2014年4月21日月曜日

『まんがタイムきららミラク』2014年6月号

『まんがタイムきららミラク』2014年6月号、先日の続きです。

幸腹グラフィティ』、露子さん、素晴しい! さて、温泉旅行編、後編であります。のっけからお刺身、霜降り肉、そして茶碗蒸しを味わう彼女ら。旅館の仲居さんが圧倒されてて、面白かったです。あらゆる料理に誉め言葉、それで嬉し涙流す仲居さんがいれば、露子さんからもらえた信頼の一言に、仲居厨房皆そろって驚愕するというね。ほんと、露子さん何者? けど、椎名にはわかるんだ。照れ隠し露子さん、そう思えばなんだか可愛い人だな。そして布団の敷かれた客室、クロッキー帳手に露子さんを待ち構える面々。露子さん、通報するんだ! 焦る露子さん、照れる露子さん、安堵する露子さん。今回は露子さんスペシャルでした。他に椎名の、皆でトランプとかはじめてという話ね、うん、しみじみといい感じ。だんだんに互いのいろいろを知っていく、まだまだ知らないことがある、その距離が縮まっていく感じが素敵です。

スイート マジック シンドローム』、今回は皆でたこ焼きを作るのだそうですよ。たこ焼きの鉄板、持ってるんだ! 中に入れる具材、いろいろ工夫して、ハム、タコ、ねぎ、えび、チーズ、そしてチョコレートなんてのまであるんですね。当然疑われるプリン。あの必死の抗弁が可愛いなあ。チョコレート持ち込んだのは甘子なんですね。油をバターで、そしてパンケーキの生地を使って焼く。中にはチョコとバナナを入れるという、ああ、これだと確かにお菓子になりますね。今回の見どころは、たこ焼きを作る風景、クレーム姉様の通販癖しかられる、そして皆でゴロゴロ、それから体操などなど、ええ、うちでも昔、ちょくちょくたこ焼きを作ってたんですよ。その時の楽しかった気持ち、あざやかに思い出されて、またたこ焼き作りたくなってきたなあ。ええ、そう思うほどに楽しい風景が描かれていました。

『アンネッタの散歩道』、もう本当に素晴しい。アンネッタがメイヴからの手紙に返事を書こうとして悩んでいる。本編は、この手紙より少し前に遡って、ええ、前回の続きですよ。ニアヴ姫のこと、なんと嫁入り先から帰ってきてしまっていたこと、それが恨みとなって、相手部族に誘拐されてしまったっていうんです。両部族は神話時代からの敵対関係。戦争を避けるため、百年に一度、交互に姫を輿入れさせるという取り決めを交わしていたんですね。それをニアヴ姫が反故にした。なので相手部族も御冠なわけです。しかし、戦争になるのか? そう思ったら、なんとハーリングの試合なのか。スポーツで決着とは悪くないじゃん。リクリエーションみたい。そう思っていたら、いやもう全然違った。こちらは怖い顔のおじさん、そしてメイヴの言葉に皆鼓舞されて、士気ががんがん上がります。しかし向こうはというと、スポーツとしてプレイする気がない。戦争のつもりでいる。鎧を着込んで、暴力に訴えてくるという、そうした状況で、スポーツであることをやめないメイヴたちの戦い。そしてニアヴにかけられたシエナの言葉。ほんと、ここからの展開が素敵でした。参戦するニアヴ姫、正々堂々挑む彼女彼らの気持ちはすがすがしく真っ直ぐで、御仕着せのらしさよりも自分のらしさ、過去からの因習よりも自由を求めて走る、そうした気持ち、姿勢が輝いていました。そして試合の最中、メイヴが心中にてアンネッタに語り掛けた、その言葉。メイヴのアンネッタへの思いが静かに、けれど活き活きと躍動して、不思議と穏かで、不思議と情熱的で、この相反する感情が同居する様に、人の、妖精の思いの、友情の、まさに今手を繋ごうとしていることの豊かさを思わされたのでした。和平の中にいがみあいを内包していた部族の関係は改善され、素直になれずにいたニアヴ、シエナの未来には灯りがともり、そしてアンネッタとメイヴのこれから、いつか会うその日のこと、希望が、明るい展望が開けている、そんな気持ちにさせてくれる、本当に素敵なエピソードでありました。最高です。

『たぬき、時々、きまま道』、これほんといいですね。今回のゲストは、山菜を採りに山に入ってきた小学生の兄妹です。楽観的で向こう見ずな兄翔平に、やめよう、危ないという妹一花。そこに藪から現れたのが、たぬきの子、つぐみでありました。山菜を採りにきたというので、山菜の生えてる場所へと案内するつぐみ。けど、本当ははやく山から帰した方がいいと思ってる。兄妹の仲違いしてる様子を見て、仲直りさせる苦肉の策が山菜だったんですね。しかし、つぐみ、今回は自分のフィールドだからでしょうか、あるいは見た目がお姉さんだから? しっかりして、兄妹をうまく導いて、その様子がとてもよかったです。けど、突然の雷にたぬきに戻ったり、それで一花に捕まってしまったり、ランドセルに押し込まれそうになったり、こうした様子もおかしくて、小さな兄妹とのほのぼのした関係も魅力的でありました。ほんと、毎回を新たな出会いで彩って、ちょっと寂しい別れも描いて、けどその構成、悪くないと思いますよ。

  • 『まんがタイムきららミラク』第3巻第6号(2014年6月号)

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