がりにネガティブな感情を抱いていたロゼでしたが、自分とロゼの出会いも必然だったんだという紗菜の言葉が、ロゼの気持ちを軽くしてくれた。同じ情報でも、状況自体はなにも変わっていなくても、受け取りかたひとつでこんなにも印象が違ってくる。すっかり表情も和らいだロゼの様子には一安心でした。ここからさらに佐渡とエトワールの縁を知ることになるのかも知れないけれど、紗菜がいてくれたらきっとロゼは大丈夫だろう。そう思えた一件でありました。

2023年9月23日土曜日

『まんがタイムきららMAX』2023年11月号

 『まんがタイムきららMAX』2023年11月号、一昨日の続きです。

『ギャルとネクラの吸血関係』

いよねに声をかけた影出ゆうのなる人物。その名前からするに、陰口をきく人なの!? なんだかいよねが警戒して逃げ出すのもわかる、と思いきや、最後まで読むとわかるんですね。そうか、まったくの誤解。いや、過去のゆうのが素直になれなかったがためのすれ違いとでもいうべき関係であったのですね。

しかし今回は中学時代のいよねについて語られて、いやいや、地味だなんだっていわれてますけど、可愛いじゃないですか! そうか、まくるへの共感、それは彼女自身の過去、それが大きかったんだなって強く意識させられた過去話。それだけに、まくるのいよねへの感情の高まり、それもしみじみ共感させられるものあって、ああ、まくるはいろいろしくじるけど、言葉選びとか、でもいよねのこと、本当の本当に親身に感じている。そしてそれはいよねがまくるに向ける気持ちあってのことなんだなって思わされたのでした。

最後に解けた誤解。素直に謝ってくれたゆうのと、かつて思っていたこと、本心が語られて、ああ、わだかまりもなくなりましたね。まくるはちょっと空回りみたいになっちゃいましたけど、その頑張りはちゃんと評価されて、ええ、まくる、とてもよかったですよ。いよねへの思い、しっかり伝わっていました。

『マグロちゃんは食べられたい!』

なぎさとの意思疎通が失敗して、姿を消したカジキ。それを受けて調子を崩しているなぎさですが、それでもあえてカジキの意思を尊重しようとするなぎさ。それはそれで正しい振る舞いかもはしれないけれど、あのいきさつを垣間見た読者としては、決して正論的な正しさだけが正解ではないなあと思わざるを得ないのでした。

そして、同じくドライなまぐろ。あまりに人情に欠ける言動に、人の心はないのかと怒るみさきですけど、人じゃないんだよなあ。やっぱりまぐろに関しては、他の子たちよりもより一層に大きな隔り、感情や文化のギャップがあるように感じる。この攻略はなおも難しそうだぞ、そう思わないではいられない一コマでありました。

さて、カジキについて、なんとか探そうと動きはじめるみさき。さしみにも協力をあおいで、そしてなぎさの説得。サンマを七輪で焼きながら、自分の感じてきたこと、それを伝えていく。そしてついに引き出されるなぎさの本心。正論的正しさとは別に存在する、彼女自身の感情、カジキへの思いがにじんで、ああ、これは胸に迫ります。今まで、こうした意思と感情のアンビバレス、経験してきたりしなかったのかな。だとしたら、持てあましてあまりある感情の大きさ、扱いづらさに苦しんだことだろう。

それだけに即断行動のみさきの存在、どんなにか頼もしく思えたことだろう。ええ、なぎさ、この一件をもって、ひとつ先へ進めそうですね。

『白魔導士はゾンビの夢を見るか?』

研究所跡に現れた巨大尾つきゾンビ。以前遭遇した尾つきとの経験で、これも俊敏な動きを見せるのではないか? 警戒するジジでありますが、よかったこいつは動きがゆっくりそう。しかも注意力も散漫で、ちょっと物陰に隠れれば簡単に見失ってくれる! と思ったら、嗅覚が優れとるのか!

戦うことは決まっても、いかにして攻略するか。逃げ場がないと思われたドームから、隙をついてそのまま走って逃げられたのは僥倖! けれど問題はここから。戦うと腹は決まった。あとはその方法だけ!

