『まんがタイムきららミラク』2013年11月号、昨日の続きです。
『寄り道ファミリ』はさな子のノートからはじまって、ああー、寝ながらだとそうなるよなあ。ちゃんととってるつもりでも、そうなっちゃいますよね。途中で意識が途切れてるさな子のノート、対してお姉ちゃんはというと、板書の速度についていけなくて、やっぱり途中で終わってる。ふたりともにそれぞれの理由、違いながらも結果は同じっていうのがおかしいですよね。そんなお姉ちゃん、史夏。彩音からはお姉さんっぽくないといわれるんだけど、そう見られたく思ってる。さな子はというと、史夏は理想のお姉ちゃんっていう。ふたりのそうしたところ、背伸びっぽかったり、甘えた風があったりして可愛いです。あのお姉さんっぽい仕草とか、面白かった。彩音は彩音で知らず上がってるお父さん度? 夕希だってそう。みんな演じているその役割っぽくなってる? それとも適材適所だっただけ? ほんと、面白い子らです。
『アンネッタの散歩道』、これ、とにかく優れてるなあ。緻密な物語世界は情感にあふれて、繊細で愛らしい絵も加わり、妖精たちの住む世界、その奥行、豊かさが伝わってくる。アンネッタのもとへと向かう、メイヴとモリーの旅路。その道行、途中途中におこるだろうこと、それがこうして語られていくのか。そう思うと、楽しみに思えてなりませんね。さて、今回はメイヴが気付いた物音。それを訊ねて音の出所までいってみれば、木のお家。いっぱいの靴、そしてそれを作る妖精がいたっていうんですね。ほんと、靴職人の妖精ディンク、彼と出会うだけのことがこんなにもわくわくする。絵の魅力、表現されるメイヴたちの感情、それらが生き生きとして、冒険、発見、出会いの喜び、驚き、面白さが、しっかりそしてじっくりと現れてくるんですね。ほんと、すごくチャーミング。靴が繋いだ気持ち。靴が導く望み。その、前へ、先へ進ませる、そのきっかけ、その確かさ。もうほんと、素晴しかったです。
『シロクロコミュニティ』、これは、なるほど、主人公南森悠馬と謎の生命体ウーマとの共同生活、それがメインというよりも、むしろ彼を取り巻く女の子たち、金山奈央、加々美良子、笹時雨未与、彼女らとの交流にこそ重きが置かれている、そんな印象でありますよ。三人それぞれに魅力を持った美少女。メインヒロインは奈央といっていいんでしょう。大柄なのを気にしてるんですが、いやいや、それも魅力的ですよ。悠馬の求めている普通の生活、それはウーマの出現で崩れかけてるわけだけど、なんでも食うかどうかで判断する物騒なウーマにその普通を覚えさせることができるのか? また、コミュニケーションの失敗で食われかける奈央など、なかなかにスリリングな状況ですが、そうした中、個性的なヒロインたちとの仲を深めていく? そんな展開も見込める感じがひしひしとしますよ。
『まんなかノート』、前回はみちるの話でした。学校で大活躍しているえーりに対し、自分のありのままを伝えることができないみちる。対し今回は、そのえーりのお話。泣き虫で寂しがり屋。そんな彼女のお守り、それがみちるだっていうんですね。生徒総会の緊張感を、みちるの泣いてる写真で癒す。まんなかノートも彼女の支えになっていて、みちるの応援、みちるの思い出、それらすべてがえーりにとって大事なお守りなんですね。みちるは、えーりのことすごいと思ってて、自分よりもしっかりしてる、自分よりもずっとできる。けど、えーりはそうは思ってない。みちるにずっと助けられてる自分を知っていて、だからみちるのことお姉ちゃんみたいに思ってる。そうしたこと、素直に伝えることができなくて、ええ、こうしてふたりともに伝えたくて伝えられない気持ちを抱えているんですね。いつかそれが伝えられる日がくるのかな。ええ、その時のくること、すごく楽しみに思いますよ。
- 『まんがタイムきららミラク』第2巻第11号(2013年11月号)
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