『まんがタウン』2018年12月号、発売されました。表紙は『野原ひろし昼メシの流儀』がメイン? いや、食事ものの連載、それを全面に押し出そうというのですね。大きな豚の角煮がのった丼をどーんと描いて、その向こうに『野原ひろし昼メシの流儀』、『かわいい先輩と残業めし』、そして『はつくい転校生』が並んで紹介されているんですね。この他には連載の告知カット、『妹がかわいくて恋愛どころじゃありません!』と『レトロゲーとかマジウケる!』がございます。
『レトロゲーとかマジウケる!』、新連載です。崖っぷち漫画家、小川よしおの部屋に入り込んでいる今どきの女子高生、寿美咲。学校の帰り、電車待ちに2時間くらいかかるからと、近所の叔父の家に遊びにくるようになっちゃった。あの、4年ぶりに会った姪の変わりように、自分はなんも変わってないとショック受けるよしおね、これわかるわー。大ダメージやで。さてさて、おじの家に遊びにきてもやることないので、とりあえず押し入れにあったゲームで遊びます。昔のゲーム機、ヒャミコンだそうですが、そいつで昔のゲーム、いわゆるレゲーに触れていくことになるんですね。初回は『スペランカー』の死にやすさと『エキサイトバイク』をはじめとする何度も同じステージが繰り返されるゲームが扱われて、このあたりはレゲーあるあるなんでしょうね。レゲーというわけではないですが、ファミコンミニ買ったり、Switchで旧作遊べるようになったりで、懐かしいゲームに触れる機会は増えています。そうした楽しみを引き出してくれる、あるいは、このゲーム、こんな風に面白いよって伝えてくれる連載になったらいいなって思います。
『新婚のいろはさん』。面白いなあ。回想ですよ。こんな野趣あふれる地域でふたりは育ったんですね。川沿いの大岩で昼寝する始少年。いろはが始のヒミツ手帳を奪ってね、それで川にはまってみたりと、ああ、ちょっと今と雰囲気が違うところ面白い。始は自重気味というか、あんまり浮き立たない真面目少年で、対していろはさんは攻めるなあ! ズブぬれです。上だけでも脱いどこうとかいって始少年を振り回したり、でもってシャツが透けてます。気にしないのか! この頃にはもういろはさんは始のこと意識してたっぽいなあ。始は全然だけど。すでに独特の風格持ってた始の漫画。これに可能性を感じたのかい? いずれ漫画家になったら始のお嫁さんになってとかいっちゃってね、始、赤面してるじゃん! でも、ないんだってさ。そういってた始だけど、いろはとの住みたい家の話、それがしっかり印象残してたんだなあ。いろはさん、初志貫徹。そして始くん、温故知新。いいねえ、いいふたりだねえ。向かい合って背丈を確かめる始、なんかかっこよかったよ。
『小春さん、ずれてない?』。小春とつきあってる疑惑を晴らすため、この子に恋人を作らないといけなくなった冬樹。もうほんと面白い。のっけから絶望。とにかくなんとか小春に彼氏をと思って策を講じるんだけど、ああー、小春さんよ、いきなり可能性を潰したよ? いつぞやのバイトの彼、一番可能性の高い彼。この人にまで、いいひと紹介してメール送っちゃってさ、でもってごめん無理って、いや、それ、自分が小春のいいひとになりたいってことだから! ああー、冬樹がこの状況ちゃんと把握してたらここでこの漫画終わったのに! いや、あかんやん、それ。小春の奇跡の写真を撮る、そのくだりの必死感、すばらしい。というか、冬樹の顔がずっとヤバい。そして小春をプレゼンしまくるも、それ、冬樹の狙ってる彼女にはノロケてるって伝わって超裏目。いいねえ、いいよ、なにやっても誤解される、なにやっても不信を招く。この迷走感。やりますね、いいですよ、最高ですね。めちゃくちゃ面白いです。
『妹がかわいくて恋愛どころじゃありません!』、短期集中連載です。山谷睦月、27歳。明るい、ハキハキ、可愛らしい眼鏡のお嬢さん。いきなり男に飢えてるとかいわれてますけど、それ、駄目よ! そういうこといっちゃ駄目よ! さて、一緒に営業をしている宮本くん。この人と睦月、だんだん仲を深めていくことになるのかな? と思いきや、睦月は妹のこと、いろいろに忙しい。妹に彼氏ができた……。めっちゃ絶望顔ですね。まだ高2。はやくないかって、やさしいいい子の妹が騙されたりしないかって心配して、わかるー。高校生の男子なんてえろいことで頭いっぱいだろうからって、うん、宮本くんの答が素直でたいへんよかったです。妹の彼氏、これを起点にして、睦月の恋愛観や宮本の過去? もろもろを引き出して広げていく、そうした見せ方悪くない感じです。かつての彼女とのデート、どんなだったか聞かれて赤面したりね、宮本もなかなかにチャーミング。妹もね、姉の干渉に怒ってみせたりと、いろいろ関わってきそうな雰囲気。悪くない出だしです。
- 『まんがタウン』第19巻第12号(2018年12月号)
0 件のコメント:
コメントを投稿