自分の運のよさに賭けるアヤが頼もしいといっていいのか、あるいは逆に不安にさせるといっていいのか。自分を囮にして、灯台に登ったリルーのもとに尾つきゾンビを誘導。巨体の頭部狙いでレサナを使うという作戦を決行。しかし、緩慢と思われた尾つきが、まさかこんなに俊敏に尾で攻撃してくるだなんて!

アヤ、あわやという事態に追い込まれ、これどうすればいいのか、もう逃げ場はないのか。そこでついに動き出したトモリン。ああ、これまでずっと抱いてきた罪悪感や後悔の念もすべて、この思い切った行動をきっかけに、レサナの光とともに消えさればいい。そう思わせてくれる、名シーンだったと思います。

その場にいたひとりひとりが、自分にできることを精一杯やってみて勝ち得た結果でした。薄氷を踏む、そんな思いもしたけれど、これが皆にとってこの世界を生き抜く自信になればと思うばかりでした。

いや、それで、あたし運良いから! とかいいだすと心配なので、自信もそこそこにしていただきたく思ったり!

2023年9月22日金曜日

『まんがタイムきららフォワード』2023年11月号

 『まんがタイムきららフォワード』2023年11月号、発売されました。表紙は『球詠』。ヨミと詩織、ふたりが作戦会議中? 内緒ばなしするように顔を近づけて言葉を交わしているのですが、ヨミの明るい表情、会話でもリードするかのような雰囲気は、その性格のものか、あるいは先輩という関係性あってのものか。対して詩織の、ちょっとおずおずとした感じは、遠慮かあるいはやはり性格のものなのか。わからぬながらも、こうして交流しながらできあがっていくバッテリーの関係というものを思わせてくれる表紙であります。

今月は新連載が1本、新規ゲストが3本です。

『映画と夏と強引な先輩』

映画サークルに所属する主人公。異性の先輩との距離感に悩んでいる? いや、翻弄されているというんですね。

友達のいない主人公。またサークルにも人が集まらず、先輩とふたり微妙な映画を鑑賞するのが常? マイナーそうなサメ映画を観ようとした先輩。ところがそいつが見つからず、それなら前回ウチで見たじゃないですか、というので、ふたり主人公の家にいくというんですね。

先輩との距離の近さにどうしてもいろいろ意識してしまう主人公。そこに泊まっていってもいいかと意味深な申し出があって、これ、ウチのクーラーが壊れたからという説明をそのまま受け取っていいのか。あるいはそれは方便で、実は……、みたいな話であるのか。

このあたりの先輩の思惑が、これと明確にされないことで、主人公側の煩悶する領域が広がっていたと思いました。これがたとえばそういうジャンルの漫画なら、そういう展開になって、といいたいところですが、残念ながらフォワードはそういうジャンルじゃないので、そういう展開にはならなかった。とはいえ、先輩の意図はどうだったんだろうか。好意のベクトルは主人公から先輩にのみ向いているのだろうか、などなど、そうした含みのある展開になっていたと思いました。

『いなりの恩返し』

キツネを助けたら、人の姿になってお弁当を届けてくれるようになりました。キツネ、いやさキツネ娘の秋吉いなりの恩返し。のっけからお重にたくさんのいなり寿司。その量にひるまず、がんがん食べる黒谷空子も頼もしい。

そんなふたりの交流の様子描かれたのですが、ついつい尻尾を、耳を出してしまういなりを都度都度助けて守ってサポートしてくれる空子がやっぱり頼もしい。その空子のいなりに向ける感情、ないしは共感が、ふたりの交流、そしてその先の空子のモノローグによって明らかになるところが大変よかったです。

人の世界への憧れと、そこでの暮らしを楽しむ気持ち。それがただいなりのものだけではない、ふたりともに共有しているものだと知ることのできたのは、ひとえに読者の特権であったと思いました。こうしたことにいつかいなりは気づくのか、そうした先の広がりもまた感じさせてくれた。これもまたよかったです。

『逆異世界転移』

漫画家志望の主人公。ファンタジー路線で描いているというのですが、リアリティがないからと連載会議を勝ち抜けない。ファンタジーだからそもそもリアルじゃないと怒っていますが、リアリティというのは、それありそう! って思わせるもっともらしさ感よ?

