『まんがタイムきらら』2012年3月号、発売されました。100号記念の特別付録つき。100号記念で100p! の特別小冊子がついてくるっていうんですね。表紙はといいますと、『棺担ぎのクロ。』。おお、再開ですよ。旅がまた、はじまる
。棺を担いでこちらを見つめるクロを中央に、空、雲の流れ、なにか寂しさ感じさせる、そんなイラストであります。しかし、『クロ』再開、小冊子にも懐かしいお名前、イラストが! いや、もう、なんかわくわくさせられる、そんな第100号であります。
『棺担ぎのクロ。』、再開第1話は大きなターミナルで列車を待つクロであります。旅に不安を持つ人たちに、クロの感じる旅のイメージを語っていく。そうした、出会いと別れを幾度も繰り返す様子、それからちょっと藁しべ長者思わせるような要素があったりしましてね、昔話やメルヘンによく見られる構成、作り味わいに、ああ、やっぱりよいなあ。そんなこと思ったんですね。けれど、なぜクロは駅にいるのだろう。ニジュクやサンジュ、皆はどこへいったのだろう。もしかしたら再開第1回だから、ちょっと特別な番外なんだろうか、そう思っていたら、ああ、最後にこの駅がどういうところか明かされて、一種強く打たれたかのような感触を得ました。この、最後にがんとくる、こういうところがきゆづきさとこのひとつの持ち味だったな、そうしたこと思い出させてくれる、まさに再開の第1回でした。
『リリウムあんさんぶる』、ゲスト2回目です。咲来、真菜、潤香3人に加え、今回はカリンが登場。早冬カリン。花梨と書くんだそうですが、ハーフの子、金髪がまぶしい女の子です。この子が、咲来たちの話を聞いて、話題の店、それがいとなの店と当たりをつける。京いとな。カリンの友達。前回、咲来の味覚に興味示していた店長らしい人。それが、いとなだっていうんですね。しかし、このいとなさん、ずいぶんお姉さんに見えるけど、みんなとおなじ1年生。ということで、1年生5人のお店ものになるのかしら? いや、悪くない出だしだと思います。キャラクターもよく動いています。ところで、絶対味覚と聞くと、なにか昔の『ジャンボ』を思い出す。実にいい感じです。
『ステルス×メイツ』、ととねみぎの新作新連載です。主人公百地鋼次。転校生の彼は、新しい学校で、謎の覆面集団に追われることになって、なんで? といったら、イトコが悪い模様です。イトコ服部いすずが、コワモテ百地が皆に受け入れられやすくなるようにと、とんでもない噂を流してくれたおかげで、怪しげな部、忍者研究部に引き込まれそうになってという、そんな話。伊賀もの、そして甲賀もの、学内で対立するふたつの忍者研究部の獲得競争に巻き込まれて、学内を逃げる逃げる。しかし、あの追手の面々、面白いですね。にぎやかでどたばた。いい感じに騒動おこして、伊賀と甲賀で楽しく対立、対決されること、期待します。
『ゆるコワガール!』、面白いです。今回はあまり怖い話に展開しなかったんですけど、池のまわりをマラソンするみんな。しれっとサボってるキョーコがいい感じ。コースを離れる、ショートカットだって使う。このクールで、ちょっとやる気のなさそうなお嬢さんがいい感じです。しかし、ひよりとキョーコの接戦、あれは面白かった。最後のコマでのふたりの感想。もう、たまらん面白さでした。しかし、最初やる気のなかったひよりとキョーコ。最後にはみんなで走るとつらくない、むしろ楽しそうという、そういうのがよかったですね。
『チェリーブロッサム!』は、冒頭からいきなりダメージ受けてる面々ですよ。そうかあ、投げられたのかあ。小さいコマだけど、大倉山先輩のあんな表情、珍しいように思います。しかし、きびしいお母さんです。娘をアイアンクロー。容赦ないなあ。それで大咲を誘惑するようなこといったり、自由というか奔放というか、豪気な女性であります。しかし、大咲を娘のもとに向かわせたのは、きっと落ち込んでいるだろう娘のことを思ってなのでしょうか。たくましい、ダイナミック、行動派。そうした姿の向こうには、実は繊細な情が隠されてるのかも知れませんね。実際娘がそんな風でしょう。落ち込む綱島先輩、プラマイゼロっていうけれど、でもこうしたいつもと違った表情、それがぐっとその人の魅力を深めるの。ギャップで見せる、それはよくあるやり方ですけど、この漫画には特有の引力がある、そんなこと思わされるんですね。実際、大倉山先輩も綱島先輩も、ふたりともそうだった。はっとさせる、そんな瞬間がヒロインを輝かせますよね。
- 『まんがタイムきらら』第10巻第3号(2012年3月号)
引用
- 『まんがタイムきらら』第10巻第3号(2012年3月号),表紙。
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