2012年2月21日火曜日

『まんがタイムきららミラク』2012年4月号

『まんがタイムきららミラク』2012年4月号、先日の続きです。

『そこにいず』、いい話でした。前号では河童やきゅうりの龍などなど、コメディというか、ナンセンスな賑やかし多めの展開だったわけですが、今回はぐっとシリアス風味を強めまして、人魚の話。学校で噂になってる光り石、人魚のウロコだっていうんですが、柳本朝海、決して人前でプールにも風呂にも入らない彼女の隠している秘密、それがなんだか不思議と切なくて、そしてその秘密を知りながらも、それをいわずにきた山下信貴。いいですよ。ちょっと不器用な少年少女。秘密がばれたらと怖れてる、そんな朝海と、なんの心配もないとばかりに、受け入れてしまってる山下。ああ、いい恋愛ものですね。そして最後の本当の光り石。いい余韻を残したと思います。

『アイコト』、ゲストです。緊張からか、すぐに噛んでしまう、いい間違いですね、してしまう女の子が主人公。アイ。仲のいいミヨだと、ちょっとはましなのかな? けれど、気になる男の子相手を前にすると、どうにも無理っぽい。だから諦めっちゃってる、そんな子です。で、そんなアイが失敗しながらもだんだんに上手に話せるようになるのかな、なんて思ったら、どうもそれだけじゃないみたいですね。神社で御守りを買おう、そうしたら妖精とやらに出会ってしまった。アイの他には見えない、マヤという女の子。アイの願いを叶えようというんですが、いやもう驚き、ただ善良な存在ではなくて、人の心に取り憑いて乗っ取ろうっていうんですね。マヤは、そうしたことをしたくないと思っている。むしろ人の心に憧れて、でもどうしても人と関わらざるを得ない状況に追い込まれた。そんなマヤと、とにかく素直にマヤの役にたとうとするアイ。ふたりの関係、どうなるんだろう、それが興味深い。なかなかに先が楽しみな出だしです。

『虹色教室』は、地球のいろいろな場所、時代を旅して、その文化を学ぼう、見学しようという、そんな漫画みたいですね。今回は水戸黄門の印籠をきっかけに江戸時代にいくことになって、なんだかそれっぽいところと、なんだかあやしいところと、それがうまいことまざって、奇妙な味わいになっている、そんな感じがします。不良老人水戸光圀が、女子四人に幻惑されて吉原いくのをキャンセル、江戸を案内してやろうというんですが、時代劇の水戸光圀風でありながら、どうもろくでなしっぽい。これは、今の倫理ではかると、実際いろいろ問題あった人っぽい光圀を反映してるのでしょうね。で、世直しものの物語の原点ができた、そんな感じ? 史実虚実を織り交ぜながら、いろいろなもの見せてくれるとしたら、楽しいものになりそうだな。そんな感じです。

  • 『まんがタイムきららミラク』第1巻第2号(2012年4月号)

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