『まんがタイムきららキャラット』2014年5月号、増税のせいだっていいますね、発売日、一日はやくなって、昨日に出てたんです。表紙のイラストは『キルミーベイベー』、ソーニャちゃんとやすながトランプの柄になって、おお、このきっぱりとした色あい、コントラスト、図柄、まさしくトランプであります。キング? ではなしに、SとY、ふたりのイニシャルがあしらわれています。ふたりともに王冠かぶって、ソーニャちゃんは剣、やすなは銃を手にしていて、かっこいいソーニャちゃんと、どことなくコミカル? そんな雰囲気ただようやすな。ええ、ふたりの個性も健在です。
今回は新規ゲスト多めですよ。なので今日は新規ゲスト特集です。
『さん・さん・さんっ』は、さびれゆく商店街でありますよ。ヒロインひなたのお家はお花屋さん。けど最近お客さんがこない。こんなんでお店大丈夫かなあ。心配してるんですが、その原因というの、近場にデパートが出来ちゃったからっていうんですね。その情報を持ってきたのがキョーちゃん。八百屋の娘さん。いつもは出ない売れ残りが出てしまってショックを受けてる。このままでは商店街の未来はないのではないか。ひなたに杏、そこに雑貨店の子、万桜が加わって、三人娘、商店街の復興に向けて頑張ろうってことになるんですね。万桜、まーちゃん、いつかアイドルもしくは歌手にって思ってるらしい。自分の魅力で集客アップ! とかいってる。でも現実は厳しくて、昔よく通っていた駄菓子屋さんは店じまい。ああー、切ないよなあ。自分も、ついこないだ、行き付けのゲームショップが店じまいしちゃってショック受けたんだ。ほんと悲しい。ひなたのいう、あの頃がよかったねマップ、ほんと、胸中にしっかりと残されていて、思い出すだに悲しい。だから、この子たちの頑張り、具体的になにをするかはまだ決まってないんですけど、それがうまくいってくれると嬉しい。そう思うんですね。ああ、そうそう。ひなたのマップ、杏の店が潰れてることになってしまってた。それを見た時の杏の顔、あの鬼気迫る感じ、見事でした。
『けもみみパンデミック』は、おおう、けもみみ、けもしっぽ、これ、デフォルメ描写ではないのか。とある科学者の悪魔のような研究、その失敗によって、人類の約半分がけも化してしまった、というんですね。それが5年前。その科学者、久慈川桐子は今は校長兼理事長をやっていて、その学校に通ってるのが我らがヒロインであるんですね。嶺岡羽菜、けもみーです。ハナの友達、大扇椎奈に駒蕗乃。けもみーです。そんなけもみーの中におば都合で放り込まれた伊吹海莉、彼女の新生活が始まります。いえね、いきなり、ろくな説明もなしに転校させられたり、寮に放り込まれたりと大変なカイリの状況に、他の子たちが全然驚かない。あの理事長のすることだからと普通に受け入れていて、これがほんとおかしかったです。しかし理事長の目的はなんなのか。そのへんはまだわからんのだけど、カイリとハナたちは仲良くなれそうで、彼女らの関係、それはなかなかによさそうですよ。
『へんてこバスと飴玉くるり』は、すごいな、ファンタジー色がすごく強い。あのイラストの雰囲気、すごくいい。色合いもまた魅力的。そう思っていたら、なんてこった、これ、大阪梅田が舞台なのか! 飴咲くるりなる女の子が、大阪梅田から旅立っていきます。不思議な不思議なバスの旅。吉野さんというお姉さんにいざなわれて、月光号に乗車するというんですね。しかしこの月光号、4階建て、でも2階以上は普通の家みたくなっていて、バスの旅かつひとつ屋根の下、個性的な人たちとの生活がいとなまれる、そうしたものになりそう? 月光号、パパとの思い出のバスなんですね。小さなころ、パパから話を聞かされて、ずっと憧れに思ってきた。今、そのバスに乗って、くるり、おとうさんに会いにいくっていっている。長い旅、バスが淀川を渡ると、そこはもうすでに日本から離れた不思議な世界。どういう話になるのだろう。しかしこの雰囲気、すごく引き付けられます。すごく期待が膨らむんですね。あ、そうそう、このあとおっこちそうになる、このキャプションにはくすりと笑わされましたよ。
『し、のたまわく。』、これ面白いな。ヒロイン三人、皆論語に長けたお嬢さん。春眠、無口なんだ、そう思ったら、すっかり寝ている。子曰わく「剛毅朴訥仁に近し」、かくして静かに寝ている。それが春眠。つっこみ役が柳。そこに向井が加わって、この子も寝る。でも、柳も寝るんですけどね。この子らの行動、発言、そのベースには論語があって、剛毅朴訥の他にも「学は及ばざるが如く」、「巧言令色鮮し仁」、ぽんぽんと出てきて、そこから話が広がっていく。なんでもずばずばいっちゃう春眠。その直球発言に傷ついていく柳。春眠に悪気はなかったんだけど……。それを向井がたしなめて、ええ、それぞれがその持ち味でもって、いろんな役割自然と受け持って、三人のバランスはとれてるんだなあ。そういう感触しっかり残って、「己の欲せざる所人に施す勿れ」、向井の指摘に反省、お詫びのお菓子、それが逆効果。でも、三人、いい関係だと思いましたよ。春眠はじめ、皆魅力的。絵もすっきりとして可愛くて、そこに論語がはいって引き締まる、そんな印象。これは期待される。気に入りました。
- 『まんがタイムきららキャラット』第10巻第5号(2014年5月号)
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