というのは置いておいても、どうにもこうにも迷走のとまらない主人公です。魔法少女や魔女のコスプレをしてみたり、さらには謎の同人誌に載っていた召喚呪文を試してみたり。と、そうしたらなんとまあ、異世界から謎の存在がやってきたというんですね。

その正体は、ぐーたらな生活を求める妖精? シロヌ。見た目可愛いシロヌに、あれやこれやと衣装を着せたり魔法を使わせたり、そしてその欲望のままに突き進んでみたら、描いてる漫画のジャンルが違ってしまった!?

どうにもうまくいかない主人公ですが、それでもシロヌとの生活は楽しいものになりそうです。漫画家として大成するかは別として、シロヌとどんな生活を送ることになるのか、そこに新たな経験や楽しさ、面白さなんてものが芽生える可能性を感じさせるラストでした。

『オールドヨコハマラジオアワー』

楽しみに聞いていたラジオ番組が終わってしまった。あまりのショックに打ち拉がれる主人公。ところがラジオ番組終了を回避できる可能性を手にしてしまい、って、これ、タイムリープものなのか! 想像もしてない展開きちゃったな!

番組終了の理由。リアルイベントのグッズ売り上げが奮わず、予算が枯渇してしまった。ラジオのパーソナリティがいってた理由を真に受けて、過去の世界でグッズ買いまくってみたのに、終了の未来は回避できなかった!

いや、これ、まいったな。自分もこれで回避できるんかなと思ったもの。表向きにできる理由と本当の理由は違うってやつかあ。してやられたなあ! というので、他の理由を探して見つけて、トライして、それでうまくいくかと思ったら、鍵となるオンゲーがサ終!

いやいや、これ、今度はオンラインゲームの存続のために動くことになるの? どうなの?

つっこみどころも含めて楽しめた漫画でした。今後も番組終了回避のために動いては徒労に終わる、その繰り返しになりそうで、いずれ主人公は魔女になってしまうのでは? なんて思ったりもした新連載でした。

2023年9月21日木曜日

『まんがタイムきららMAX』2023年11月号

 『まんがタイムきららMAX』2023年11月号、昨日の続きです。

『ばーがー・ふぉー・ゆー!』

大変だ! こむぎが透と急接近! 零のいない隙に風邪をひいた透を訊ねるミッションにおもむいたこむぎ。ただ書類を届けにいくだけのはずが、透の看病まですることになって、大変だ、こむぎと透が大接近!

こむぎの無邪気なふるまいが透の心を揺り動かして、これは進んではならない恋の道行がいよいよはじまろうというのでしょうか。となればハードルは零。兄の裏切りに、あるいは兄に言い寄る害虫に、正気を失った零の魔の手が!? と思いきや、零とこむぎ、ちゃんと仲良くして、ああ、このふたりこそ進展してほしい。

ところでですよ、今回大きな秘密が明らかに! こむぎのやりこんでいるゲーム、バガスピを作ったのが透と判明! ということは、やっぱりピ・クルス様は透なのでは!? こむぎが真実を知るにいたったのですね。ただまだ深堀りするまでにはいかず、これは今後の課題? いずれにしても真相に近づきつつあるのは間違いないですね。といいつつ、仮に真相を知ったからといってどうなるというのか。そういう疑問もあるんですよね。謎の展開です。

『コンビニ夜勤のあくまちゃん』

恵方巻きの話題です。いつになくやる気のタダ。負けず気力みなぎらせているクルーたち。してその心はというと、勝ち取るぞハワイ旅行でありますか!? え? いったいどういうこと!?

