『まんがタイムきららフォワード』2012年6月号、発売されました。表紙は、おお、『はぢがーる』ですね。紗江ちゃん、そして菊花、ふたりがじゃれあうように、いや、菊花が紗江の後ろから抱き付いているんですが、晴れやかな菊花の笑顔、対して真っ赤に染まる紗江の表情。対照的で、これがまた可愛くて、すごくよいですね。紗江の流れる黒髪に、波打つ菊花のサイドテール、ちょっと表情を違えた動きが左右に配置されて、いいアクセントになってる。これが実にいいですね。
『はぢがーる』、巻頭カラーであります。表紙とはうってかわって、きりっと凛々しい紗江さんですよ。と思ったら、見開き扉にて、表紙以上に照れて真っ赤な紗江が描かれて、うわあ、この対比。こうした表情の幅、揺れる気持ちが素晴しいです。で、紗江の抱えている問題。前回のお姫様だっこが原因で、恥ずかしさがMAXだっていうんですね。本田くん、拒絶されたと思ったか、落ち込んで、紗江はといえば、自宅にてじたばた。そうかそうか、もの足りないんだ。そうかそうか、踏み込みたいんだ。ほんと、動き始めた気持ちは、もはや止められないんですね。いやいや、いいよいいよ。憂いのある表情など、ほんと、いいよいいよ。そして本田くんとお昼を一緒する。そこには後輩、真木好も一緒にいて、いや、もう、この子がライバルになるのか。悪い子じゃないよね。だから、なおさらよいよね。本田先輩との会話に神楽先輩を割り込ませてなるものか? そんな意図はなかった? わかんないんだけど、ちょっとしたところに、恋の攻防感じられるよね。まきちゃんも必死なのだろう。けど、ほんと、さっぱりとしていい子。これはなかなかに面白くなりそうでありますよ。
『夢喰いメリー』は、夢捜歌クリオネ、真面目でちょっと小心な彼女。ジョンに泣かされるとか、ああ、もう、なんて可愛いの! なんですが、深刻な表情、思い詰めて、余裕をなくした、そんな彼女を元気づけようとしたんだ。メリーに誘われて、遊びに出る。クリオネ瑞貴、ゲーセンに繰り出し、戸惑い、ムキになって、この意外な表情の数々。すっとぼけてみたり、自分のこと棚にあげてみたり、そうかあ、こういう子だったのかあ、クリオネ。基本真面目で、深刻すぎるほどに深刻で、かたさを拭えない、そんな彼女だけど、根には楽しみに喜びに反応し、ゆるむ素直なやわらかさがあるんだなあ。そうした彼女が感じられただけに、エルクレスに強要されている役割。そこで苦しんでいる彼女の気持ちも際立って感じられた、そう思うんですね。しかし、ちょこんとピース、してやったりとピース、なんて可愛いんだ。プリクラでダブルピース。ああ、これが最先端なんですか! なんですね! そして、女学生にもてもての猫仮面。加えて、メリー。なにがあったのか。夢路とメリーの関係など、ああ、次から次へと、たてつづけにきますね。
『魔法少女かずみ☆マギカ』、かずみの出発点に戻ってきたんですね。行方不明の少女たちを追う刑事さん。そして、トランクから出てきたかずみを受け入れ食事を与えてくれた立花さん。刑事さんがひっかかっている、魔法少女というキーワード。まさかありえない、けれど、どうしても排除できないキーワード。ああ、これはぐっときましたね。アニメ『まどか☆マギカ』でも、失踪した少女、家出の末自殺したと扱われた少女、様々なできごとは描かれていて、人がいなくなるというのはそういうことですよね。ものごとは、魔法少女たちの間だけで生じるのではなく、当然彼女らをとりまく社会にも影響を与える。その社会の顔が垣間見えた、そんな風に思えたんですね。かずみは、確かに立花につくってもらったビーフストロガノフ、あれ以前の人生を持たない、そんな存在だったのかも知れないけど、確かに彼女に接した社会というものがあって、それはまた彼女を支えるものでもあったんだなって。そして、彼女を支えようとする仲間。彼女からのメッセージ。それを受けて、気持ちがぴしりとしまる。ああ、あのイチゴリゾットを食べて、そして見せたかずみの表情。出ていこうとするその時、振り返って見せた涙まじりの笑顔。明るくて、幸いで、さっぱりと。ああ、気持ちに整理がついたんだ。それだけに切なくて、胸に迫りました。かずみの決断。いよいよクライマックスに踏み出す? できごとは、魔法少女やプレイアデス、その内輪だけの嵐ではない。けれど、その一旦の決着をつけようとプレイアデスのもとに立ち返るかずみ。これは、ほんと、しびれました。
『はじおつ』は、ただ手を握りたい、それだけでこんなにも大変で、って、向日葵さん、たしかにべらぼうに可愛いなあ。甲斐くんはちょっと早まってしまったのか? 手を握ろうとして、見事に挙動不審。あの、ファサッとか、きゃーっ! かっこいい! 横断中の黄色い旗を手に横断歩道をわたる彼! ほんと、素敵ー! いや、けどほんと、いろいろ考えて、何度もチャレンジして、それであの結論にいたるんだ! 甲斐くんはわかる。けど、向日葵、手を潰そうとした!? って、いやいや、それはちょっと! ほんと一進一退のふたり。ほほえましいというか、いずれじれったくなってきそうな気がして、実にいい感じでありますよ。
- 『まんがタイムきららフォワード』第6巻第6号(2012年6月号)
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