『まんがタイムジャンボ』2012年1月号、昨日の続きです。
『でり研』は、冒頭扉の海原裕子、これは七五三の風景なのかな。可愛いお嬢さん。手にはクマのぬいぐるみ抱いていて、なるほどこれがあの「けど怒ってる」時のクマであるか。大事なクマ、愛しいクマ、けれど怒ってる、その怒りが向けられるのがあのクマ、ということは、両親に対する思い、それを一身に受けているのがあのクマであるのかも知れません。しかし海原のいう、パパやママに届かなかった信号が大仏くんに届いたというの、それは逆にパパやママに対してよりも、より強く信号を発した相手、それが大仏くんだった、そんな風にも見えてしまったのですね。素直になれない海原。けど素直になれる相手を見付けたのかなあ。そうした海原の変化はとても好ましいと思えるのだけど、なぜかちょっと面白くない。いや、漫画としては面白いんですよ。
『ふみ姫様は知りたいざかり!』、枕辺しょーまの新作ゲストです。絵の感じがちょっと変わってる? 以前よりちょっとかっちりした風になっていて、けど根幹にある可愛いさは変わらない、というかいや増している? 世間知らずのお姫様、ふみ姫が家出をした。でもって、浮世絵絵師弥七のもとに転がりこんでくるのですが、打ち首をやたら怖れるおいつ。いや、まあ、怖れるわなあ。しかし、姫様の泥にまみれたその時の感動の表情。畑仕事を終えて給金を貰った、その喜びの描写。いや、これいいですよ。素直に喜びや感動を表情に表すお姫様のお話、これは見ていてなにか気持ちいい、そう感じさせるものがあっていいですね。
『太陽くんの受難』、クリスマスのお話。みんなで太陽くんの家に集まってパーティーしようというんですが、いきなりやってくる。でも、それを予感してるという太陽くん。うん、受難慣れしてますね。しかし小暮さんがいい感じ。眼鏡だから、小柄だから、サンタだから、トナカイだから、じゃなくて、あの外出着、帽子、ケープ、長い丈のスカート、完璧だと思います。どんどん推してくる、そんな先輩たちの中、太陽くんにそっと寄り添うようなところがあって、いい感じのふたりだなあ。穏かで、とてもいいと思う。そして最後にみんなから太陽くんにお礼。この、使いっぱなしじゃなくて、ちゃんと労うところ、この人たちのいいところだなって思います。うん、見てて気持ちいい。
『はなな大増刷』は、先生が自爆だ! 少女漫画音読を自ら提示して、結局自分が一番恥ずかしい。いや、もう可愛いな。ほんと、めちゃくちゃ可愛いな。この先生、大好きです。でもって、今回は連続するエピソードの発端になる回ですね。岡村とはななが組もうというんです。岡村が小説を書く、それにはななが挿絵をつける。イメージをまとめるのにフィギュアを使ってみたり、ええと、あれはピンキーストリートみたいなのかな? よりよいものになるよういろいろ工夫して、その過程、頑張りの様子が素敵です。で、郁子ちゃんも挿絵の仕事をすることになるっていうんですね。この郁子ちゃんとはななが、違った場で、同じものに取り組もうというのがいいですね。
- 『まんがタイムジャンボ』第18巻第1号(2012年1月号)
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