なんと、販売数1位になったら店舗クルーまとめて全員ハワイ旅行にご招待なのでありますか! いや、これ、実際のところそういう施策やってるコンビニってあるんですか? あるんだったらびっくりだ。しかしこれ、店の立地にも左右されるから、狙いたくとも不可能って店も多そうですよ。

傘松からの電話を受けて青くなるタダです。なんと今年のノルマ、1000本! む、無理では? さすがに怯むところが、ハワイ旅行と聞いたら話が違ってくる。とたんにやる気を出して、かつ傘松からのアドバイスを受けて自腹でインセンティブを提供するタダですよ。

いやほんと、コンビニ店長とかやるもんじゃねえなあって、この漫画読めば読むほど思う。無理かと思われた恵方巻き1000本のノルマを達成して、やったじゃん! そうは思うのだけど、今年1000本売ったってことは、来年は2000本ですか? それとも3000? いやな予感しかしないのですよ!

残念ながらハワイ旅行は逃したけれど、伸び率の高さから特別賞として沖縄旅行がプレゼント! ということは次回は沖縄回ですか!? と思ったら、いくとしたら次のタダの夏休みあたり!? これは相当先の話。沖縄は忘れた頃にやってきそうです。

『ぬるめた』

台風の話題? 暴風警報を受けて午後休み。早速帰宅するくるみだけど、頭から出てくる傘、見事にぶっこわれてしまって、収納できなくなってしまいました。いや、やっぱりこういうのはセパレートじゃないといかんよね。懐かしのテレビデオだったら、ビデオが壊れて修理に出したらテレビも見られんとか、一体型で便利になるものあれば、なにかあった時に不便になるものもあって、くるみのヘッド一体型傘はまさしくその後者だったようであります。

ずぶぬれで帰宅したくるみ。傘が収納できないから急遽頭をハズして修理することになるのですが、やっぱりセパレートは便利だな……。というわけで体だけ風呂に入るというんですが、一緒に入ろうとしたこごめが首なしボディ目の当たりにしてちょっとひいてるのがリアルな感想というかなんというか。でもってしまいに喧嘩するとか、もう君らいい加減大人になって落ち着きなさいな、なんて思わせる仲良しっぷりでした。

そして後半は、台風の日の皆それぞれの様子。そうか、さきなは低気圧あかんのか。しゆきは、お母さんの方がおとな気ないんだね!? そして負けず嫌いのこごめ。でもなんだかんだマイペース、ひとり先に寝ちゃったりね、その寝顔、寝姿、とても可愛かったです。

2023年9月20日水曜日

『まんがタイムきららMAX』2023年11月号

 『まんがタイムきららMAX』2023年11月号、昨日の続きです。

『てくてくっ!秘密リサーチ』

前回、ひぐれと再会したたからが合流しての水道発祥の地めぐり。東京の水道の歴史を辿ろうというのですが、場所は新宿。新都庁がある、あの場所だそうですよ。

最初は蝶形弁の見学から。これ、どこにあるんだろう。ビルが描かれてたから、待ちあわせ場所だった新宿住友ビルの中にあるのかな? と思ったら、違うんだ。ビルの前なんだ! 発祥地の碑と一緒に置かれてるというんですね。

新宿一帯が淀橋浄水場という大きな水道施設だった。掘った土で築かれた人工の山があったり、そこに残る旧浄水場時代の施設に立ち寄ったりと、これだけでも面白かったのが、東京都庁の展望室から眺めるくだり、これが本当によくて、そうかあ、浄水場跡と元市街地とで区画の大きさが全然違うんだ。

こういう知識があれば、ずっと以前に登った新都庁、そこからの眺めはきっと違ったものになったと残念に思ったのでした。

知識がある、知っているということは、ただ目に映る景色をさえ変化させるものなのです。ええ、この漫画は、その知るということの楽しみをよくよく伝えてくれるのですよね。

『性別不明な殺し屋さんがカワイすぎる。』

つくしの身を心配して、近所のスーパーにもついてくるユーリ。そうそう殺し屋に遭遇するわけが、とか思っていたら、速攻でサツキと遭遇。いやさ、今はメイメイモード。可愛く友好的なんだけど、サツキといったらさりげに凄んでくるんだ……。仕事とプライベートをきっちりわけるタイプの人なんですね、メイメイさん!

