『まんがタイムオリジナル』2012年2月号、発売されました。お正月らしいイラスト。メインに山下ナース、なんですが、来年の干支をあしらった着物が、なんせ辰年、龍なもので、えらいこといかつくなっております。かくしてテーマは辰とわかります。タツノオトシゴを凧に描いた『らいか・デイズ』らいか、コーヒーから龍を呼び出してる? 『スーパーメイドちるみさん』ちるみさん、羽子板に龍のあしらわれた『よゆう酌々』女将さん、『ひよスタ!』空は龍のあしらわれたステージ衣装。はいいけど、やたらいかついな。で、右には、坊やよい子だねんねしなな師長、そして男子会風景も描かれてます。
『オトメシュラン』は、なかなかにいい話ではないですか。ヨウさんの仕込み、ガルビュールを見て思い出される慎太の就職活動時代の思い出。それがちゃんと最後にも効いてくるのはよいですね。慎太の親父さん、来店。なんと、先代の時分にここで働いてたというのか。で、今やファミレスチェーンをまとめる社長ときた。息子を心配してきたってことなんでしょうかなあ。それで、ヨウさんを試すようなこといって、そしてヨウさんはきちんとその気持ちに応えてみせてっていう、そこにちゃんとガルビュールが関係してくる。こういう見せ方、よかったです。いや、もう、ほんと、ヨウ兄貴の男気に男惚れしてしまいそうでした。ところで、先代のころは、ルミ子さんがあやかの、慎太父が慎太のポジションだったりするのでしょうか。なんかそんな気がするのであります。
『おかん』、ええのう。いや、おかんがいいんじゃなくって、サツキがいいんですが。あのですね、悪い子気取りのサツキがやたらくさ可愛くってですね、ああ、いいよ。基本真面目でいい子なんですが、それでも反抗したい。そんな風に思うもんなんですね。でも、相手は半端じゃなく常識はずれなので、抵抗も虚しいっていうね。ほんと、報われない娘ですよ。でも、母のようになりたくない、そう思ってるサツキですけど、これがあと20年30年たったら、すっかりおかんになってそうな気がして、ああ、怖ろしい。時の流れは残酷です。
『恋は地獄車』、素晴しいな。万里子さんがお見合いすることになる。相手は取引先の重役の息子だっていうんですが、37歳。うん、ある程度以上の年齢になっても未婚って、特に本人が結婚を望んでいるのに未婚って、なんらかの問題を抱えてる難物、不良物件と考えた方がいいっていう、まさにそういう話でありました。しかし、この漫画はそうした不良物件が多すぎる。問題の息子さんがそうなら、独身をこじらせてる先輩もそう。万里子さんも当然そうなら、後藤さんもその部類だよなあ。この漫画はもちろん問題を過剰に強調してるわけですけど、でも、まあ、普通の部類でありながら問題を抱えている、その方が長い目で見たらきびしいやも知れませんなあ。なんて思わされたりするエピソードでした。いや、反省はしません。
『あねぐるみ』は、北見薫子、楠木弟の上司ですが、この人にスポットライトが当たって、いやあ面白いです。楠木姉が大嫌い。で、なにかあるたびに手向かって、なのに勝てない。嫌がらせみたいなことしても、やり返されるわけでもなく、けれど自信喪失させられる。でも、姉ちゃんが悪い人じゃない、敵意あってのことでもない、そうしたさっぱりした人だから、こうしたやりとりも嫌味なく、北見課長もいつか打ち解けたりするんじゃないかなあ。なんて思える。いや、だって、焼き肉屋でおいしいと感動してる、そんな様子見たら、そんなこと思ったりするわけですよ。楽しい漫画、職場もの。実に面白いです。
- 『まんがタイムオリジナル』第31巻第2号(2012年2月号)
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