『まんがタイムきららフォワード』2011年1月号、発売されました。表紙は『夢喰いメリー』。テレビアニメになるということで、しっかり表紙でありますよ。もみじでもって飾られたメリー。なんだか露出が多いぞ! と思ったら、コートを着てないだけで普段どおりなのか。いや、コートのかわりにもみじ、っていうデザインなんですね。しかしもみじで飾りながらも、真っ赤にならない、ちょっと淡い色合いで赤から緑までのグラデーションがきれいで、そして手には花もあって、ぱっと目立って美しい表紙になっていると思います。
『7時間目の音符』、2010年3月号にゲスト掲載された漫画、連載になったのですね。吹奏楽部を舞台にした、彼氏彼女のお話です。クラリネットパートですね、先輩、部長でもあるあずみと、ひとつ下の葉平、ふたりが主人公。吹奏楽部ならでは、というなにかがあるわけでもないんですが、高校生の青春事情といった風がなんだか初々しくて悪くないですね。吹奏楽ネタでは、『オーメンズ・オブ・ラヴ』でしょうか。これ、実はエレキベースがかっこいい。というのはおいといて、ちゃんとチューブラーベルが描かれているのがいいなと思いまして、この曲、ベルがキンコンカンコンと鳴り響くのがかっこよくってですね、私、大好きなのです。作者さんも同じような印象をお持ちだったりするのかな、なんて思ったりしたのでした。
『はじおつ。』の、おつきあいがはじまりそうで、なかなかはじまらないっていう、その様子が実によい感じです。メールアドレスを渡したのにメールがこない! 待ってる方の様子も面白いのだけど、断然出すに出せない方が面白かったです。なにを書いたらいいのだろう。どえらく長い文面作ってしまったり、またメールが返ってくるのが嬉しくて、授業中も休み時間も携帯電話に夢中になってしまったり。あの、ノートに下書きをしてしまう描写とか、送信時にそれが誤変換されてたりする描写とか、細かいところなんだけど、嬉しさや、また不慣れな様子が見てとれて、とてもよかったです。なんだかすごく新鮮で、なんだかとても健全で、実によいな、そう思える漫画であります。
『少女素数』は、男の人っで鈍感! っていう話でありましょうか。いや、素直になれない年頃といった方がよりらしいように思います。素直になれないのは、すみれもそうなのかも知れない。違うと思おうと自身つとめている、そんな風を感じさせて、そして有美ちゃんとぱっクン、このふたりも、照れ臭いんでしょうね、誉められて嬉しいくせに、嬉しくないなんていっちゃう。そしてぱっクン、鈍感といえば確かにそうなのかも知れないけれど、相手の気持ちがどうなのか、得られた情報から推測するにしても、自分に都合のいい想像はできない、したくないのかもなって思ったりするんですね。思っていることを素直に伝えられたら、どんなにかものごとは簡単に運ぶだろう。けれど、その素直っていうのが簡単でない。そんな照れ臭い年頃、それが彼、彼女らのいる今なんだろうなって思うのですね。
そして、ここから最終回が続きます。『執事少女とお嬢様』、最終回。正直ちょっと意外。『グッドゲーム』最終回。次の大きな大会まではやると思ってたから、やっぱり意外。これは描き下ろしでやるのかな。そして、『わたしたちは皆おっぱい』も最終回。おお、これも意外。ジュリー編が終わって、いよいよジュリーの貴子に対する気持ちが変化していくのだろう、その過程がどうなるのかと思っていたら、いきなりすごく懐いていて、驚いた。ああこういうクールな子がこんなにも懐いちゃうっていうのはいいなって思った。実際、すごく可愛い人だと思う。そして、その懐いて、仲良くなって、その様子。貴子のまわりにいる友人たち、その気のおけない間柄っていうのがよくわかる。その、自分の気持ちを大切にして、同じくらい相手のことも大切にしてる。すごく自然に、ありのままにという、その態度が見ていて気持ちのよい漫画であったな、などと思った最終回でした。
ところで、あのゲームは親の知識範囲が反映されるという仕組みでありましたね。ということは、貴子の子は変態にしかならないと思うんだ。って、ああ、変態という進路はないのでした。けど、貴子という人を見てきて思うのですが、この人はまじめな人だった。誠実な人だったなって、だからあの4種のどれかに分岐するなら、きっとまじめになる、そんな気がしています。
- 『まんがタイムきららフォワード』第5巻第1号(2011年1月号)
0 件のコメント:
コメントを投稿