『まんがタイムきららMAX』2012年6月号、一昨日の続きです。
『ばろめっつ』はまだゲストなんですね。植物で非常食なナマモノであるばろめっつ。驚くほどのはやさで文字を覚え、言葉も充分に扱えるようになったバロメッツ、まだまだ教わりたい、たくさん知りたいというそいつがむやみに可愛くって、で、今回、その可愛いナマモノがりりとちゃんにばれてしまった。りりとちゃん。原田が想い慕う人の妹なんだそうです。最近では、兄大好きな妹が、兄に思いを寄せる相手に敵対する、みたいなことも多くなりましたが、りりとはばっちり原田、彼女はイコ姉って呼んでるんですが、イコ姉のことを応援していて、というかイコ姉のことが大好きっぽくて、ほんと、このいろいろアクティブなりりとに、好きな相手のこと思うと真っ赤になってしまう照れ屋の原田。うまいこと比較になってて、いい感じ。ほんと、恋愛に対して前向きに、そんな展開、ああ、いよいよ歩み出すのね! そう思ったら全然っていうね、そのラストの余韻。大変に素敵でした。ヨーロッパの映画みたい!
『▲コンプレックス』は前回のできごと、落ち込んでいた円を皆がはげましてくれた、その続きなんだ。てっきり前回で終わり、今回は新しいエピソード、そう思ってたから意外で、けどそれは、まだ続くんだ! というよりも、おおー、尽力してくれた人をねぎらったり、そして互いの気持ちを確かめあったり、人の気持ちに対して真摯で丁寧なのだなあ、そう思わせてくれるようなものだったんですね。で、気持ちを確かめあう、さっきそういいましたけど、これ、相手の気持ちを試すとか、そんなことはしないんですね。今、自分の前にいるこの人は、大切な人は、なにを思っているのだろう。そこに思いをいたし、言わずとも気付くというんです。まさに、おもんぱかるというやつでしょう。こうしたところに、思いやり、真心が感じられるようで、気持ちや心が寄り添っている、そんな風に思えたんですね。いい漫画だなって思います。ちょっとしみじみします。
『スイーツどんぶり』は、これ、かなりのものですね。いきなり鯉川先生が糾弾されている場面からはじまって、ノリがいい、勢いがある、もうのっけからひきつけられて、面白かったです。料理部を監視することになった鯉川先生の四苦八苦ぶり。 もうほんと、ジャッカルのミスにまきこまれてえらい目にあってみたり、またそのジャッカルも授業にひっぱり出されて自信喪失してみたり、って、この人、授業に日頃出てないのか。卒業どころか進級もあやういぞ! って、そんなジャッカルがクラスに受け入れられて感動で、なんのかんのいって、この人、愛されてるよね。根はすごくいいやつっていうのがわかる、それがまたいいのかもなあ。読んでる私にしても、ジャッカル、柿崎ですね、この子、いい子だなあって思いますもの。で、そうした手柄を全部自分のものにする鯉川先生。やってること、結構あくだいと思うんですけど、それがなぜか許せてしまうのは、この人の人徳なのか、あるいは作風ゆえなのか。作風なんだろうなあ。皆がいいやつ、ほっとけない、そんな不思議な人好きのする近しさがあるんですね。
『妖茶芸館』、ゲストです。あがり症の女の子、蒼井華が友人と働くバイト先は妖怪専用の喫茶店。人には見えないはずなのに、なぜか彼女らには見えてしまった。そこで出会う妖怪たち。普段は人に化けている彼らが、ここでは本来の姿に戻るというんですね。かろうじて人っぽいのがいるかと思えば、どう見ても人じゃないのもいて、動物やよくわからない異形、さらには巨大、あるいは小さな人もいて、友達の海ちゃんは結構平気でコミュニケーションとってるんだけど、華はやっぱり緊張したりするみたい。緊張のあまり言い間違えちゃう、そうした様子はわりと好評で、むしろ店長(仮)は温存したいと思ってたりする? 小さな店長は猫耳で、同じく小さな海、ふたりを相手に接客のけいこをしたりして、そうした様子はほのぼの。可愛い雰囲気、妖怪たちも怖くない、おだやかな時間の流れる漫画です。
- 『まんがタイムきららMAX』第9巻第6号(2012年6月号)
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