『まんがタイムきららMAX』2012年10月号、発売されました。表紙は『ご注文はうさぎでしか?』であります。これは軍? 軍服というには可愛すぎる衣装に身をつつんだココアとリゼのふたりですよ。海軍なのかな。勲章たくさん、肩章ばっちり、ちょっと眉ひそめてるリゼさんと、こちらはどれくらいの階級になるんだろう、下士官? 兵? 凛々しく敬礼してるココア。いや、この表情がたまらぬ可愛さでありますよ。しかし、ちょっと『まんがタイムきらら』系列誌には珍しい題材、珍しい雰囲気の表紙に仕上がったと感じます。かっちりとした印象、文字やらなんやらちょっとSFっぽさ感じさせたりもして、意外にして実に魅力的。白をベースに紫、黄色をキーとしたイラスト、シンメトリーの安定感感じさせつつも、少し崩された対称性がくすぐる。実によい表紙だと思います。
と思ったら、本編扉はこんなにもフェミニン。華やかでやわらかな雰囲、皆それぞれの髪飾り、テーマカラーに沿ったフルーツ身につけて、おしゃれ、ビビッド、綺麗な絵ですよ。『ご注文はうさぎですか?』、ココアホームシック? そう思わせて、いや、違うのか……。しんみりいい話? 期待させてはずす、その落差、実にナイス。そうか、お姉ちゃんのスコーン、まずかったか……。というわけで、チノたちがココアのためにスコーン作ることにあいなりまして、チノ、メグ、マヤ、妹たちが頑張ります。スコーンをメインに、サブには青山さんの思い出話など絡めながら、って、なるほど青山さんの位置、わかってきましたね。最初からお客さんだったんだ。もっと深い関係かと思ってた。で、マスター、いっそうさぎになりてぇって愚痴ったんだ。その結果があの毛玉なんだ。冒頭から最後まで、きれいにうまく話を回して、ひとつひとつの四コマ、エピソードの繋がりも自然で、無理なくキャラクターを見せてます。しかし、ココアがくる前、最初のリゼとチノの様子、サー! それがちょっと描かれたことで、年下の子を思いやろうとするリゼ、お姉ちゃんが元気になって欲しいと思うチノ、表情も柔らかくなってさ、この気持ちが近くなっていっている。また触れ合うことで変わっていった。そうしたことが感じられる、伝わってくるエピソード群、もうほんとよかったです、サー!
『彼氏ったらどこにいったら買えますの!?』、素晴しいな! 今回は体力測定、護がやる気になってる。運動だったらまかせとけ、みたいな護に、柔軟以外はからっきしの亜梨香。得意の柔軟を得意になってやる、ハイテンションな亜梨香が可愛いです。しかし今回も亜梨香の想像力ですよ。みすずのカチコチについて、それからドッヂボールにマラソン。豊かな感受性といってよいものでしょうか。いや、でも、思春期なんてこんなもんよね。でもって、なにが面白いといっても、新番組リア充散歩ご期待ください!! って、あのテンション、あのインパクト、唐突に叩き込まれて、ああ、なんて面白いんだ。それまで穏やかに進行してたところに、これだもの。もう最高でした。
『LSD — ろんぐすろーでぃすんたんす』は、ああ、椿さん、風邪でダウン。って、椿のお母さん、美人だなあ。豚のパジャマ、豚のカレンダーに置物、豚出没注意とかもいいなあ。ってのはいいとして、そうか風邪か。インフルエンザ流行中、1週間は安静にしてないといけなくて、焦る椿。ああ、そうだよな。わかるよ、その気持ち。なんでか風邪ひいたりすると、練習できない、どうしよう、遅れてしまう、すごく焦るんですよね。怠惰な私でさえそう。椿はいつも頑張ってたからなおさらでしょう。学校でも休む人が増えてきて、陸上部も心配やら対策やら、って、柘植ちゃんのあれは怪しいのか。しかし、椿休み明けの陸上部ですよ。大変なことになったな。浅見さんまでダウン。ほぼ全滅。補欠の椿どころが短距離の北川先輩、その上マネージャーまで走らないといけない? 駅伝当日までに何人復帰できるか。えらいことになってますよ。ところで、自宅で勉強中の椿さん、あの髪あげた椿さん、やたら可愛いですね。でもって、やっぱりこの家の娘ふたり、お母さんによく似てます。きっと美人になるんだろうなあ。
『Free!』、よいじゃないですか。アトリとミサキ、ふたりの昔の話。内気だったミサキ。小学生の頃は、ほんとぜんぜん違った雰囲気だったんだなあ。教室でひとりで本を読んでたり、友達も少なくて、そんなミサキをかまってくれたのがアトリで、いやそれがありがたかったかどうかはわかんないんだけど、けどミサキが困った時には助けてくれたんだ。振り回される、いつも大変な目にあわされる、そんななのにふたりの仲がしっかり長続きして今にいたってる、それだけの歴史があったんだなあ。いい話ですよ。けど、描かれたエピソード、それがよかったというのもあるけれど、それ以上にミサキの昔を思い出して、全然見えないや、あの言葉にこもる思い、どういうものだろうと思うほどにしみじみと感じいるものがある。それが実によかったんですね。
『ステラのまほう』、ゲストです。ヒロイン本田珠輝は新入生。高校にてどんな部活に入ろうかと、しおり見ながら部活PRいろいろまわって検討中。夢がありますね、希望がありますね。で、その希望の光に呪いの言葉を投げかける面々。同人ゲームを制作する部なんだ。珠輝と友達の優美音、ふたりでゲームをプレイして、ふたりの遊ぶ様子、それを見ていろいろ思う作り手の面々。この対比などよかったです。作り手は不安もいっぱい、いろいろ思いますよね。でもって、珠輝、何部にはいろう。まだまだ悩んで、振り返るのはこれまでの自分。なにがやりたかったんだろう? 多趣味あるいは興味が次々と変わっていく子? ちょっと変わった子でもあったのかな? けど、ついにひとつの答、興味の源泉をみつけたんですね。遊びを考える。遊びを作りたかったというんですね。だからゲーム制作、いけるんじゃないか。入部すると決めて戻ってきて、いよいよはじまるという感じ。夢や希望がありますね。最後の最後、あの落ちは、なるほど意外性! どうなるんだろう。迷走も感じさせて、期待させますよね。
- 『まんがタイムきららMAX』第9巻第10号(2012年10月号)
0 件のコメント:
コメントを投稿