『まんがタイムきららMAX』2012年4月号、発売されました。表紙は『ご注文はうさぎですか?』です。ココア、チノ、リゼ三人の表紙なんですが、あのリボンが十字にかけられたベレー帽、かわいいですね。ボレロにフリルのついたブラウス、チェックのスカート、みんなちょっとずつデザインが違ってて、あ、リゼだけジャケットで、ふたりはケープなのかな? ぱっと明るさ感じさせる、そんな笑顔のココアに、凜としてクールなリゼ。そしてちょっとあどけなさ感じさせるチノと、三者三様の表情。けれどそれらがうまくまとまって、ひとつの世界を描いている、そんな風に思うのですね。
さて、『ご注文はうさぎですか?』、カメラ、写真の話なのかな? と思ったら、なるほど写真はいわば手段であって、目的は笑顔であるのですね。ちっとも笑わないチノ。けどリゼは笑顔を見たことがあるらしい! 千夜だって見てるらしい! なのになんで自分だけ? ココアが家族に送る写真を撮るんですが、そのために、なんとしてもチノを笑わせたいっていうのね、面白かった。陰気な喫茶店、絵のインパクトに的確なつっこみがついて、この後も本当に面白かった。仕事中じゃないのか!? 実話だったらシャレにならない、それ嘲笑だ、大きな流れに差し込まれるショートレンジのネタが効いてます。そして、冒頭のココアの心配、それが最後にきちんとキャッチされてるのがいいですね。ココアの家族、チノの家族、ふたつの家族と関係が描かれて、豊かだなあ。家族というもの、一緒に暮らして、そして繋がっていくもの。そうしたもの思わせて、暖か。ココアはチノのこの笑顔を見ることはかなわなかったけれど、チノに笑みをもたらしたのは、間違いなくココアなんですね。ところで、千夜、いいですよね。キリ。うん、いいですよね。あの優しげな眼差しが好きです。
『きんいろモザイク』はアリスが悪夢でうなされる話。って、なんだろう、めちゃくちゃ可愛いな。というのはさておいて、日本語を話さなくなったアリスですよ。しかし、これめちゃくちゃ面白いな。That's right
。日本語忘れてしまったのかという疑惑があっという間に晴らされる。言葉の壁のネタは、忍のホームステイ時代を思わせて、けどもう今度はハローだけでは通じない! めちゃくちゃ面白いなあ。あのエピソード、ものすごく好きだっただけに、本当に面白い。日本語、英語がこんがらがるみたいの、ほんと大好きです。そしてカレンと烏丸先生が英語で会話。おお、先生、お見事だ。で、結局愛ゆえにアリスは折れることになるんですね。実に面白かった。ところで、宝船の絵の話、あれ知りませんでした。うん、カレンやアリスの方が私よりずっと侍なのですね。
『LSD — ろんぐすろーでぃすんたんす』、今回はちょっとめずらしい組み合わせ。夏休み最後の日、皆で遊びにいくというんですが、総合アミューズメントスペースでダーツ、参加者は椿、安食先輩、そして柘植ちゃんというんですね。記録大好き柘植ちゃん。けど今回の記録は機械まかせ。柘植ちゃんの出番がないっ! 落ち込んだりするわけですが、けれど、記録するのではなく記録を出す側に立ってみて、はじめて気付けたことがある。そんな話でした。思えば、この漫画は陸上を描いて、走る人だけじゃない、記録し支える人もちゃんとこうして登場して、ひとつのものことについても、いろいろな関わり方があるんだって思わせてくれる。でも、柘植ちゃんは、そのいろいろある関わり方、多様な可能性を、自分で記録が好きだから記録だけでいいと、狭めてしまってたのかも知れませんね。今回柘植ちゃんは、実際自分でプレイしてみて、面白さに気付いて、ひとつ可能性を広げて、またそのことが、プレイヤーだけが花じゃないんだ。適材適所ということもあると教えてくれた、そんなこと思わせてくれる回だったんですね。しかし、柘植ちゃん、安食先輩と仲良くなって、すごくいいなあ。そしてブタの帽子、ぬいぐるみにまみれた椿。可愛いですね。ちょっと息抜きっぽい回。陸上には関係しなかったかも知れないけど、思わせられるもの多かった。いい話でした。
『スイーツどんぶり』、めちゃくちゃ面白かった。謎の老師。いきなりの登場で、何者? そう思ってたら、柿崎に圧倒されまくってるとか、あの青い目玉焼きから逃げる、その勢いとか、もうたまらん面白さです。鯉川先生、顧問だっていうんですが、ブルブル震えて、もう、この人にいきなり全部もっていかれた感じです。そして酒井の人気、そしてライバルを蹴落とすため暗躍する栗原静香。酷い酷すぎる。けど、その行いを正すジャッカル。衝撃の展開、崩れ落ち自身の行いを悔いる栗原たちを見てひいている先生とか、もう見事、素晴しい勢い、すっかりやられてしまいました。
- 『まんがタイムきららMAX』第9巻第4号(2012年4月号)
引用
- 原結衣「きんいろモザイク」,『まんがタイムきららMAX』第9巻第4号(2012年4月号),21頁。
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