『まんがタイムジャンボ』2010年12月号、発売されました。いや、まいりましたよ。先月、コンビニの雑誌コーナーが変わってしまって大変なんていってましたが、もう大丈夫と思ってたのに、なんと今月も入手困難っぽくなってしまうとは思いもしないことでした。『まんがタイムジャンボ』が置いてない! なんで!? 朝からコンビニのはしごでしたよ。運よく3店舗目で見付けたのですが、残り一冊という状況。しかも傷んでるのね。悩んで悩んで、もしここを逃したら次どこで出会えるかわからない。思い切って買いました。
さて、表紙は音楽がテーマなのか、みな楽器を手にしています。『じょしもん』美々はトランペット、ネコ太くんはタンバリン。朝倉さんもトランペット。『パドラーズハイ』ゆーゆはホルン。そして『レーカン!』天海さんは — 、ええと、なんだろう。よくわかりません。
『レーカン!』は、天海さんの携帯電話の話で前後編。前編が友人たちとの交流、後編が幽霊たちとの交流って感じ、うまくわけられて、それぞれの面白さが際立っていました。前編においては、天海さんの浮世ばなれした様や心霊写真ネタ。あの小川さんの怖れきってるところとか、実にいいですね。しかし、死に掛け人形ならぬゾンビストラップは平気なのに、心霊写真は駄目なんですね。そして後半の、あの通り魔殺人現場の地縛霊の人、あの人との交流、あるいはあの猫との攻防、実によいですね。また井上とのコミュニケーション、これもよかったです。なんのかんのいって、井上はいい人だなって思いますよ。
『天文むすめ』は、ヒロインすばるが運動部助っ人で大活躍って話。ちょっと天文ネタは少なめなんですが、冒頭の精密機器だと慌てるすばるやら、赤道儀のこと、これくらいですかね。けど、こうして天文についてのこと、押さえられてるから、ちょっとくらい脱線しても大丈夫って思うのでしょうね。今回の話のメインは運動でしたが、昆虫地球外生物説とか、そういうマインドがあるのもいい感じです。ちょいトンデモあり。そして部員思い、なのかな? そんなすばるもいい味出していました。
『はなな大増刷』、面白いです。デジタル導入の話からはじまって、昔描いた漫画の話に飛ぶ。黒歴史とでもいったらいいのか、封印したい過去であるのだけれど、それでもちょっと見てほしい、読んだら感想も聞きたい。人情っていってもいいんでしょうか。相反する感情のせめぎあい、すごくいい。そして思い出語りもすごくいい。Gペンの話ね、まる描く練習とか、ノートとったりはしなかったけど、似たようなことやったものでした。まあ、私はそれ以上漫画の方には向かわなかったんですけれど。しかし、学生のころに好きで打ち込んでたものがあるっていうこと、振り返るのは恥ずかしい、身悶えすることもあるけれど、でも同じ時期を共に過ごした人とは懐かしく思い出し語りできる。そうした様子、すごくよかった。私にも伝わってくるものがおおいにありました。
『でり研』、これはいいですね。学園祭の風景。南先輩が開いているバー。ああ、これは魅力的。思えば私の通ってた大学では、教員主催のぼったくりバーが毎年出店していて、あれは本当に楽しかった。こういう、ちょっとした趣味性の強い店、いいですね。私が学生なら、絶対にいくだろうと思います。さて、ぼったくりバー南にて、大仏くんの過去話。アニメの話はちょっと笑ってしまいました。一応ひととおりはわかるのですが、浦飯屋の最後のがわからない。大仏俺をののしってくれ、じゃないだろうっていうのはわかるんですが。しかし、この罰ゲームっていうの、こたえるでしょうね。浦飯屋の共感もなかなかのものですが、期待して裏切られる。この期待というのが、自分が勝手にしたっていうんじゃなくて、期待させられた、っていうのがなおさら状況をきついものとしています。しかし、こういう話をできるっていうの、皆、いい関係を築いているじゃないかって思えて、すごくよいです。ちょっと前には、なんか困った人だなとしか思えなかった浦飯屋も、なんだ、いい人じゃん、ちょっとアレなだけで。そんな感じ。登場人物それぞれに、ちょっとあれで、けどなんかいいやつじゃん、そう思わせるものがあって、大仏や浦飯屋、男性陣も憎めない。いいと思います。とてもよいと思います。
- 『まんがタイムジャンボ』第16巻第12号(2010年12月号)
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