『まんがタイムスペシャル』2012年10月号、昨日の続きです。
『趣味じゃない園芸』は、ああ、意図せぬタイムリーな話といいましょうか、暑さでいたんだお弁当ですよ。梅干しのまぜご飯、我が家のご飯は夏場になると基本これになりますね。おにぎりにして持っていくにしても、いたみにくい。手間もさしてかからない、よい工夫だと思います。といった具合に、保存の工夫。ドライカレーもそうなの? 酢飯は実際そうですよね。で、シソやハーブとなるわけですか。そうか、シソって抗菌作用があるのだっけか。と、ここから植物園のネタに繋がるのは、うまい展開させかただと思わされるものでした。近未来弁当は、あれはあれでありなのかも。災害時にも強そうです。
『でりしゃすガールズ!』、ゲストです。丘の上に建つ一軒家、カフェだっていうんですね。借金を返せなくて両親が蒸発、って、酷いな! 娘、売り飛ばされちゃう! とまあ、どこかのんびりして危機感のない娘味里と、その幼なじみ薫子ふたりが、このはやらないカフェを担うっていうんですね。味里はおかし作りで、薫子はコーヒーでがんばって、という細腕繁盛記? 店をもりたて、借金を返せるか? ちょっと夢みたいな話ですけど、ほのぼの喫茶店もの、面白くふくらんでいくとよいなと思います。
『だんつま!』、おおう、次回で終わっちゃうのか。この他にも、いろいろ終わっていくものあって、ああ、誌面、雰囲気変わっていくのか。こういう趨勢、わからないでもないけど、やはり好きな漫画、好きな作家の漫画が終わるというのはさみしく、残念に思うものであります。さて、『だんつま!』、今回は奥様がた集まって家飲みっていうんですが、場所は英理子ん家。普段かたづいてない家なのに、先日の大掃除以来、その状況を保っている、奇跡だ! っていう、そこから膨らませたネタ、よかったです。いつも真ん中のひなよの家に集まるところが、端の家にいる。その慣れない状況ゆえに、違う家に戻ろうとするとかね、こういうところ面白く、またユキさんも登場。ひなよたち、綺麗なベランダを見て出会った頃を懐かしむなど、ええ、この楽しい皆の様子、これがよかったんです。で、次回最終回。引っ越し? いったいどうなるのか、誰がどう引っ越すのか、楽しみというか不安というか、いずれにしても心待ちでありますね。
『21時のシンデレラガール』も完結して、これ、うまい終わり方だと思いましたよ。とみ子の東京暮らしがはじまった矢先に父ちゃん倒れる。今は夜、戻るに戻れず、心配ばかりが先走るという状況。夜が明け、父ちゃんの病室に駆け付けたら、寝不足だったとか。ええ、不安を一気に楽天的に回収する。そうやって落差作って見せたけど、本当は胃潰瘍、病気だったというんですね。ああ、娘を心配させまいとする親心だったのか。で、この出来事をきっかけにとみ子の心配性が発現してしまって、立場逆転というラスト。これ、実にうまいと思ったんです。あの父の娘、そう思わせて、かつコミカルさをしっかり保ったまま、親父さんのこれまでが因果応報的に返ってくる。よかった。親子愛ですよね。いいラストでした。
『一本釣りロマンス』、ナントカのゲストです。扉に可愛いお嬢さん。ああ、こりゃ人魚だろう。ぴんときまして、で、ナントカの描く人魚ということは、ばりばりの肉食の、大喰らいの、危険生物だろう……。そう思ったら、ああ、そこまで危険じゃありませんでした。舞台は現在。男三人で海にきた、そのうちのひとりが人魚に出会うんですね。派手な柄の海パンを狙われている。で、この人魚、オンディーヌ、海産物らしい子沢山設定とか、やっぱり貝はまるかじりとか、期待どおりのお嬢さんでして、そして解せぬ。あれは面白かった。いや、もう、ほんと、魚類顔とか、人をパンツで覚えてるとか、あと、溺れて死んでも、そして匂いのかぶるの、最後まで苦笑爆笑、笑いの連続で、やっぱりこの人は面白いなと思わされるのでした。いやもう、最高です。
- 『まんがタイムスペシャル』第21巻第10号(2012年10月号)
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