しかし殺し屋だなんだと物騒な職業だけど、ずいぶん暮らしは庶民的というか、スーパーの値引き談義でつくしと盛り上がったり、で、もうひとりの殺し屋ユーリはというと、お菓子100円までといわれて喜んで選びに走ってる。

ほんと、この様子だけ見れば殺し屋だなんだっての忘れちゃいますよね。

でも、笑顔の影に組織の人間としての意識を隠しているサツキです。一緒に鍋を囲むんですけど、特に特別なわけでもないつくしの料理がおいしい。そこににじむ感情、求めているもの? 得難かったもの? 気持ちの充足する様がいいなあと思ったのですね。

で、ここからがえらいことに! 倫の乱入からの、手持ちの食材無許可で投入! ええっと、それはいったいなんですかい!? と思ったら、虫! 虫かあ! ユーリもメイメイも平気で食べてるけど、全然平気でないつくしがめっちゃ気の毒で、いやあ、自分もつらいなあ。ほんと、殺し屋だ組織だといってる人よりも、ただの普通のはずの隣人の方がヤバいってどういうことなのか。

そしてメイメイとつくし、お酒を酌み交します。この情景、ふたりの気持ちが素直にゆきかうところ、素敵だったなと思ったのですよ。ふたり、いい友達になれそうですよね。

『さうのあっ!』

こかげの家に皆がやってきます! 本当はひとりの時間を満喫したかったのに、リューディアに皆でいってもいいかと持ち掛けられて、だったらきっぱり断わったらいいのに、家の人がいいといったらねなんていっちゃったから、断われなくなってしまいました。母に駄目だよねと駄目押しするこかげの健気な奮闘! でも、お母さん、めちゃくちゃ乗り気で、やっぱり断われなくなってしまったのでした。

しかしこのお友達訪問、面白いわ。皆と一緒に素顔のこかげを知ることができる。部屋はきれい。いい香りもするっていうの、そうか、ちゃんとしてるんだこかげ……。ごめんよ、誤解していたよ……。

アロマが好きだったり衛生にも気を配っていたり、そうかあ、風呂嫌いだからそのへん無頓着なんだと思ってた。ごめんよ、誤解していたよ……。

そんなこかげの風呂話。というか、お母さんの苦労話が面白くて、無理矢理に風呂にいれてたんだ! 苦労なさってたんですねえ! からの、やっぱりみんなでお風呂にという話になるのはお約束。むしろ、このメンバーが集まって風呂に入らないとか、こかげさん、考えが甘うございましたよ!

でもって、最後にお母さんからの駄目押し。娘の風呂ライフをサポートするという申し出! おお、お金じゃなくて回数券で提供なんだ。さすがです。お母さん、よくわかっています。

2023年9月19日火曜日

『まんがタイムきららMAX』2023年11月号

 『まんがタイムきららMAX』2023年11月号、発売されました。表紙は『わからせろ!ナマイキツネ様』。桜子と壱与がふたり揃って登場。身を寄せあって、手はキツネ。この様子、本当に仲がよさそうで、いやあ、これだけ見ていたらまさかキツネ耳のゴスロリ美少女が隣の巫女から日々こらしめられ、おしおきされ、わからされているだなんて思いもしないことでしょう。ということで、今月は巻頭カラーで登場。安心してください、のっけからおしおきされています。

『わからせろ!ナマイキツネ様』

今回は海が舞台。壱与と阿古町で夏休みと称して海水浴にいったのはいいものの、悪癖、イタズラが祟って神社にクレーム。天敵桜子を呼び寄せることとなってしまったのですね。かくして冒頭、のっけからこらしめられる壱与ですが、まあこのへんは自業自得ですよね。

今回地味に面白かったのは、マカロンの趣味嗜好、桜子に対するこだわりD☆Vポイントでありますよ。もっと太くてもいいくらいっていうの。確かに見れば、腿から腹から感じる、ほのかなふくよか感。となりのコマのマカロンと比べるとそれが非常によくわかるようになってるのが、桜子にとって逆風というやつでありましょう。

