『まんがタイムオリジナル』2013年4月号、発売されました。表紙、メインは『ラディカル・ホスピタル』山下ナース、見事なマエストロ、おおっと、マエストラぶりであります。指揮者ですね。ええ、凛々しくて素敵。というわけで今月は音楽がテーマで、榊医師ヴァイオリン、師長ピッコロ、『鹿女子』は鍵盤ハーモニカ、『ゆらゆら薬局プラリネ』兄はヴァイオリンで、妹がクラリネット。そして『らいか・デイズ』らいかがシンバルであります。
『よゆう酌々』はちょっと珍しい展開かも。柴田さんなるお客さん。楽しく飲んでいたんですが、女将が粧子さんの会計しているその時、携帯電話が鳴って、店から出たと思ったら戻ってこない。ちょっとした事件? 無銭飲食? けれどコートは残っている。警察にいうべきか、それとも信じて待つべきか。ちょっとシリアスな話。最後にさ、ごめんごめんうっかり、そういって柴田さん戻ってくるんじゃないかと思ったんですよ。けど、一週間たっても音沙汰なし。逃げた? 本当にどうなのか。しかし、この騒動で見えてきたのは戸田君の一面。女将さんが痛々しいと評する彼のイライラとした様子。しかし、これはどういう方向に向かうのか。気になりますね。柴田さんのこともそうなら、戸田君のこともそうですよ。
『小森さんは断れない!』、卒業式のシーズンですね。って、時間がたってるんだ、この漫画! まあそれはわからんのですが、三年生を送り出す会、略して三送会、その手伝いをすることになった小森さんとまさ子。すべての仕事をひとりでやろうと思うのが小森さんの基本なのか。20時間で足りるの? すごいな。小森さんの役職、オールラウンダー。気にいってるんだ。面白いなあ。あの、ちまちま装飾作ってるのも面白い。内職なら20円くらいとか、わびしい。絵もしょんぼりしてて、ほんとわびしい。あと卒業式まであと2週間、そこでまさ子のいった、私達は来年、それがなにか切なさを覚えさせて、ええ、友達といられる時間、それを数える。その時の小森さん、しゅりの表情、どれほどに友達と一緒に過ごす時間を大切と思っているか、それが伝わって、それがなんだか切なかったのですね。
『かでん屋さんの知識』、面白かったです。新生活応援三種の神器お買い得セット。三種の神器というのも、ちょっと古めかしい響きですよね。電子レンジ、冷蔵庫、洗濯機が鉄板ですか。なるたけ手をかけないもの、生活を楽にするもの、それが売れるっていうんですね。うん、まあ、そりゃそうだと思う。お菓子作りしたいというお客さんに、オーブンレンジをすすめながらも、どうせすぐに飽きますよというアドバイスとか、冷蔵庫のズボラサイズとか、いやはや、一連の流れ、面白かったですよ。しかし、オーブンレンジは一人暮らし向きじゃないかも知れませんね、って、しかもそれ高いよ! めちゃくちゃ高いよ! セットで売りたいお店の事情とか、町の電器屋さんの事情とか、こういうのも面白く読めました。
『西園寺さんとメガネ委員長』、ちょっとびっくりしました。派手な子が地味な子に、地味になる方法を習おうという漫画。これは偶然のかぶりなのか? 派手、明るい、そうしたものがよいという価値観があって、地味、大人しいはネガティブ、それを逆転させるのはわかりやすいのかも知れない。けれど、西園寺さんには、地味になるための理由、その切実さが少ないのか。などという比較が発生してしまうから、ええ、ちょっと不利かなって思ったりしたのでした。『派手なコ、地味なコ』、自分はこの漫画を大変に気にいって、そして買っているのですが、それだけにね、やっぱり比べてしまう気持ちが拭えないんですね。
そうした印象を抜きにすれば、ちょっとライト、コメディタッチで、特別扱いされたくない西園寺さんが、委員長に接触。それで仲良くなっていくという展開。その途中の、変わろうと工夫してもまわりの目は変わらず、それは実際そうかもなどと思わされました。それと、西園寺さんが委員長、りなこのこと、ネガティブな評価をしていない。魅力的と感じていること。そうしたところはとてもいい。互いに相手の魅力を知っている、それがあるからこそ友達、なんでしょうね。とりあえず続けて読みたい、そう思わされましたよ。
- 『まんがタイムオリジナル』第32巻第4号(2013年4月号)
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