『まんがタイムファミリー』2012年6月号、昨日の続きです。
今月のエッセー企画は「拝啓・おふくろさん」、母の日にまつわるエピソードでありますよ。参加作家は楯山ヒロコ、おーはしるい、水井麻紀子、井ノ上ふき、佐野妙、王嶋環各氏であります。ご自身の母についてのこと、あるいは母としての自分、各人各様の視点から語られ、って、母としての自分を描かれたのはおーはしるいさんですね。どうしても母の日というと、自分から見た母のことと思いがちですが、ここで逆に自分と子供のかかわりを描くのは、多様性がでてよいなあ、そう思ったのです。そして皆さんのお母様。個性的な方、いらっしゃるなあ。やはり、漫画家となられる方は環境からして違うのか? いや、そうではあるまい。普通のお母様も描かれてるし、あるいはプレゼントに迷ったり悩んだりする自身を描いたものもあり、いいですね。家族との交流、感謝やありがたみ、そうしたものの感じられる描写、それはとってもよかったと思います。
『あきほ必笑宣言!』、いろいろなパターンを見せてくれて、これはいい感じ。今回はテストのこと。テストでいい点をとってビデオカメラを買ってもらうんだ! 意気込みながらも望みがかなわない幸ちゃん。冒頭から面白かった。効果的に彼の逆境を説明して、いやはや、見事。ほんと、のっけから笑って、そして勉強会。ああ、あきほは無邪気ないい子なんだなあ。遊びたい気持ちを抑えるあきほを誤解する幸ちゃん、あきほに気持ちを揺らすまじと我慢する幸ちゃんを誤解するあきほ。面白かった。しかし、幸ちゃんは、あきほにやられっぱにしですよね。こんなにも素直に好意を向けてくれる幼なじみ。ほんと、魅力的だと思います。
『レッスル・ミーツ・ガール』、ゲストです。女子プロレスものなんですが、これ、面白いですね。アイドルのオーディションに参加して、チャームポイントは鍛え上げた上腕二頭筋ですときたもんだ。なるほど! ここでようやく普通にアイドル目指してる女の子じゃない! ってわかるんですね。美枝つかさ18歳、プロレス団体インテグラル・ハートに所属するレスラーであります。しかし、インテグラル・ハートは零細で、あのトレーニングと称したバイト。めちゃくちゃ面白い。実際、こういうのあるって聞きますが、鬼丸本部長、って、この人の兼任すごいな! トレーニングだと言い張る、その言い様が面白かったです。メインの登場人物は、さきほどのつかさに、鬼丸誠部長、そして同僚レスラーSAKI、であります。しかし、ほんと、面白い。リングのガタとか、訴えますよとか、美しいジャーマンとか、細やかに織り込まれたネタの面白さがあって、キャラクターの魅力もしっかりとあって、これはひきこまれるなあ。ほんと、大いに期待される、そんなゲストであります。
『博士の白衣女子攻略論』、めちゃくちゃ面白いです。赤星さん、ものすごく可愛いなあ! はいいとして、袖に空いた穴、硫酸だっていうの、ああ、高校の時、化学の授業でやったなあ。放っとくと希硫酸も濃硫酸になるから、後から火傷したりするので気をつけろってね。ああ、あの授業、実験多くて楽しかった。しかし厳しい女性たちです。ハカセに嫌味。白銀くんのいうこと信じない。そして白銀くんに教育的指導。素晴しいよ、とても素敵だわよ。ほんと、魅力的なお姉さんたち、幻惑されます。しかし、白銀くん、確かになんでも勝ち負けみたいにしちゃう人っていますよね。ほんと、ああいうのはいけないんだな、素直に納得させられました。読んで楽しく反省できる、いい漫画です。
『おかいあげ』は、一気に話が動いてびっくりですよ。越後主任が病院に運ばれた! ああ、二阪も。それで気持ちが一気に動いた伊丹さん。慌ただしく駆け付けて、その気持ちの動揺する様、本当にこの人のこと思ってるんだなあと思えて、しかし、越後主任、妻帯者!? 修羅場!? そう思わせて、おお、違ったよ。このひっぱり、そして安定に解決する、その落差。見事でした。伊丹さんの髪、走って走って、そして乱れて、そのいつもとは違う表情にこの人の素直な気持ち、本心が表れていて、ほんと、こういう描写の巧みさにまいらされます。素晴しかったです。
- 『まんがタイムファミリー』第30巻第6号(2012年6月号)
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