『まんがホーム』2012年1月号、昨日の続きです。
『さくらんぼ。』、怒涛の最終回でした。悪いファン連中のやっかみが原因で、レイと会えなくなったさくら。そんなところに、大量の寿司の注文が! この漫画のいいところは、レイとさくらの関係、それを応援しようとする人達がいる、それだと思わせる展開、最終回でありました。最後の最後に男を見せた健太や、散々反対しながらも、レイにさくらの到着を握りのネタでもって伝えてみせた大将。そうした皆の気持ち、最初はライバルだったり反対してたりといった人達が、ついには味方になるまでがちゃんと描かれていたものだから、このラストがより魅力的になったのだと思うんですね。しかしそれでも親父さんはレイにいじわるしたりして、このあたりの素直じゃないとこ、困った、けれど可愛いおっさんですよ。ええ、いい最終回でした。
『紫乃先生〆切前!』は清野さん、ずいぶんとあからさまになったものですね。最初のうちは紫乃先生が一方的に意識してるみたいだったのが、今や清野さんの方が必死っぽい。こういう、恋愛メインの展開の方が好まれるっていうことなんでしょうね。条件が満ちるまでは成立しない恋愛状況。その気になればいつでもゴールに雪崩れこめる、そんな感じだけれど、つまりは可能な限り現状を引き伸ばせるということでもありましょう。互いに好き好かれながら、それをはっきりさせず、作家と担当として駆け引きしあっている。不思議な関係だけど、この互いに騙しあうようなところはかなり好きなので、是非長く続けて欲しいと思います。
『ただいま独身中』は、めずらしく登場人物が恋愛を意識しているというのに、誰もうまくいきそうにないっていうのがおかしくて、彼氏のいる操はオタク趣味重視でちっともうまくいってなさそうだし、ヒロイン楓はそもそもからさっぱりだしで、このうまくいかない空回り、面白いわ、すごくいいわ、気にいっています。しかしね、楓のいう年重ねるごとに恋愛下手にっていうのはわかる気がします。ことは恋愛に限らないのかも知れないけど、分別がつくというのは飛び込めなくなるってことにかなり近いと感じられて、恋愛に関しても、また新しくなにかをはじめようっていう場合においても、保身に走ってしまう。楓なんかは随分コミカルな生き方してるように見えるけど、それでもこうしたリアル感じさせる言動なんかがあって、これが実に効くんですね。いいですよ。この生身な感触が最高です。
『つくしまっすぐライフ!』は、なずながなんだか大人っぽくなったなあ。恋してるからか!? それとも描き方が変わったのか!? いずれにしても、ちょっと凛々しい、そんなお嬢さんになっていると感じられます。年の瀬ににこにこ。五行さんがらみだなと察した友人たちに発言封じられて涙目とか、可愛い人であります。なかなか会えない。そんな人になにをプレゼントしようと迷う。あの仕方ないと溜息をつくなずななどは大層色気があって、対してコンビニ店長の想像に出てくるなずはは今ひとつだなあ。色気、魅力などは作為にではなく、自然にこそ発するということなのだろうと思うのでした。しかしほのぼの穏かなカップル。いい関係だなって思うのでした。こういうの理想的ですよね。長く付き合えそうなふたりだと思います。
- 『まんがホーム』第26巻第1号(2012年1月号)
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