2006年2月5日日曜日

新釈ファンタジー絵巻

 昨日は『まんがタイムジャンボ』の発売日。ですが、いつものコンビニに見つけることができず、こうなるとあちらのコンビニ、こちらの書店を探さなければならなくて骨が折れます。運良く、ライブ会場近くのコンビニに発見することができて事無きを得ましたが、もしそれで見つからなかったら、今日は原付ドライブとしゃれ込むつもりでした。置いている書店に心当たりがあるんですね。そこでも見つからなければ次は大阪十三に出ると。しかし、四コマ漫画誌を読むだけでも一苦労ですね。

六件めぐってようやく入手できてまずはめでたし、よかったよかった。で、ジャンボ今月号では先日発売された『新釈ファンタジー絵巻』が大プッシュされていまして、というのも『新釈ファンタジー絵巻』の掲載誌がジャンボだからなのですが、巻末近くに載っていた『ファンタジー絵巻』広告のアオリを見たときは我が目を疑いました。この、超〜かわいい表紙が目印だよ! ぎゃあ、これって私がつい先日いっていた余談そのままじゃないですか! いや、本当に参りました。

で、ジャンボ今月号では単行本発売を祝してカラーページ(二色)で登場です。祝祭的雰囲気に包まれて、いつもの連載からしたらちょっとイレギュラーな感じではありますが、こういうのもまた楽しくていいですね。でも楽しい時間はすぐ終わっちゃう。そうなんですね。そして、私が以前いい足りないといっていたことというのは、この終わってしまうということだったのでした。

『新釈ファンタジー絵巻』は、物語が終わりをすでに内包しているのです。月からきたかぐやが帰ってしまえば終わり。かぐやを育てているおじいさま、おばあさまが天寿を全うしても終わります。作者もこのことはわかっていて、そして読者もわかっていて、さらにいえば登場人物にしても気付いているのです。いつかかぐやが帰る日がくる。それをなんとか先延ばしにしたいと思う人たちがいて、けれどいつかは離れなければならないこともわかっていて、この切なさがあるゆえに、この漫画の楽しさというのが際立っているのかも知れないと思うことがあります。

今更いうまでもないことでありますが、すべてのものは有限です。漫画はいつか終わりますし、出会ったものは別れますし、生まれたものもいつか死にます。すべてはうちに終わりをはらんで、そのことを私たちは知っているから、弱気になったり刹那的になったりもするのですが、ですがもしこの悲しい現実を直視することができれば、その時々、一瞬一瞬がかけがえのないものと感じられるだろうと思います。

と、私はこの楽しい漫画を読みながら、こういう悲しいことを思っていたりするのです。悲しさの感じられるからこそ、漫画の中の暖かさや楽しさをいとおしくも思うのですが、ですが今月のジャンボでは、こんな弱気な私に向けた答えとなるような話が展開されて、だから私は本当に嬉しく思いました。季節がめぐるように、すべてはめぐるのだと、それさえわかっていればきっと大丈夫、なにも怖がったりすることはないのだと思ったのでした。

引用

  • まんがタイムジャンボ』第12巻第3号(2006年3月号),199頁。
  • ナントカ「新釈ファンタジー絵巻」『まんがタイムジャンボ』第12巻第3号(2006年3月号),214頁。

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