『まんがタイムきらら』2014年4月号、発売されました。表紙は『チェリーブロッサム!』から先輩ふたり。大倉山先輩と綱島先輩。手には水撒きホースに園芸用スコップ、いや移植ゴテっていった方がいいのかな? ふたりともぱっと華やぐ明るい笑顔。なんだか色っぽさよりも、無邪気さ、いたいけさ感じさせて、すきっと爽やかな印象が素敵なのであります。しかし、大倉山先輩、なにか憑き物が落ちたような笑顔。いや、普段なにか鬱々としてるとか、そんなことはないんですけど、色気と意地悪っけのある可愛いお姉さん。そうしたところから可愛さがピックアップされました、そんな感じなんですね。もちろん綱島先輩も、ほがらかで、それでちょっと繊細な感じさせて、可愛いのでありますよ。
というわけで、巻頭に『チェリーブロッサム!』、カラーで登場でありますよ。綱島先輩と大咲が遊園地デート。合宿の時、助けてもらったお礼をしないと、浮かれてちゃダメだ、なんて思ってる大咲なんですが、現われた綱島先輩に驚愕。明るいオレンジ、黄色の系統でまとめたワンピース! だ、誰プロデュース!? めちゃくちゃ可愛いんですけど! なるほど、お母さんプロデュースなのね。本気だな、清火さん。そう思ってたら、怪しい人一号、大倉山先輩もこっそり登場して、おお、憑き物がついたようだ! しかし、あのスタイル。黒のジャケット、シックにまとめて、黒いリムの眼鏡も知的に美しさ演出して、ほんと素敵。誰プロデュース!? さて、可愛い格好しても、やっぱりやんちゃな綱島先輩。その無邪気さは実際この人の魅力だと思うんですが、以前のような野性味よりも、無垢な少女といった可愛さが押し出されるようになっていて、これが大倉山先輩を焦らせる。ほんと、大倉山先輩、もう悪魔とでも呼ぶしかないんじゃないか、あの表情も凛々しくて素敵なんですが、漫画全体としては実によいコメディになっていて、特に後半お化け屋敷での顛末、綱島先輩の本領発揮されたり、彼女のここ最近の行動、その根っこにあった気持ちが語られたり、って、なんといういじらしさ! 胸に迫るよ! そして大倉山先輩の暗躍、あの驚愕のラスト。いやもう、盛り上げて語って、おかしくて、けどその中に情の暖かみ、揺れ動きが感じられる。いいエピソードだと思ったのです。
『悪魔のしっぽ』、ゲストです。ちょっとえっちらしい。全体にやわらかなタッチ、色味が印象的。運動得意な女の子、蜜柑が主人公であります。正義の味方志望なんですね。困ってる人、困ってる動物でもなんでも、いつも気にしてるんでしょうね、見かけたら助けにいかずにはおられない。なんでか? かつて友達の直に助けてもらったこと、それで直を危ない目にあわせてしまったこと、その悔恨があって、助けられる自分ではなく、誰かを助ける自分でありたい、そんな理由みたいですね。現在、直との人助け対決は13勝128敗と負けていて、負けていて!? もはや負け越しというレベルではない! そんな蜜柑に転機が訪れるんですね。助けた行き倒れ。それが人ではなかった。悪魔だったっていうんですが、その悪魔が蜜柑に力を授けてくれた。自分の思いを飛ばすことで誰かを助けることができる。その変わり服がやぶれる。なるほど、ちょっとえっちとはこういうことか。服がやぶれるのは、蜜柑の思いが強すぎるからとのこと。本当の代償は、からだが縮む。若返ってるの? まだちょっとわからないところ多いけど、掲載重ねて、こなれていくともっとよくなりそう。けど、この初回で、蜜柑の空回りしてるところや、直、百合のそつなく気の利くところ、その対比が描かれたところなど、よい感じでした。
『はなまるスパイラル』、ゲスト前編です。なんかぼんやりしてるお嬢さん、あずさはトイレが大好きで、居心地よくするためにテレビに本棚にと、いろいろ設置してる。二年前からトイレに引き込もってるっていうんですね。って、大変だな! よりにもよってトイレって! 亡くなったお母さんからトイレには花子さんが住んでいたと聞かされていた。そして今、まさにその花子さんがあずさの引き込もるトイレにやってきて、オッス、見た目は着物姿の幼女。いいトイレを見けたら住みつくのか。すなわちこれは、トイレをきれいにするといいことがあるとか、美人になるとか、そうした言い伝えにまつわるものとでもいうのでしょうか。花子さん、持ち主をしあわせにするっていうから、怪談というより、座敷童子みたいな感じなのでしょうね。そしてこの花子さん、何人もいる模様。写真にも写って、命日などもある。お母さんのいってた花子さんとは、また別の花子さんなんですね。あずさちゃんの事は、わたしが幸せにしてあげる。そういう花子さんの笑顔。そして窓の外には、お母さんのいってた先代? の花子さんもいて、こちらはけも耳の子。なんらかの関係を持っていくのかな? 後編を楽しみに待ちたく思いますよ。
『Soft☆Karte』、ゲストです。看護師ものですね。看護師カンナはやけにポジティブ。ユウコ先生のことが大好きで、院内を飾り付けてみたり、しかしそれを先生にきっぱり拒絶されたり、その厳しさを、自分を一人前にするために鍛えてくれてるんだ、そう思うようにしてるカンナ。ええ、すがすがしいほどにポジティブです。菊先輩が突き付ける現実、それを耳にいれまいとする、ああ、健気だなあ。ポジティブと現実の相克する、その塩梅がいいですよ。しかし、もうきっぱり無駄といっていいと思うんですが、カンナの工夫、カンナの頑張り、それをにこにこ黙殺否定する菊先輩のクールさ、そいつもいい。いい感じにキャラクターが動いてる、そう思わせるのはやっぱりカンナの押しの強さといいますか、自分に都合のいいように解釈する、そうしたところがうまく機能してたからだと思います。またユウコ先生も、健気なカンナを気にかけてくれている。そういう関係もなんかほのぼの、悪くないと思いましたよ。
- 『まんがタイムきらら』第12巻第4号(2014年4月号)
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