2006年2月20日月曜日

おちゃめなふたご

      学生時代を懐古してみるに、あれは確か高校三年の頃だったと思います。テレビで『おちゃめなふたご—クレア学院物語』というアニメをやっていまして、これがまた仲間内ではやったんですよ。主人公は双子の女の子イザベルとパトリシア。私はこれ偶然病院の待合室で見ましてね、多分春休み。ああ、そうだよ、突然腹痛に襲われて担ぎ込まれた時じゃなかったかな? 思えばこれは虫垂炎で、その後八月に私はきっちり入院します。とまあ、そんな話はどうでもいいのであって、アニメ『おちゃめなふたご』は関西では休み期間に集中放送されましてね、毎日毎日やってくれるもんだからはまったはまった。それでもう集中講義なんていってましたね。ええ、こういう風に呼んでいた人は関西では結構いらっしゃったみたいなんですよ!

で、笑うのは、休みが明けた学校でのこと、やっぱり友人も『おちゃめなふたご』にはまっていまして、それでもう大盛り上がりでしたな。さらには、私は当時図書室入り浸りだったのですが、図書室仲間の下級生も『おちゃめなふたご』に大はまりで、いやあここでも盛り上がりました。私はアニメの絵を写して描くのに長けていたから、当時はやりの絵しりとりでイザベルやらパトリシアやらをがつんと描いて、いいねえとゆわれて、いや、すまん、マニアの昔話になってしまいました。

アニメの『おちゃめなふたご』は明らかに原作よりも高い年齢層を狙っていて、学生や、また中学高校を卒業してしまった人でも楽しめるような内容であったと記憶しています。舞台は全寮制のクレア学院。わがままな双子の姉妹が、クラスの友人たちと過ごす日々の中成長していくという物語はとても丁寧に優しく描かれていたから、もう理想の学院と思えました。全寮制ってなんか憧れませんか? いや、実際にそんなところに叩き込まれたら即日脱走決行すると思いますけど、海外児童文学に見る全寮制の学校ってすごく輝いて見える。ええ、私たちにとってクレア学院はまさに輝いていましたね。憧れましたよ、憧れました。

なので、レッスン先の山科の書店にて『おちゃめなふたご』の原作を見つけたときには嬉しかった。興奮しました。だから件の友人をたきつけて購入させて、授業中に回し読みさ。そういう授業中の出来事も今は懐かしく感じて、そしておしゃまなふたごやそのクラスメイトに起こる出来事の数々も懐かしい。サワーミルクのプルーデンスでしたっけ? ギャングエイジの女の子の世界を垣間見て、うへー、みたいな話もありましたけど、フランスからきたクロディーヌが妹と、こっそり早口のフランス語で内緒話するとか、フランス語の授業でRの発音が奇怪極まるとか、このときにはまだ将来フランス語を自分の主たる外国語にするだなんて思ってなかったけど、思い返せば少なからず影響受けてるんじゃないかと思います。

実は、『秘密の花園』を探していたときに『おちゃめなふたご』が新装版で出版されているのを見つけて、ああ懐かしい、欲しいなと思ったのでした。その時にはまだ『おちゃめなふたご』しか出ていませんでしたが、今では『おちゃめなふたごの探偵ノート』まで出ているみたいですね。でも、買うならやっぱり旧ポプラ社文庫版かな。ええ、今ならまだ間に合いそうじゃないですか。愛らしいカラーの表紙、そして挿絵。ここは思い切って、どーんっといっちゃいましょうか、どうしましょうか。ちょっと迷いますけど、けど私の性格の常で、きっと買ってしまうんだろうなと思います。

  • ブライトン,エニド『おちゃめなふたご』佐伯紀美子訳 (ポプラポケット文庫) 東京:ポプラ社,2005年。
  • ブライトン,エニド『おちゃめなふたごの秘密』佐伯紀美子訳 (ポプラポケット文庫) 東京:ポプラ社,2005年。
  • ブライトン,エニド『おちゃめなふたごの探偵ノート』佐伯紀美子訳 (ポプラポケット文庫) 東京:ポプラ社,2006年。
  • ブライトン,エニド『おちゃめなふたごの新学期』佐伯紀美子訳 (ポプラポケット文庫) 東京:ポプラ社,2006年。
  • ブライトン,エニド『おちゃめなふたごのすてきな休暇』佐伯紀美子訳 (ポプラポケット文庫) 東京:ポプラ社,2006年。
  • ブライトン,エニド『おちゃめなふたごのさいごの秘密』佐伯紀美子訳 (ポプラポケット文庫) 東京:ポプラ社,2006年。
  • ブライトン,エニド『おちゃめなふたご』佐伯紀美子訳 田村セツコ絵 (ポプラ社文庫—世界の名作文庫) 東京:ポプラ社,1982年。
  • ブライトン,エニド『おちゃめなふたごの秘密』佐伯紀美子訳 田村セツコ絵 (ポプラ社文庫—世界の名作文庫) 東京:ポプラ社,1983年。
  • ブライトン,エニド『おちゃめなふたごの探偵ノート』佐伯紀美子訳 田村セツコ絵 (ポプラ社文庫—世界の名作文庫) 東京:ポプラ社,1984年。
  • ブライトン,エニド『おちゃめなふたごの新学期』佐伯紀美子訳 田村セツコ絵 (ポプラ社文庫—世界の名作文庫) 東京:ポプラ社,1985年。
  • ブライトン,エニド『おちゃめなふたごのすてきな休暇』佐伯紀美子訳 田村セツコ絵 (ポプラ社文庫—世界の名作文庫) 東京:ポプラ社,1985年。
  • ブライトン,エニド『おちゃめなふたごのさいごの秘密』佐伯紀美子訳 田村セツコ絵 (ポプラ社文庫—世界の名作文庫) 東京:ポプラ社,1986年。
  • ブライトン,エニド『おちゃめなふたご』佐伯紀美子訳 田村セツコ絵 (ポプラ社の世界こどもの本) 東京:ポプラ社,1984年。
  • ブライトン,エニド『おちゃめなふたごの秘密』佐伯紀美子訳 田村セツコ絵 (ポプラ社の世界こどもの本) 東京:ポプラ社,1984年。
  • ブライトン,エニド『おちゃめなふたごの探偵ノート』佐伯紀美子訳 田村セツコ絵 (ポプラ社の世界こどもの本) 東京:ポプラ社,1985年。

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