2012年8月4日土曜日

西洋音楽の歴史

 本当なら、今日は『まんがタウン』の発売日、ということで、その感想なんぞを書いていたはずのところなんですが、いやいや、ちょっと断念です。ネットでですね、西洋音楽史の勉強会なんぞしておりまして、思った以上につらかった……。1時間半ほどのつもりで、まあ長くとも2時間もありゃあ終わるだろう。そう思ってたのに、なんてこったい、3時間だよ。グレゴリオ聖歌が発展してトロープスやセクエンツィアが生まれました。それだけの説明で3時間!? 長い。いくらなんでも長すぎる。もう頭がくたくたに疲れてしまって、感想はちょっと書けないなあ……。そんな具合なのです。

で、その勉強会で使ってるテキストが『西洋音楽の歴史』。これは、1996年の発行で、比較的新しい本っていっていいのかな。これより後にも西洋音楽史の本は出てるとは思うんですが、自分にはこれが使いやすいので、これを使っています。

自分にとってこの本が使いやすいのは、ちょうど自分が音楽学を学んでいた時期に出版されたから。つまり自分が学んでいた頃の問題意識、あるいは価値観っていってもいいかも知れませんね、それがこの本の根底にもあるからなんですね。社会史といってもいいでしょうか。偉大な音楽家がいて、彼らが牽引するかたちで音楽は発展してきた、そういう列伝的な捉えかたを反省し、時代時代の社会が持っていた意識、価値観、それらが音楽にも反映されている、作曲家個人ではなく、一歩引いて社会全体を俯瞰する、そういう視点が共有されるようになった時代の本だというわけです。

でも、そうした感覚も今では普通に浸透してたりするでしょうから、これを見ても画期的とか新しいとか、そこまでいわずとも、ああ一味違うなとか、そういう風に感じることは難しいかもなあ、そんな風にも思います。おそらくは他の学問領域においても、音楽学がそうだったように、意識、視点は違ってきていて、またそれは学問に限らず同様なのだろうと思うのですね。そしてそれは、やはり時代が持つ意識や価値観、そうしたものなのだろうと思います。

  • 高橋浩子,本岡浩子,中村孝義,網干毅『西洋音楽の歴史』東京:東京書籍,1996年。

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