そして壱与に煽られる刑部ほのか。いや、ほのかはそのまんまでいいと思う。むしろ冒頭のアイドルは根性Tシャツが最高でした。

今回は(も?)、こらしめにはじまりこらしめに終わったわけですが、ビーチバレー対決にて壱与の策謀。阿古町にズルを持ち掛けるのはいいとして、まずは阿古町にルールや加減というものを覚えさせておく必要があったようですね……。ええ、これを策士策に溺れるといっていいのか、それ以前の問題といっていいものか。もろとも一緒くたにおしおきされてる阿古町がちょびっと不憫でありました。

『アイドルビーバック!』

就職活動に精を出す朝子様。なんだかんだであんじゅの相談に乗って、アドバイスしてと、まるで頼れるマネージャーの様相です。あんじゅの妄想と思われていた黒川椿、ブラックカメリアPとも面談して存在を確認。新曲の出来も確認と、前提条件がだんだんできあがっていくのを目の当たりにしながらも、アイドル復帰には消極的。他の元アイビバメンバーも同じような感じみたいですね。夢破れて、あるいは次の夢に移っていって、今の状況がかっちり固まってしまったら、もとのグループに復帰するのもそうそう簡単ではないってことなんでしょうね。

ということは、朝子は就職が決まっていない今の状況が勝負か。就職が決まってしまえば、もうアイドル復帰は望めない。なんとしても、はやくその気にさせるんだ! じゃないと、あんじゅの暴走がとまらないよ!? 大きなイベント、大きな会場に突撃していくあんじゅの暴挙を聞かされて、瞬間青くなる朝子。今のあんじゅには、常識人の朝子が必要なんですよ。

とはいえ、常識人だからこそアイドルという夢を追うのではなく、地道な暮らしに舵を切ろうとしているのでしょうね。なかなかうまくはいかんものです。

最後の頼みの綱は、アイビバ最後の3人のひとり、慈雨の復帰。そう思うも、今慈雨は新しい事務所での打ち合わせ中! なんと、カウンターで握ってもらうお寿司ですか! この状況からいかにしてこちらに興味を持たせる!? いやもう、あんじゅ、逆風すぎる! いかにして光明を見出そうというのか。ハラハラの展開ですよ。

『エイティエイトを2でわって』

ほのぼのとしていい漫画だなあ。はじめてのピアノ連弾で気持ちが高まっている来夢ゆず組。対して我らが主人公、美弦たちはというと、若干よくなってきたとはいえ奏さん、まだまだ不満そうですよ。力は確かに抜けてきた。だが今度は抜けすぎ? なんとまあ。美弦はいろいろ加減ってのが下手っぴそうだもんなあ。いずれ、またなにか経験したり共感したりすることで、新たな境地に達することを期待でありますね。

眠れない奏です。隣りの美弦はどうかというと、寝惚けて布団を蹴り上げとりますがな! でもって、謎の寝言がデカすぎる! あまりにわけがわからなすぎるせいで、共有リビングに退避してみれば、そこには来夢が。緊張ではないけど気持ちが高ぶって眠れないというのですが、そんな来夢との即興パジャマパーティー? しかもそこにゆずまで加わって、あとは美弦だけかと思ったら、あー、起きてこないのか。

これまでの頑張りを振り返ってみたり、これからのことを思ってみたり、なんか静かで、それでいてわくわくさせてくれる、そんな時間が貴重でした。

そして一夜明けたら、いよいよ音楽祭当日です。出番まで、学校の仲間が出場するステージを応援しにいきましょう。なんて素敵な提案があって、ああ、前回出会った彼女らの演奏が披露されるのかな!? ええ、すごく楽しみです。どんなパフォーマンスになるのか。その演奏に触れた美弦たちがなにを感じるのか。わくわくとさせられて、待ち遠しいのです。

2023年9月18日月曜日

今日は休みます

今日は休みます。

2023年9月17日日曜日

今日は休みます

今日は休みます。

2023年9月16日土曜日

今日は休みます

今日は休みます。