2018年11月11日日曜日

『まんがタイムきらら』2018年12月号

『まんがタイムきらら』2018年12月号、昨日の続きです。

『うらら迷路帖』。迷路町の神を占いで見たために、呪いを受けてしまった紺たち。体に残る黒い痣に不安はただただ募り、皆の気持ちも曇りがちであるわけですが、紺にとりつくお狐さま、こういう時にはこの人みたいな明るさがありがたいですね。この痣、千矢にはないんですね。そうか、くろう占いといっているもの、あれは占いではないのか。ゆえに禁忌には触れなかった。今回の、皆がそれぞれに気持ちをふりしぼって、呪いに立ち向かおうと決意する姿、実によかったです。そしてニナと紺の母もこの状況に黙っておられず、ええ、そりゃそうですよね。妹が、娘が、このままだと消えてしまうっていうんだもの。そしてここで千矢の母、矢見についての記憶が呼び覚まされる。ああ、物語が動きますね。いよいよ核心に踏み込もうというんでしょうか。

『さかさまロリポップ』。柚希の友人、芽依は柚希の妹、詩月のファンなんだ。けど柚希ほどはその動向追えていなくて、というか、柚希は詩月の姉でありファンでありみたいなものだもの。そりゃどんな仕事してるか、詳しく知ってて当たり前。そんな柚希の家に芽依が呼ばれたんですね。柚希、うっかりですよ。詩月と姉妹であること内緒にしている。さて、このピンチ、どう乗り越えるんだろうと思ったら、ああー、詩月、変装してきましたよ。男の子に化けたりするのかなって予想してたら、なんか眼鏡かけて、姉とかいってきた。これで小学生には見えないでしょとかいってるけど、いや、バレるよね? いくらなんでもバレるよね? バレてましたー。芽依、立派な人だ。柚希の妹が詩月であること、すでに下調べ済みだったんだ。けど、あえて秘密を暴こうとはしない。こっそり、ひっそり、この事実を楽しんでいるんですね。そんな芽依の失敗。妄想の暴走で、ゆずと結婚したいとか口走っちゃった。でもって詩月は詩月で、芽依に姉をとられてるのが寂しいのか、なんだかんだ理由をつけて引き離そうとしてね、ああー、めんどくさい姉妹だなあ! でも、これはこれでうまくまわってるのなら、それはそれでいいのかも知れん。芽依も、そうした状況を楽しんでるのなら、まあそれでいいのかも知れん。ちょっといびつで、依存ギリギリ? 過剰な姉妹愛が甘々ですね。

『さゆりメソッド』。沙百合が百合に目覚めたか? 女の子同士のキスってどんな感じなのか、あらぬこと口走って、それに答えてすみれ、試してみる? いやもう、思わぬ急展開じゃないのと思ったら、そうか、そういうわけではないんだ。この状況を面白がってる四葉、ちょっといじわるっぽくて面白かったです。沙百合のために急遽開かれた百合入門講座。これ、創作ジャンルとしての百合についての入門ですよね。まあ、それを自分にとって都合よく利用しようとしてる人がいるわけですけども。多様な百合のバリエーション、その濃淡の幅をもって、自分と沙百合の関係も百合のひとつと認識させようとするすみれ、いい具合に悪どくていいですね。でもって、沙百合におすすめの百合漫画、いわゆる薄い本、同人誌をさくらがチョイスしてみたら、へー、すみれの描いた本なのか。その時のすみれの反応、それがね、情緒不安定扱いされるのもまた面白くて、この秘密にしてるのとか、目の前で評価されて気恥かしかったり嬉しかったりみたいなね、そんな動揺、ありあり見えるのがよかったです。

My Private D☆Vはミナミト、『海色マーチ』の作者です。今回はとりわけ面白いな。なんと、勇気×女の子、ですよ。普段はおだやかだけど、いざという時は死に物狂いで立ち向かう、そんな女の子が好きとのこと。ああ、ギャップなんかも手伝うのでしょうか、わかります。でもって、肝心要のイラストがですよ、制服、三つ編みというオーソドックスな学生スタイル、けどセーターの裾なんかほつれててね、ああ、今がそのいざという時なんだ。鉄パイプ振り被って、迫りくる危機に対しまさに振わんとするその姿。表情に見える覚悟がいい。目が完全に座っていて、これはまさに自身のD☆Vポイントを端的に描き出している、そのように思えますね。

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