カワハラ恋の『東京!』が単行本になると聞いた時は、特に驚きもなく、やっぱり人気あるんだろうなと素直に受け止められたのでした。しかし、それが『学園カラーズ』と同時単行本化と知った時には、そこまでなのか! とここでようやく驚きました。しかし、『学園カラーズ』ってどんな漫画なんだろう。どんな媒体に掲載されているかも知らず、だから買うかどうかは『東京!』にて判断されるカワハラ恋のバリュー次第。買う、見逃す、どちら!? ええ、買いました。ええい、買ってしまおう、思い切って購入リストにいれたのですね。
その『学園カラーズ』、単行本発売に先駆けて、『まんがホーム』2010年12月号に掲載、それで掲載媒体がlivedoorデイリー4コマであること、そしてどういう漫画であるかを知ったのでした。とはいえ、雑誌に載ったたかだか数ページでわかるかというと、それはちょっと無理。やはり単行本なら単行本でまとめて読んで知る、それが一番であろう。というわけで、単行本の発売を楽しみにしていました。
読んでみての感想は、いやもう本当に好き勝手に描いているのだなあ、といったものでした。冒頭に、漫画のはじまるまでのことが描かれていたのですが、そこに好き勝手にやっていいならという台詞があって、で、この約束は見事にはたされたみたいです。タイトルカットも自由、各回タイトルも自由、タイトルの表記さえも自由。もちろん、内容も自由。そのときのノリみたいので描いてるように見えて、それが実に面白いんですね。なんというのでしょう、ずいぶん以前に先輩に押し付けられるようにして借りることになったマイナー系アニメ誌の読者コーナー、常連の面々が描く漫画があたかも連載のように毎号掲載されていたのですが、『学園カラーズ』からはまさにそうしたノリを感じたのです。
そうしたノリってなんだろう。それは、まずは自分が楽しんでいるってところなんじゃないかと思うのです。漫画に描かれていること、あるいは描くことを、作者自身がまず楽しんでいる。その楽しんでるっていう感じ、なによりも私が面白い! って感覚が伝わってくるから、読んでいるこちらも楽しく、面白くなってくる。ええ、そのこちらも楽しいっていうのが重要なんでしょうね。ひとりよがりではない。作者だけが楽しんでるんじゃなくて、作者も楽しんでいて、それが読者にも面白いっていう、共感的といえばよいか、気の置けない友人とおしゃべりしてるかのような感覚、そういったものがあるのですね。実際、漫画の中においても、そうした状況が描かれているわけですが、それを読んでいる私からして、そうした感覚を味わっている。それがすごく楽しくて、巻き込んでくれる、引き込んでくれる。本当に魅力的な漫画であるのでした。
- カワハラ恋『学園カラーズ』(まんがタイムコミックス) 東京:芳文社,2010年。
- カワハラ恋『東京!』(まんがタイムコミックス) 東京:芳文社,2010年。
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