2014年3月23日日曜日

『まんがタイムスペシャル』2014年5月号

『まんがタイムスペシャル』2014年5月号、昨日の続きです。

『みずいろミュージアム』は、本格的に水族館のお仕事描かれて、五千匹のマイワシの補充、って、ええーっ! まさかのバケツリレー!? こういうのは、運搬のトラックから直接水槽に繋がる経路とかあるんだと思ってたら、まさかの職員総出で手運搬だったんですね。知らんかった。この漫画に描かれていることが、どれだけ一般の水族館に通じているのか、それはわからないんだけど、ある程度以上の取材ないし現場の知識があると感じられるところあるから、実際、こうして手で運んでる現場もあるんじゃないかなあって思わされます。でもってイワシトルネード。イワシの群れで思い出すのは、須磨海浜水族園の二万匹のイワシの群れですよ。ゴールデンウィークの目玉だったのに、あっという間に食われてしまって、ほぼ根絶されてしまったって話。いやねえ、もう、小さいとはいえ自然はワイルドです。今回は他にも、魚をどこから調達するのかということ語られて、へー、自分で採集したりするんだ。いやほんと、この漫画にロマンが感じられるから、余計にそう思うのかも知れませんが、魚が好き、生き物が好きという人にとっては、たまらぬ面白さのある仕事なんだろうなあと思わされますよ。

『ゆとりノベライズ』、なんか恋愛の話!? って、全然そんなことありませんでした。というか、むしろ物騒な話っぽくなっちゃってます。小説書く時の基本といってもいいんですか? 経験と取材の話になって、あー、里美さん、恋愛とか駄目なんだ。なんか可愛いなあ。というわけで乙女時代の里美さんがちょびっと垣間見られて、図書室の住人、ちょっと人付き合いが苦手だったのかな? けど図書室でいろんな人の話を拾って、いわばそれが取材だったっていうんですね。セーラー服の里美さんは、女学生らしいふわふわや花々しさとは無縁と見えて、むしろクールなかっこいい系お嬢さん。けど純情! いやもう、やたら可愛いなあ。というわけで、里美と都、このたびの遊園地がお互いに初デートとなりました。って、いいじゃん! むしろふたり、つきあっちゃえよ!

趣味じゃない園芸』は、藤野さんの家で女子会なのだそう。夢見がち女子、藤野。だからあえてリアルは知りたくなかったというのは稲生さんの弁。あー、ちょっとわかる気がする。しかし、私服藤野さんは、なんだか自然にガーリッシュで、可愛いやありませんの。お家は農家なのだそう。大きな家、大きな畑。温室まであったりして、ああ、結婚しましょう。すぐしましょう。けど、藤野さんとしては、この家じゃやなんですね。マナーハウスがいいっていう。って、無理だろ! やっぱり夢見がちなのかも知れません。しかし、温室での藤野さん。穏やかに話すその様子見ると、たしかにお嬢さんなんだなあ。そう思われて、植物園での必死な感じ、あれがきれいに拭い去られて、ほんと、今回は綺麗な、綺麗な藤野さんでした。そして蘭々のハンターの話も少し広がりを見せて、フルーツハンター、失われた品種を探すのだそう。へー、いろいろあるんだなあ。けど、なんか聞いたことあるな。今回は、本当にエレガントな藤野さんの魅力満載でした。そして蘭々に対する稲生さんの警戒。さらに加えて小堀南方組の女子力。ええ、基本もしっかりですね。

『ナースドールまりあ』、最終回なのかあ。四郎、まりあのことを特別に思っていた。そうした話。ああ、今回はまりあの可愛さ、それが大きく、しっかり描かれて、うん、なんだ、よいじゃん、その笑顔もしあわせそう。最後にまりあが人になるとか、そういう奇跡の上乗せはなかった。だから、動く人形、あくまでも人形のまりあとの恋なんですね。でもさ、人形との恋というと不毛にも思えるかも知れないけれど、こうして感情があって気持ちがあって、人を思う心があって、そうした相手と育むものあらば、それはたとえ人と人形といえど、豊かな関係といえるんじゃないかなあ。などと思えて、ええ、急ぎ足とは感じたけれど、それでもいいラストだったと思ったのでした。思えば、恋も愛も、ただ生殖を目的とするのでなく、愛するものとともに生きようという営為であらば、四郎とまりあの関係は祝福されてしかるべきものにほかならない。これからもふたりがしあわせであればよい、そう思ったのです。

  • 『まんがタイムスペシャル』第23巻第5号(2014年5月号)

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