『まんがタイムきららMAX』2014年6月号、昨日の続きです。
『○本の住人』、扉のちーちゃん、めちゃくちゃ可愛いな。ほんと、見た目に限定すれば、この人完璧だ。さて本編、兄の取材旅行。のりことふたりだといろいろ厳しい、のりこの友達を誘えればいいが、などなど、いろいろ考えてる兄がですね、ええ、まともなんですよ。ほんと、基本この人、奇行が目立つ人ですけど、その根っこにはこうした常識人の顔があるっていうんですからあなどれません。しかし模型店でですよ、商店街の旅行、キャンセルが出たと知って、そこに割り込ませてもらおうって話になるんですね。いやいや、面白かったですよ。たまたまでくわしたひさちゃんに、一緒に旅行いかないかと誘ってみれば、ひさちゃんは沸騰するし、模型店妹はマジ通報するしで、こういう躊躇ないところ、この漫画のストレートな魅力だと思います。しかし、旅行先ですよ。兄貴さん、いろいろ思うところあったんでしょう、気を使ったんでしょう、自分ひとりテントで寝るという。そこに夜中やってきたのりこ、涙、ええ、ほんと、兄ひとり妹ひとりでずっとやってきた、その心情のしのばれる、そうしたところ、常には見られぬ輝きがあったと感じました。
『うにうにうにうに』、やられましたわ。皆で繰り出した縁日でのこと。あのうにの楽しそうにしているところなど、とてつもなく可愛くて、おめん、わたあめ、たこやきに金魚すくい。その様子が本当にほのぼのと魅力的に描かれて、だからこそですよ、うにの迷子。はぐれてしまって、ひとり。心細くなって、どうしようかって、けどずっとあの家から逃げ出したかったんだって思い出して、でも、皆のやさしくしてくれたこと、その思い出が一度に押し寄せてきて……。あのうにの涙。ひとりぼっちの寂しさ。それが切々と伝わってきて、ああ、これは本当に見事。ひしひし胸に迫って、涙を絞る、その力、なみなみならぬものありました。そしてユキ姉ちゃんも、いつもはいじわるなのにさ、すごく優しくって、ほんと、今回、渾身でした。
『スクール・アーキテクト』、びっくりしましたよ。学校の廊下、こんなところにこんな階段なんてあったっけ? 細道、下り、先は真っ暗。アニマがですね、この階段を下りていってしまったそうで、ノリコは追い掛けたいんだけど、怖くてなかなか勇気が出ない。そんなノリコ、ヒルミをレイジが挑発してみせて、結果皆でアタックするんですけども、正直、見誤っていたのだと思います。半ば挑発、半ばからかい、そうしたやりとりの面白さを見せようとしている。そう思っていた。レイジのいうように、すぐにこの非日常も覚めるものと思ってたんです。それがまさかの展開。そしてまさかの異世界。うわー、うわー、なんだこの変なところ! アキタランドか!? アキタランドなのか!? はたしてこの漫画、これからどうなるのか。もうさっぱりわからんぞ。戻れるのか、戻れないのか。日常への回帰はあるのか。いやもう、さっぱりわかりません!
『ロボらとり!』、ロボの面々の帰宅ですよ。ああー、なんか勝手に学校に住んでる、そんな気持ちになっていた。違いますよね。学校では倉庫を溜まり場にしてるだけで、別に住んでるわけじゃなかった。ええ、勘違いしてました、いつのまにか。皆と一緒の下校、エミ、はじめての寄り道です。商店街を通って、そこでロボの皆のいろんな表情もろもろ、いろいろ真面目だったり、いろいろ可愛がられてたりといったところ、それを見る。そういうのすごくよかった。そしてノコですよね、おうちが喫茶店。なるほど、確かにこの子、茶運び人形でした。和装も似合って可愛くて、そして店でもお客さんに可愛がられている。いやほんと、悪くない。この雰囲気、悪くないですよ。
『みことの一手!』、本気を出す、これまで以上に頑張ってみせる、そう誓ったみことですが、今回はその実践ですよ。日曜に部室、大会に向けての特別練習だっていうんですが、みことのライバル、そしてみことのことをライバルと思ってくれている蛍と打つ、勝つまで打つ。みことの気迫、意気やよし! でありますよ。しかし、今回はなんか不思議な話でした。みこと、蛍との対局、なにか覚えがある。先が読める? 実力がついてきているのか。けれど、わかっても勝てない。どんどん形成不利になって、気持ちが追い詰められて、けれどついに三劫に持ち込むことができた。これ、蛍は珍しいといってますが、昔は不吉とかいわれてたんじゃなかったでしたっけ。同じ手が延々繰り返されるため、終りを見ることのない手。将棋でいうところの千日手というやつですよね。将棋だとこうした状況になったら、それを回避するというルールがあるけど、チェスの場合はステールメイト、引き分けにする、といっても、チェスはいかに引き分けに持ち込むかみたいなゲームですけど、ともあれ、囲碁も引き分けになるんですね。さてさて、『みことの一手!』ですよ。打ち疲れたみことが眠って、目覚めたらまた蛍に挑戦する。ああ、なるほど、今回は延々と繰り返される、それがテーマなのか。三劫による千日手、それが暗示したのは、このエピソードのあがりがふりだしに繋がってるということ。まあ、みことは引き分けに持ち込めた先の一局に至るまで、ずっと負け続けていたんでしょうけど、そのためにみことには盤の流れに覚えがある。そしてこの勝負はみことのいい、蛍もいうとおり、勝つまで続くんでしょう。ほんと、不思議な対局、不思議なエピソードであります。
- 『まんがタイムきららMAX』第11巻第6号(2014年6月号)
0 件のコメント:
コメントを投稿