『まんがタイムきららミラク』2013年11月号、発売されました。昨日のことです。表紙は『桜Trick』、春香と優、ふたり寄り添うようにして若山牧水の詩集を読んでいるんですね。揃いの服、交差した手、そして距離の近さ。優の少し甘えたような表情、そしてその足元、描かれていることとその先にあること、見えないものがより一層の近さを感じさせる要素となって、魅力的です。
『城下町のダンデライオン』。遥の見ていた茜画像、それが一体なにか明らかになりましたね。姉ラバーなのか!? 恋しちゃってるのか? わくわくしながら一ヶ月を待ったのですが、おおう、そうじゃないのか。茜様ファンサイトなるものがある。そこにアップロードされる写真の数々、もちろん無断なんでしょうな。それを削除してもらうよう要請していたっていうんですね。って、ああ、やっぱり姉さんのためなんじゃないか! 姉さんのこと大好きだな! しかし、これがきっかけで、これまで王様選挙を避けてきた茜が、積極的に選挙に乗り出すことになった。おお、これは重要な転換点ですよ。
『幸腹グラフィティ』は、草餅、すごいなこの色、この質感。休み明け、テストも終わって、その開放感。どこか遊びにいこうか、そういうきりんに、用事があると答えるリョウ。親戚の家にいくっていうんですね。きりんたち、ついていくっていう。最初は躊躇したリョウに、むしろ誘わないとと思わせるあの交渉力はまさしくお見事。そうしてついていった先で、親戚のおばさん、リョウが友達連れてきたって喜んで、ああ、この雰囲気。リョウのこと見守ってくれている、心配してくれている、その優しい雰囲気が、その表情、言葉、そして持たせてくれたお土産からも見てとれるというんですね。草餅、そのおいしそうなこと。お漬物も煮物も、全部がそう。おいしい、そして優しくて、それらの味が思い出させる昔のこと。ええ、かつての思い出と、今の自分の置かれた状況。それが交錯して、ああ、今もまた優しさにリョウは包まれていると感じられる。ほんと、この漫画のテーマは、そうなんだと思う。優しさ、暖かさ、それがしみじみと伝わってきます。
『女子高生に校則なんてない!』、ゲストです。舞台は女子校、出てくるのは、とにもかくにも自由すぎる生徒たち。授業中、問題にはろくに答えない、居眠りして悪夢に叫び声、遅刻して窓から入ってくるのがいれば、ロッカーの中で暮らしているやつ、ゲームに興じるやつと、とにかく自由すぎです。成立するようでしない会話。思い付きで、その瞬間瞬間の面白さにチャレンジしては、散って消えていく、そうした刹那の輝きをコレクションした — 、といったらいいすぎか? うん、いいすぎですね。気楽に楽しむ、そうした漫画ですよ。
『ひみつのふたりぐらし』、ゲストです。医大に学ぶお嬢さん、北川雪と、ルームシェアする美大生、南ひなたの交流ものであります。ナイーブで人付き合いも苦手そうな雪。対しあけすけで遠慮もない、そんなひなた。雪はそんなひなたに慣れないっていうんですね。けど、ぎこちない雪が、少しずつ変わっていく。雪に触れられて、その感触に、またマッサージされて、その体とともにほぐれていく心。その徐々にやわらぐ感じは悪くなかった。体の近さは心の近さ。ずかずかと踏み込んでくる、その距離感の違いに戸惑い、抵抗感じながらも、それでも少しずつほぐれて、気持ちも変わっていく。ええ、雪の気持ちの変化、それが見ていて心地よい。この先、さらに親密になっていくだろうふたり。その過程を見守りたくなる、そんな雰囲気のある漫画、というか、そんな雰囲気のある人でした、雪さんは。
- 『まんがタイムきららミラク』第2巻第11号(2013年11月号)
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