2014年4月13日日曜日

いちから聞きたい放射線のほんとう — いま知っておきたい22の話

 今日はサイエンスカフェというものにいってきました。喫茶店などで、いや、喫茶店とは限らないのでしょうけど、科学にまつわる講義、解説、ワークショップ? などおこなう、そういう催しをサイエンスカフェと呼びますが、放射線について基本のところを学ぶ会が開かれるというので参加してみたのでした。解説は大阪大学の菊池誠さん。先日、『いちから聞きたい放射線のほんとう — いま知っておきたい22の話』という本を刊行なされたところなのですが、基本のところを押さえておきたい、そういう要望に応えようという本、そして催しなのでありますね。

私に関しては、放射線について、もちろん詳しいだなんてことはいえないわけですが、おそらくは多くの人がそうであったように、2011年の原発事故を受け、当座の情報を自分なりに理解し咀嚼できるようにと、放射線というのはどういうものか、そのメカニズムやらいろいろを、軽くざっと学んで知った、そうした知識がベースになっています。なので、今日のサイエンスカフェはおさらいのつもりで参加して、誤り誤解があったら、それを改められるとよいと思ったのでした。

サイエンスカフェははじめてといっていましたが、こうしたイベント、結構盛況なんですね。自分は時間ぎりぎりに入ったんですが、席はほぼすべて埋まっていて、その後も参加者は増えたので、席が追加された、それくらいの入りでした。予想どおり、ないしは予想より入ったって感じなのでしょうか。そして、こうしたイベントに参加しようという人たちだからなのかとも思うのですが、もう当然詳しい人がいたり、私同様原発事故をきっかけに学んだ、知識をアップデートした、そうした人も多かったという印象でした。少なくとも、皆自分なりにでも、今の状況あるいは当時起きていたこと、それを理解しようとしてきたといった人が多いという印象で、ひととおりの解説(といっても2時間強くらい? 結構しっかりとした時間かけて解説されました)を終えた後の質疑応答、質問の時間ですね、次々と手があがって、様々な疑問や意見が出た。やはり皆、一定以上の能動性を持って事態に向きあおうとしている、そうした印象を強く感じたイベントでした。

今回は、ガイガー=ミュラー管で拾った放射線、そうして生じた電力をアンプに流して、音として実際に聞いてみるということもなされたのですが、自然放射線で1分あたり25回くらい鳴る(23回とカウントしたのですが、皆さんはどうだったのでしょうか?)ところが、塩化カリウムを近付けると比較にならないくらいの頻度でブチブチと音がする。具体的に放射線が身近に存在しているということを可視化、いや、可聴化ですね、体感として理解できたのは面白かったです。実際、こんな具合に、放射線は身近に普通にありふれて存在しているということが理解できて、また食品にも放射性物質は含まれていることが理解されたら、過剰なノーリスクを求める姿勢などは薄れていくのではないかな、など思ったのでした。

身近にある科学、あるいは科学でもって計れること、そうした指針を得るにはよい勉強会であった、それが大ざっぱではありますが、今回参加しての感想です。

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