2012年4月7日土曜日

『まんがタイム』2012年5月号

『まんがタイム』2012年5月号、発売されました。表紙のテーマは運動でしょうか。握力計ならぬ笑力計握るおとぼけ課長を中央に、バランスボールっていうの? そいつにのってる『だってあいちてる』木の葉に水着着て準備運動してる『ぽちゃぽちゃ水泳部』カツ代です。他には『そよ風そよさん』の告知カットもございます。

『田園の教授』、面白いですね。歓待の食事会。持ち寄りながらも、なかなかにおいしそうな食べ物たくさん。これ、昼食なのか。こんだけ歓迎してくれるとか、すごくいいな。それに、いろいろ体裁考えながらも、最後にはやっぱり気持ちに素直になってしまう島津梅子さんがすごくいい。そして、教授も。あの行動のどんくささと、小難しい言動、そのギャップ、すごく面白い。そう思ったら、古文書発見の報に冷静に対応する、こうしたできる人としての面も描かれて、いいですよ。しかし、増していいのは、やっぱり明るい梅子さんだと思います。ほんと、彼女、とてもいいですよ。

『そよ風そよさん』は、まいったな、すごくいい話だなあ。古典から引きながら、そこに新しい読み方、展開を加えたことで、新たな価値が生まれる。それは本当に素敵なことだなと思います。『最後の一葉』。オリジナルは、葉が落ちて絶望しないよう、落ちない葉を描いて気持ちを支えた、そんな話でしたけど、そよさんはあえてその葉を落としてみせる。そして、葉が落ちても命は終わりじゃない、つらいこと苦しいことがあったら私が支えますよと、その寄り添う気持ちを伝えてくれる。ああ、これはいいなあ。そう思ったんですね。寄り添ってくれる、それだけで支えられていると実感できる、そうしたこともあります。ほんと、しみる、そんな話でした。そよさん、大好き。

『あいすべきものどもへ』、盾山ヒロコの新作です。ええと、読み切り短編シリーズなのか。で、アイドル編なのか。女優を目指すタレント、佐藤あいるがヒロインで、けれど社長はアイドルで、マネージャーはお笑いで売り出したいと思ってる。その思惑を戦わせるところなど、面白かったです。これ、当然のように続くと思ったんですが、本当に短編で読み切りなのかな。ちょっともったいないな。そう思ってしまうところもある、そんな漫画でした。

サクラ町さいず』、最終回をむかえましたね。卒業式の情景。皆の進学先が語られて、あれ? 俊也のゆきさきは? ともあれ、成就した恋はなかったけれど、彼ら彼女らの前途にいろいろ思いをいたす、そんなラスト。ああ、県立土筆にふたりが通うのか。というのはよいとしても、最後にちょっといろいろ思わせる信一朗の言葉、そこには彼の成長や気持ちの変化などがあるのでしょうが、不思議となんかしんみりしますね。思えばこの漫画は、一時期四コマ漫画に疲れてしまっていた私を、四コマ漫画につなぎとめていた、そうしたタイトルのひとつでありました。面白かった、人が愛らしい漫画でした。大好きでしたね。今、私がこうして四コマ漫画を読んでるのも、この漫画があったから。本当かな? それはちょっとわからないけど、そう思ってしまうくらいに大切な漫画だった、そう思います。終わって寂しい、それは仕方ない。けど、こうして終わったことが喜ばしい。そう思って送りたい。そんな気持ちもあるんですね。

  • 『まんがタイム』第32巻第5号(2012年5月号)

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