『まんがホーム』2014年4月号、先日の続きです。
『200年の夜と孤独 — おひとりさま吸血鬼』。月夜野さんと花だそうですよ。夜に生きる月夜野さんにとって、花はなかなかお目にかかれないものなのだそうです。なので、お彼岸が嬉しい。店頭に仏花が並ぶからというんですね。そんな月夜野さんは夜の墓地に入り込んで花を見ている。そんな彼女に勝手に入っちゃ駄目と注意する人がいて、そしたらその人、なんとスカートで飛ぶお嬢さん、カサブランカさんと普通に話ししちゃってるんですね。あれあれ? どういうこと? カサブランカさんは、お供えがいつもカサブランカだからそういうあだ名。月夜野さんはいつも夜に見るからヨルさん。なんか仲良くなってるんですが、実は40年間姿が変わらないと怖れさせていた。なるほど、面白いなあ。吸血鬼のなんの、普通にカムアウトしてて、ああ、皆あの世系の人だったのか。そんな彼女らの死生観。そして月夜野さんのお供え。ええ、こういうコミュニケーション、なんだか不思議と楽しかったです。
『はっち・ぽっち』、春というと引っ越しの季節でもあります。お客さんが何人か、遠くに引っ越してしまうんですね。って、ポチ子の勘違いが酷い! 天国って! ともあれ、お客さんが減るのは困る。ポチ子自身は引っ越しの経験がなくて、よくわからない。店長は経験あるんですね。すごく面倒くさい。その上、開かずの箱が増えていく。うん、実際そうらしいですね。引っ越しをちょくちょくする人だと、梱包といてまた梱包が面倒だから、よほどのことがない限りとかないとか? いや知らないんだけど。寧々子の近場引っ越しの話も。うん、自分も似た感じ。ただ同じ町内ではなかったです。思えば、これが前振だったんですね。サニーの飼い主新子さんが引っ越しするっていう。これは大変だ。サニーに会えなくなってしまう。そう思っていたら、近場の引っ越し。ええ、ちょっとした騒動、ちょっとの不安ののちにきれいに収束。いい塩梅でした。
『歌詠みもみじ』、いいですよ。ちょっと季節を先取りして、雨の頃。川柳大好き山城もみじも、雨をテーマに川柳がすらすら出てくるというんですが、いやいや、これはもはや俳句の領域ではないのかい? なんて思ったりもしたのでした。しかし、相変らずいい感じに展開していきます。川柳をぽんぽんと配置して、それがテンポのよさに貢献してる。漫画もうまく状況とその推移を説明して、いい感じにこなれた雰囲気が大変によかったです。そして先生。あ、『艦これ』なさってる。しかし今回のもみじは踏んだり蹴ったり、いいとこなしといった感じ。けど、川柳がうまくその憂き目を拾って、落ちまでうまく運んだ。ええ、面白かったですよ。
『マチ姉さんの妄想アワー』、面白いなあ。クラスの友達に美人の姉さんのこと知られて、3回まわってワンて言うからその僥倖にあずからせてくれ!! 頼みこまれて、友達が泊まりにくることになったんですね。とはいっても、ページめくればもういつもの妄想アワー。マッチ売りの少女、いかしますよ。あの欲望の発露。恥じる祖母。いやでもまあ、少女の気持ちはよくわかる。うん、欲望とはそうしたものでしょう。抑圧されてればなおさらですよ。さて、白雪姫のお妃、あの検証ネタ、よくこんなの想像するなあ。音楽隊もヘンゼルへの仕打ちも、ほんと、このシビアなのか目のつけどころがいいのか、天才を感じさせて最高です。そして最後に、リョーとトシの友情。いや、もう、なんという落ち。いやもう、ほんと、やっぱり素晴しいです。
- 『まんがホーム』第28巻第4号(2014年4月号)
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