2012年2月4日土曜日

『まんがタウン』2012年3月号

『まんがタウン』2012年3月号、発売されました。表紙は『新クレヨンしんちゃん』ですね。しんのすけとお猿が一緒に温泉に入っている。太い線が、シンプルな絵に暖かみ与えている、そんな気がします。そして、『ぼくの奥さん』、『ここはシガレット』、『シン-メン』、『鎌倉ものがたり』のカットもございます。

『ぼくの奥さん』、第2回ですが、いやあ、これ、驚きました。ウウウウと唸るご令嬢。いったいどういう人なのか、ただの野生児、お転婆娘でよいのか? そういう前回のヒキ。今回は冒頭から、娘キャロリーヌのたたごとでなさを畳み掛けて、モフモフ犬的お嬢さん、その正体は狼に育てられたがゆえに人としての振る舞いを学びそこねてしまったご息女であるというのですね。ああ、アマラとカマラ、オオカミ少女の伝説か! 実際、これは伝説というか詐欺というか、作り話だったという説が優勢ですが、動物に育てられた娘というのは物語としてはロマンがあるというか、神話の題材にも多々あるし、なかなかにいいじゃないか、そんな風に思ったんですね。1歳の誕生日に姿を消し、10歳の誕生日に捕獲された。そんなキャロリーヌが母の愛、大量の血と汗と涙で少しずつ人らしくなって、そして今、ルイと出会った。というんですね。いや、これ、どういう方向に展開していくんだろう。こうした野生を残しつつもルイと親しくなっていく、そういう話になるのか、加えてルイとの生活をとおし、人としての暮らしぶりを得ていくのか。そうしたところ、気になりますね。病弱なルイと野生児、凸凹ながらいいふたり。そんな風だといいなあ。そう思うんですね。

『ここはシガレット』、むんこ新作、ゲストです。って、連載だと思ってたけどゲストなのか。これは驚いた。エロ漫画家の母と暮らす菅井宇太、この子が主人公。手が足りないから、アシスタントとして使われている。R18だからと断わるものの、これができないと金が入らないぞ、そういうんですね。あんまりに過激なページは配慮しながら、それでもしっかり手伝わせて。漫画家もので母子もの。リアリティがうんぬん、というより、雰囲気が重要って感じですね。助けあいつつ暮らす、仲いい母子。最後の、息子の仕上げばかりが評価されてるっていう、こういうところが味なのだと思います。

『偽装男子』は素晴しいな。先生が出てきて、状況の改善見られるかと思ったら、いやいや、なおさら酷い。あやか四面楚歌といった状況。追い込まれたというか、あやかが大変な目にあうほどに面白い。そんな漫画だから彼女が不憫で不憫で。さて今回は胸を盛るみずきとか。対する残念女装男子どもの雄叫び。もう、たまらんな。最低だ。けど、それゆえに面白い。そして、最後の勇者。彼は今後も出てくるのかなあ。顔が描かれてないから今回限りと思うんだけど、もっとややこしくなったらもっと面白くなるかなあ。なんて思ったりもしています。

『ママはパートマスター』。田中なつのゲスト掲載。この漫画、この人の作風といいかえてもいいかも知れない、好きなので連載に漕ぎ着けたらいいなあ、そう思うんですね。パートが趣味といってもいい、そんなお母さんがヒロインの母。いろんなパートを、超人的能力でこなしている、町の名物お母さん。味のある絵柄。キャラクターも元気でよく動く。見ていて楽しい、ほのぼのと面白い。その感触、すごく好きなんですね。最後の一本、「おつかれさまでした」など見ると、ああこれでひとつの区切りなのかな、そんな気もするんですが、またのおこしを、それが実現したらよいなって思います。

  • 『まんがタウン』第13巻第3号(2012年3月号)

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